'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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東京開幕週はスマートセラヴィー、ギベオンとの再コンビなど17鞍!
2021/1/29(金)
サトノフラッグで挑んだAJCCは残念ながら力を発揮できなかったが、道悪に見舞われた最終週の中山で3勝を挙げた戸崎騎手。今週は前走に続く連勝が懸かるバジオウやテルツェットなど土日ともに東京での騎乗。来月末にはサウジ遠征も控える中、開幕週から幸先の良いスタートを切りたいところだ。
開幕週の東京は土日で17鞍に騎乗予定!
――今週から東京開催へと移ります。土曜朝から順を追って、騎乗馬の話題を伺っていければと思いますが、まずは土曜午前(1Rのプレフェリータ、4Rのルヴィアス、5Rのスーパービーム)はどうでしょうか。
プレフェリータは見た目には追い切りで良い動きをしていただけにもう少しやれていいと思います。少し間隔も空いているので、そのぶんの成長があれば理想的ですね。
ルヴィアスの方は追い切りに乗せていただきました。新馬戦が良い勝ち方をしていただけあって、乗った感触も良かったです。ただ、不器用そうなところがあるので展開が向いてほしいところですね。
スーパービームは前走がリズム良く走れていながら、最後は何かにやられてしまうようなところがあるだけに、メンバー次第という面もあると思います。東京になるのもマイナスではないと思いますし、上位争いはしてほしいです。
――同じく土曜日では、クロッカスSのブルーシンフォニーは追い切りに乗られており、白富士SのギベオンはエプソムC以来のコンビですね。
ブルーシンフォニーは動き自体、良かったですよ。距離も1400mに短くなりますが、むしろ合いそうですし、陣営も意図して距離をかえてきたようなので期待しています。ギベオンは少し距離が課題だったり、あまり馬場が悪いとどうかですが、乗り難しいタイプではないですからね。
――日曜3Rのパラノイドは新馬戦以来の騎乗です。
新馬戦は大きく崩れてしまいましたが、その後はダートで堅実な走り。チャンスはある馬だと思います。
――セントポーリア賞のバジオウ、節分ステークスのテルツェットと前走を制して、昇級初戦になります。
バジオウは前走が良い勝ち方。その後はすぐにこのレースを目標にしていましたし、それだけに態勢も整っていると思いますので、楽しみです。テルツェットはゲートやテンションの高さがポイントになりそうですが、競馬は上手。能力の高さを上手く引き出したいです。
――根岸ステークス(G3)のスマートセラヴィーは2走前に騎乗されて、オープン特別初勝利でしたね。
重賞でグッと相手関係も強化されますが、ここ2戦は良い走りをしてくれています。自分の形でどこまで通用してくれるか、注目ですね。
中山最終週は昨秋失格のソーヴァリアントで「初勝利」など3勝
――先週のレースではアメリカJCCのサトノフラッグは11着。馬場が影響したのでしょうか。
枠と馬場状態をみて、乗り辛いなとは感じていました。ただ、位置を取れるようならば取っていいと考えていましたし、色々想定はしていたのですが、行き脚もつかなかったのであの形に。ああなったら弥生賞のようなイメージで進めていましたが、セントライト記念同様、早目に踏んではいったものの、これまでの印象ならばもう少し踏ん張れた印象。馬場自体は決して向いているとは思わないものの、こなせていたと思いますし、強いていえば一度叩いた方が良くなる。そんな印象は受けました。
――先週日曜のイルヴェントデーアは惜しい2着、スペロデアは6着でした。
イルヴェントデーアは流れも向いたものの、前回より馬の雰囲気が上がっていた印象です。馬場も周りが苦にするぶん、合っていますね。スペロデアは脚抜きのいい馬場も合いそうでしたが、道中で力んでいた影響が伸びきれなかったですね。
ラヴィンジャーは馬場がどうかと思いましたが、ベスト条件ではないにしてもこなしてくれましたね。ただ、最後は坂で脚が鈍った感。平坦コースで時計が掛かるような条件が向いているんじゃないかと思います。ムジカは期待して乗せていただきましたが、スタートも決まり、道中は後は追い込むだけだな、くらいに感じていたところ、伸びがもうひと息。馬場自体は上手に走っていたと思うんですけどね。
――カリーニョミノルは久々の騎乗で2着に健闘です。
以前乗せてもらった頃より成長を感じました。勝ちきれなかったのは残念ですが、どんなレースでも対応できる、そんな強みを感じます。
――新馬のフォルトゥナータは惜しい結果でしたね。
イメージよりも距離は忙しかったですね。一度使ったことで、その辺りも変わっていきそうで、変化には気をつけた方が良さそうですが、走り自体は良かったです。ただ、1200mというフットワークはしていませんね。
――勝ったレースもお願いします。トリストラムは流れも向きましたか?
前走の反省を踏まえ、挑みましたが、よく最後はしのいでくれましたね。成長途上の中でよく勝ちきってくれたと思います。
――ソーヴァリアントは懸念していたゲートも決まり、力の違う内容でしたね。
ゲートを出さえしてくれれば、ここでは力が上だとはわかっていました。馬場もこなしてくれましたし、強い内容でしたね。
――カレンレベンティスは未知数なところもありますが、素質を感じさせる走りでしたね。
今後どうなっていくのか、心配なところがあるほど若さのある気性でした。ただ、能力的には良いものを持っていますし、レースで集中力が出ればいいですね。
――そして、ここからは騎乗以外の話題を。ご本人の話題ではありませんが、今週の川崎記念ではカジノフォンテンが逃げ切り。生え抜き船橋所属馬の勝利でしたね。
川崎記念で栗毛馬の逃げ切り、どこかフリオーソと重ね合わせてみていました。ジョッキーは南関東時代に時期が重なったりはしていませんが、ああいう馬が出てくるのは地方競馬にとっても凄く励みになることだと感じました。東京大賞典では僕も他の馬に乗って走りを見ていましたが、自分のリズムで行ければ強い印象は感じていました。今後もそこが鍵になるんじゃないかと思いますね。
――今週から東京開催。東京のダート重賞というのも相性が良いですね。
あ~言われてみればそうかもしれませんね。まあ、理由としては良い馬に乗せてもらっていたから、ということに尽きるでしょうけどね!相性が良いなら今後も続けていきたいです。
――ただこれまで(5-4-2-19)で連対率30%と安定した成績を残されています。2月20日(土)に行われるサウジ遠征が予定通り実現すれば、今開催は根岸ステークスだけの騎乗になりますが。そろそろレースも近づいてきておりますが、今年は日本人ジョッキー3名でのサウジ遠征になるわけですね。
そうですね。ジョッキーは2人(坂井瑠星騎手と藤田菜七子騎手)も遠征するので。基本、長時間の飛行機移動は然程心配していないのですが、あとは通訳してくれる人がいるとはいえ、言葉の問題がどうなるか……(笑)。そこは未知数です。
――また遠征に向けても後日改めて伺えればと思います。今週もありがとうございました!
ありがとうございます。
※次回は2月5日(金)に更新予定です。当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。