'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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ヴィクトリアマイルはマジックキャッスルとの再コンビ!大物に一矢報いるか
2021/5/14(金)
先週から始まった東京競馬場でのG1シリーズ。第2弾となる今週のヴィクトリアマイルにはマジックキャッスルで挑むことになったが、2歳夏・福島芝1200mコースの新馬戦から手綱を執ると、2走前・中京芝2000mの愛知杯で重賞初制覇。距離適性を広げつつ、ここまで成長してきた。グランアレグリア、2歳秋のファンタジーSで屈したレシステンシアなど手強い相手もいるが、有力馬の一角として挑む今回。5年ぶりのヴィクトリアM制覇なるか、意気込みを明かしてくれた。
2歳時から手綱をとっていたマジックキャッスルの強みは自在性
——今週はヴィクトリアマイル(G1)に出走するマジックキャッスルの話題から伺っていければと思います。前走は海外からの帰国で隔離期間のため、騎乗は叶わなかったですが、阪神牝馬ステークスで2着と惜しい結果でした。今週の追い切りには乗られたようですね。
「馬はできている」とのことだったので、追い切りでは気持ちよく走らせてくれた上で感触を見てほしいとのことでした。順調に来ていると感じましたし、指示通り、気持ちよく走らせてあげられたのではと感じます。前走は僅かな着差でしたが、ここまで高いレベルで走ってくれていますし、一頭強い存在がいますけれど、マジック(キャッスル)の良さを出し切って、どこまで走ってくれるか、ですね。
——マイルの距離は前走以前、桜花賞以来、遠ざかっていましたね。
凄く乗りやすい馬ですし、幅広さがこの馬の強みだと思います。1600m許容範囲内だと思います。
——週末は雨予報もありますが、先週までの馬場ならば硬い状態になりそうですね。
愛知杯の時も見た目には荒れてはいるのですが、感覚的には硬さがありました。当時は馬場が内を回った方が良さそうな中で大外枠から一頭だけ外を回ったように良い内容でしたし、硬い馬場、時計の出る馬場についてあまり心配はしていません。前走も時計の出る馬場でしたからね。ただ、雨が降った場合、相当な道悪になったら難しいところはあるかもしれませんね。でも、秋華賞の時も渋った状態は残っていたと思うので、多少ならこなしていいんじゃないでしょうか。
——ヴィクトリアマイルとなると、ジョッキーが以前勝たれた時や2年前に3着だった年などハイペースにもなることがありますね。
あくまで枠が出てみないとわからないですが、人気馬の中にもスローにして良いと思わなさそうなタイプがいますし、遅くなることはないんじゃないですかね。かといってハイペースになるかは枠次第かなと。マジックにとっては合いそうな流れになりそうだと思っているんです。
——デビューから3戦続けて乗られて、ケガの間は騎乗ができなかったものの、こうしてコンビを再び組んでG1挑戦となりますね。
以前と比べても精神的にドッシリしてきましたし、緩さも解消されて馬がしっかりしてきたことを感じます。G1で乗せていただけることを嬉しく思いますし、ベストを尽くしたいですね。
——土日ともに東京で騎乗。2Rのロンコーネは追い切りに乗られたそうですね。
惜しい競馬が続いているようですけど、力はある馬だなと感じましたね。
——8Rのヤンヤノカッサイ、緑風Sのカントルといかがでしょう。
ヤンヤノカッサイは自分の形に持ち込めばしぶといタイプですね。あとは相手次第でしょう。カントルは随分久々ですが、以前は気難しさが残っていたのでリズム良くいければと思います。
プリンシパルSはバジオウで勝利!日本ダービーはグレートマジシャンに騎乗
——先週土曜はプリンシパルSのバジオウで勝ち星を挙げられましたね。
中間、追い切りには乗っていませんでしたが、返し馬から成長を感じましたし、先生も「今までで一番良い状態」と言っていたように、状態の良さも実感しました。バランスの良さ、力強さも出てきましたね。ゲートはいつもより遅かったですが、その後が上手くリカバリーできましたし、あとは自分の競馬に持ち込めましたね。現状は広いコースの方が良さそうですが、徐々に体幹も強くなってきていますし、今後の成長が楽しみです。
——1勝クラスのサクララージャンは流れが楽だっただけに押し切ってほしい競馬でした。
ワンペースでギアがあがらなかったですね。ペースが遅いとハミに乗っかってくるところがありますし、距離を延長しても乗り難しいタイプですし、もう少し惰性で走らせていく方が良いのかもしれません。
——立夏Sのコラルノクターンは以前、乗り難しいなんてコメントを目にしたことがあったのですが、惜しい結果でしたね。
馬は良い雰囲気でしたし、よく走ってくれましたし、相手が一枚上でしたね。少し内に寄せようとした時にハミがかりが良すぎて収まり辛いところはあったのですが、昔はそのへんがもっと強かったんだと思います。そうしたところも含めて落ち着きつつあり、成長もしていると思います。
——ナムラブルは一発あるかなと思いましたが、距離もありましたか。
最後は盛り返してくれているんですけどね。勝ち味に遅い面はあるかもしれませんが、ハミ掛かりが良いところがありましたし、1200mなんかの方が良さそうですよ。
——ホテルカリホルニアはいかがでしたか。
前走の敗戦を踏まえて乗りました。イメージ通りに運べたのですが、前走でこの競馬ができていれば、という内容。最後は伸びきれなかったです。
——ブリリアントSのエルデュクラージュは得意コースですが、ハンデや流れも響きましたか。
スタートに尽きますね。もう一列前に行けていれば、外を回らず済んだでしょうし、ロスなく運べたと思います。最後は止まっていましたし、スタートが全般的に影響してしまいました。
——NHKマイルC(G1)のヴェイルネビュラはどうだったでしょうか。
イメージとしては馬場がカギでしたね。時計勝負に対応できなかったですし、道中でついていくのが厳しかったです。まだ緩さもありますし、本当に良くなるのは先になりそうです。
——今週、落馬負傷した北村友一騎手が復帰まで1年以上の期間を要することが明らかになりました。ジョッキーも以前、ケガで長期離脱を経験して、今年はドバイでも顔を合わせることもあったと思いますが、感じる部分はありますか。
僕の場合は半年ということでしたけど、1年となると非常に大変だと思いました。復帰ができると信じて、コツコツとやっていくしかないと思いますが、精神的にもキツイでしょうし、痛みもあると思いますが、日々やっていくことで段々と体にも良い反応が出てくると思いますし、僕もそういう過程は経験しました。治ると信じて、やっていってほしいですね。
——次週のオークス(G1)はスルーセブンシーズで予定していたところ、結果的に抽選がなくなったようですね。また、日本ダービー(G1)は出走枠に入れればグレートマジシャンで挑まれるようですね。
はい、次週の追い切りには乗せていただく予定です。
——次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
※次回は5月21日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。