'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
共同通信杯&クイーンCと連日の重賞騎乗&いよいよサウジへ!
2021/2/12(金)
土日ともに素質馬と重賞へ。クイーンCの除外により、今週は共同通信杯で牝馬レフトゥバーズ、クイーンCにはアカイトリノムスメと挑む戸崎騎手。他にも勝ち星を期待できる存在もおり、楽しみな週末となりそうだ。またレース後はサウジアラビア遠征へ向けて出発。久々の海外での騎乗を目前に期待のほどを語ってもらった。
アカイトリノムスメ&レフトゥバーズ 連日、素質ある牝馬で重賞へ
——今週は土日ともに重賞。そして、レースを終えた後はサウジアラビアへの移動も控えているとのことですが、まずは重賞について伺っていこうと思います。クイーンC(G3)はアカイトリノムスメと再コンビになりますね。追い切りにも乗られたそうですが、いかがだったでしょうか。
芯も入ってきた間隔で成長を感じましたね。追い切りはあらかた仕上がっているとのことで、3頭併せで併入してくれれば、とのことでしたが、1週前にも良い動きをしていたそうですね。僕とすれば、阪神ジュベナイルフィリーズを使わなかったことが良い方に向いてくれるのではと思っています。
コース適性は証明しているので心配していませんが、このきょうだいのイメージでは気性的な難しさが出やすいように思います。今のところそんなところはありませんが、新馬は全く走ってくれなかったですし、決してその心配もないとは思っていないので、レースで悪影響するようなところが出ないように成長していってくれればと思います。
——共同通信杯(G3)はクイーンCでの除外を受けて、レフトゥバーズに騎乗されますが、新馬戦は強い内容でしたね。
随分強い競馬でしたね。小柄な馬体で今回はどれくらいの馬体重になるのか、心配はありますが、そんな馬に乗せていただけることを嬉しく思いますし、力を出し切れるよう楽しみにしています。
——土曜1Rのフーラリ、7Rのアラビアンナイトと続けて騎乗ですね。
フーラリは芝に入らず、ダートに回ったのではと思いますが、走りからすると問題ないんじゃないかと思います。走りっぷりも良いですし、安定感もありますからね。アラビアンナイトは東京で強い勝ち方をしてくれましたね。前走は勝ち馬が手強かったですが、改めて期待しています。
——土曜の最終ではフルデプスリーダーが予定。惜しい競馬が続いています。
前走はレースの流れに乗ってくれましたし、良い内容でした。なんとか勝たせたかったところですが、惜しいレースが続いているようにクラスでは上位の存在です。
——日曜1Rのラインオブフェイト、3Rのシュルードアイズと未勝利突破が目前の存在にも騎乗されます。
ラインオブフェイトは惜しい内容が続いていますね。ただ、追い切りに乗ったところ、少し覇気に欠ける雰囲気でした。今回はそこが気がかりですね。シュルードアイズは間隔が空いてしまいましたが、トビの大きな馬で不器用なところも。ただ、能力は十分ありますし、兄のピアシングステアとはタイプは違いそうですが、上手く成長すれば可能性を感じます。
——7Rのラヴィンジャーは前走が馬場の影響もあったと思います。
どんな競馬でも対応してくれる馬ですが、綺麗な馬場で走らせてあげたいですね。
先週は差し切りで2勝をマーク!
——先週のレースについてもお願いします。東京新聞杯(G3)のサトノインプレッサはどうでしたか。
毎日王冠で乗せていただいた際よりも落ち着きがありました。流れにも乗れたのですが、少し最後はジリっぽい脚になってしまいましたね。
——デルマクリスタルは何かアクシデントがあったのかと思いますが……。
もともと歩様が硬めな馬なのですが、今回は普段よりも硬さを感じたので無理をできなかったですね。
——白嶺ステークスのオーバーディリバーは前走の勝ち方、調教をみると、ここでもやれると思いました。
僕も期待していました。レースもイメージ通り運べたのですが、もう少し距離を詰めるなり、芝だったり、試した方が良いのかもしれませんね。
——ダート馬らしからぬフットワークでもあると思います。ダートでも湿った馬場の方が良い馬ですか。
それは言えますね。
——エトワールはあの展開だけにスタートさえ決まっていればという内容でしたね。
そうですね。久々乗せていただきましたが、成長も感じましたし、ここでもやれそうな感覚は感じました。
ラパンセソバージュはダートが決して合わないフットワークではないな、返し馬で感じていて、最後を伸ばすイメージで乗りました。正直ゴールした時は負けたと思ったのですが、ラッキーでしたね。ロジローズは競馬が上手でした。今後も上手く成長していってほしいです。
——ジャスパーゴールドは隣の馬が主張していなければ、すんなり先行できたのではと思います。
結果的に外を回らされてしまいましたからね。若干1400mは長いのかもしれませんが、競馬は上手ですし、このクラスでもやれる馬ですね。
——エイシンヨッシーは7着でした。かなり外を回っていたのも意図的だったのでしょうか。
前残りの競馬ではありましたが、想像以上にゲートを出て良い位置での競馬。ただ、もう少し追い出しを我慢すれば良かったと思います。外を回ったのは馬群を嫌う馬のようで指示もあってのことですね。色々条件はつきまといますが、東京よりもコーナー4つの競馬の方が良さそうですね。
——キタサンバルカンは追い切りの感触を踏まえての積極策でしたか。
いや、そうではないですね。以前よりもレースが上手くなっていますし、使っていけばチャンスはありそうですよ。
——ルージュアドラブルは物見がキツかったですね。
追い切りの雰囲気からも期待はしていました。ただ、終わってみると気性の難しさを感じました。ゲートの出負けは想定していましたが、4コーナーでいざ追い出そうとすると、バカつき加減。最後は難しさを出して、脚を使えていなかったです。
——アオイクレアトールは勝負にいった結果の2着でしたね。
久々で叩いて良くなってきそうなところはありますが、良い走りはしてくれたと思います。
いよいよサウジへ!チュウワウィザード&マテラスカイで勝利なるか
——さあ、そしてレースを終えたらサウジアラビア遠征ですね。
先に出発した助手さん達もこのご時世もあって、便の変更など苦労したそうです。まだハッキリと日曜出発かはわかりませんし、フランスゴデイナの回避もあり、2鞍になりましたが、楽しみですね。
——色々と下調べなどもされていると思いますが、サウジCのチュウワウィザードについてはどうでしょうか。
アメリカの馬が強敵でしょうね。クリストフ(ルメール)などに聞くと、馬場は良いコンディションで深いようなことは聞いています。適性があるかどうかは行って、自分の感覚で確かめたいところです。追い切りに乗ってくれた(坂井)瑠星に聞くと良い状態だそうですからね。
——リヤドダートスプリントのマテラスカイは昨年も惜しい内容。海外遠征はもう経験豊富な馬ですね。
昨年も走っていますし、あの馬のスタイルに持ち込めるよう頑張りたいですね。聞くところ日本馬(コパノキッキング・ジャスティン)が中心の争いになりそうとのことですね。
——コロナ禍なので現地を見て回るようなことは制限されると思います。香港やイギリスなどに続いての海外遠征に向けて、どんな心境ですか。
今のコロナ禍もありますが、無駄に出歩く、外出することはないよう気をつけたいですね。どんな宿泊施設なのかもあまり把握していませんけど(笑)、食事も可能な限り(グルテンフリー)通常通りできるよう用意していこうと思います。他の騎手や海外馬など、どう感じられるか、良い経験になるよう楽しみに行ってきたいと思います。
——まずは無事の帰国と香港に続く、海外競馬場での勝利を期待して頑張ってください。
ありがとうございます!
※次回は海外から帰国後、2月最終週に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
ここで競馬ラボからのお知らせです。戸崎圭太騎手のJRA通算1100勝を記念してマスクを作成しました。
https://www.keibalab.jp/present/63/
すべてのご応募はこちらのページにて受け付けております。応募者多数の場合は抽選になります。当選者の発表は当選者の方へのメールでご連絡させていただきます。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。