'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
10月28日時点1550勝
東京開幕週はフローラSでスノークォーツに騎乗&再び海外遠征も実現……!?
2021/4/23(金)
皐月賞は残念ながら久々のクラシック制覇とならなかったが、今週から東京替わり。次週から続くG1戦線でも報道にある通り、幾つかの騎乗予定が明らかになっている。また、あくまで先の話ではあるものの、再び海を渡る夢プランも浮上。気の早い話ではあるが、気になるトピックスについて先取りで語ってくれた。
皐月賞は不利もあり、展開不向きで不完全燃焼の結果に
——今週から東京開催になりますが、比較的テン乗りの馬が多め。まずは先週の回顧から伺えればと思います。皐月賞(G1)はディープモンスターに騎乗されましたが、7着でしたね。
レースで初めて乗せていただきましたが、バネもあって、さすがに3勝もしてきただけあって能力は感じました。ただ、まだ良くなるのはもう少し先かなという感じもしましたね。まだ非力な面もありましたし、レースでも後方からの競馬。外を回ってしまったことを思えば消化不良の内容でした。
——ただ、これまでが多頭数での競馬が少なかったり、テンから流れに乗せていくような競馬をしていなかったことを思えば、不利もあったとはいえ、ああいう位置取りにもなりかねないかなとは感じました。
スタートを出た後に寄られてぶつけられて勢いを無くしてしまいましたからね。本来の出脚だけでいえば、もう少し流れに乗れたのも事実だと思います。
——最後は伸びていましたし、先行決着、内を回った馬が上位に来たことを思えば、コーナーでも早々と手前が替わっていましたね。
そうですね。やっぱりああいう展開だけに抱えていってもしょうがない。早目に踏んでいかないといけないですからね。本当はコーナーの時点で支えていかないと、まだバランスを執るのが難しいところがあります。それは成長途上な面もあるのかなと思いました。
——デザートストームは転厩初戦。以前は1400mなどでも走っていましたが、今回は距離の違いも出ましたか。
忙しいイメージがありましたね。時計が速かったですし、1400mくらいの方が抱えていけると思います。この距離だとなし崩しに脚を使ってしまいますね。
——古馬1勝クラスのサクララージャンは勝ち馬が近走で安定していただけに手強いところでしたが、休み明けとしては及第点でしょうか。
折り合いに気をつけるよう言われていましたね。我慢も利いていましたし、そこは良かったと思います。僕も相手はあの馬と感じていて、もう少しペースを上げていければというところ。馬のリズムを守るか、勝負に嵌め込んでいくか、そのバランスが上手く噛み合わなかったと思います。
——ピオノノは体調面の問題もありましたか。
う~ん、体調なのか、この馬本来の走りではなかったんじゃないかと思います。何か影響したのかなと。
——下総Sのダノングロワールは初ダートでしたね。
着順こそ目立ちませんが、差はないなと思いましたし、次につながる内容でした。もともと前進気勢が強いタイプでもないので、砂を被っても問題なかったですね。
——山藤賞のゲンパチリベロはなかなか追走が苦しかったですね。
思っていた以上についていけませんでした。最後は脚を使ってくれていますが、僕が乗っていなかった前走ではちゃんとついていけていましたし、そこは僕の扶助の仕方もあるのかなと感じました。あとちょっとだけに残念ですね。
秋にはアメリカ遠征の可能性も浮上!
——ということで、今週末は東京での騎乗になりますね。土曜6Rのテンウォークライはいかがでしょうか。
このクラスでも通用する力はあると思います。ただ、真っ直ぐ走らないところがあるのでそこはやってみないと、ですね。
——土曜メインにあたるオアシスSのアイオライトに騎乗されることになりましたね。
予定していたソリストサンダーがかしわ記念に回るそうで、急遽、乗せていただくことになりましたね。
——日曜1Rにはダノンヴェロシティが予定しています。
新馬で乗せていただいた時は良くなるのはまだ先かなと感じていました。どういう成長してくれるか、楽しみにしたいです。
水曜に追い切られたスノークォーツ(右)
——フローラS(G2)のスノークォーツには1週前追い切りで乗られていましたね。
走りが軽さもあって、パワーもあるようなタイプですかね。説明しづらいですが、タフさの中に素軽さも秘めているというか。追い切りでは動けていましたし、間隔が開いている分については大丈夫かなと思います。気性的な問題は感じませんし、ゲートがあまり早くないそうなので、前残りの展開にならなければと思います。
——今年はここまでチュウワウィザードとのコンビでサウジアラビア、ドバイを転戦されましたね。次戦は順調ならば帝王賞とのことですが、秋はアメリカ(ブリーダーズカップ)の可能性もあるそうですね。
もちろん決定はしていませんが、そのプランもあるそうです。まだ決まったわけではないのでハッキリとは言えませんが、もし行けるのであれば夢はありますね。
——既に2カ国の遠征もあっただけでも収穫はあったと思いますが、帝王賞以降もまだ楽しみですね。
これも色々とめぐり合わせがあり、縁があってのことですからね。ありがたいことです。
——「世界の戸崎」は次週の天皇賞・春(G1)でカレンブーケドールに騎乗予定とのことで、この春もG1での好結果を期待したいものです。
決まってないけど「世界に行く戸崎」ね。今週から開催替わりですし、この春もG1にも乗せていただくので少しでも活躍できればと思います。与えられたところで丁寧に、一つずつコツコツ乗っていきたいと思います。
※次回は4月30日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。