'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
ダートの登竜門・ユニコーンSはルーチェドーロと連勝狙う
2021/6/18(金)
先週の東京では土日で3勝をマーク。久々に1日複数勝利となったが、今週も土日17鞍と騎乗機会を集めており、さらなる勝ち星の量産を期待したいところ。また、過去に2勝をしているユニコーンSは端午Sを制したルーチェドーロとのコンビ。連勝で初タイトルとなるか、久々の重賞制覇にも期待だ。
距離がカギになるルーチェドーロ
——今週の重賞はユニコーンS(G3)になりますが、今年は過去に3度騎乗のルーチェドーロとのコンビになりますね。
前走は本当に馬が良くなっていることを感じました。強い内容でしたし、レース自体は幅広く走れているので、あとは距離をクリアしてほしいですね。
——一連が1400m戦だったことからも距離が課題になることは多くの方が思うことかもしれませんね。走り自体はこなせるように思いましたが。
16日、美浦ウッドコースで追い切られたルーチェドーロ(左)
そうですね。フットワークなんかはこなせて良いんですけど、集中力に欠けるきらいもあって、距離延長が課題になりそうです。引っかかったりするというわけではなく、むしろズブさがあるくらいなので。
——となると、思うように立ち回れるかという不安もありそうですが、何度か走っていますが、芝スタートは課題になりますか。
多少置かれる心配もありそうですね。長距離輸送なんかはこなしてくれていますし、コースを問わない強みもあるのですが。
——関東は梅雨入りも発表されました。この時季特有の天候はどうですか。
フットワーク的には水分を含んだ馬場の方が歓迎ですね。週末の天気予報はプラスに出そうですし、枠は問わないと思うので、あとは距離、このコースをこなしてほしいです。
——土曜の騎乗馬では、サトノストロングは新馬戦で好走しましたね。
前走は人気こそありませんでしたが、追い切りでは良い動きをしていました。内容的には良かったですし、前回のような競馬ができればいいですね。
——3歳未勝利勢では土曜7Rのダノンヴェロシティ、日曜6Rのギャリエノワールなどはいかがでしょうか。
ダノンヴェロシティは前回、ダートのキックバックを非常に嫌がってしまっていました。芝に戻って頑張ってほしいです。ギャリエノワールは前走が長期休養明け。使った上積みはあるでしょうから楽しみです。
——土曜・相模湖特別のプレシオーソはどうでしょうか。
前走は道中のリズムもよく、あとは前を交わすだけという内容。そこからが案外でしたね。2走前のように走ってくれれば通用する馬だと思いますが。
サトノフラッグが復調示す2着惜敗
——先週のレースではエプソムC(G3)のサトノフラッグは2着。一連の内容からすると、キッカケの見える内容でしたね。
敗れはしましたが、年が明けてからの内容が物足りなかっただけに良かったです。距離を短くしたことで、道中のコンタクトも変えてみたのですが、新しいレースぶりが見せられたと思います。最後は寄られるようなところもあって、スムーズだったら惜しい結果でしたが、キッカケになってほしいですね。
——以前は休み明けだと動ききれないところがありましたし、久々の東京コースにも対応しましたね。
休み明けが決していいわけではないとしても、あまり状態の波がない馬だと思うんです。直前、ひと雨あった中でも対応していましたし、まだ適性はわかりませんが、今後も頑張ってほしいですね。
——アラビアンナイトは接戦になったものの、勝ち切りました。
道中、力むところはありましたが、最後はしっかり伸びてくれましたし勝負根性を感じましたね。
——スマートワンは前走の内容からすると上位の存在でしたね。
でも、正直に前回の方が状態は良かったです。ここで落とすと次以降の条件もどこが合うか微妙でしたし疲れも出てきたわけで、落とせないところでしたね。馬の力で勝ち切ってくれました。
——知名度の高いメロディーレーンはどうでしたか。
土曜は馬場の硬さを感じたのですが、追い出してからは馬場を気にするようなところがあって、もう少し柔らかい状態で走りたかったですね。
——三浦特別のカイアワセは意外な結果でした。
どんなレースでもこなせる馬かと思いきや、馬群で囲まれると砂を嫌がったり、周りの馬に怯んだりしていました。直線でも伸びる感触がなく、案外な結果でしたね。もう少し条件が揃わないといけないのかもしれません。
——芦ノ湖特別のメッシーナは3着で惜敗でした。
返し馬から落ち着きがありましたね。折り合いも難なくレースはしやすかったです。ただ、伸びてはくれているものの、前の馬を交わせず、バテずといった内容でしたね。
——アポロミラクルは惜敗続きを脱出しましたね。
初めて乗せていただきましたが、条件も良かったですし、状態も良かった。良い時に乗せていただきましたよ。
——そして、次週は宝塚記念(G1)、カレンブーケドールとのコンビですね。今週、追い切りにも乗られたんですね。
状態は順調にきていますね。動きも良くなっていました!
——また詳しくは次週伺えればと思います。今週もありがとうございました!
ありがとうございました。
※次回は6月25日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。