'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
夏の福島最終週 ラストスパートでリーディングへ!
2021/7/16(金)
夏本番。先週の福島では七夕賞を含め、土日で5勝をマークと久々の固め打ち。手薄な乗鞍だった1週目から打って変わっての活躍となった。例年、夏の福島開催では固め打ちが目立つだけに最終週も勢いままにリーディング奪取となるか。今週も連日の勝利に期待だ。
土日18鞍 勝ち星をどこまで伸ばせるか
——先週は七夕賞(G3)をトーラスジェミニで制覇!土日5勝の活躍でしたね。その話は後ほど伺おうと思いますが、2019年以来の夏の福島リーディングも懸かりますね。今週は重賞もないので土曜から伺っていければと思います。土曜3Rのニルアドミラリは前走で3着と前進しましたね。
かなりの大型馬。乗った感触でも重たさを感じました。それでも地力はみせてくれましたし、この間隔で走ることで変わり身を期待したいです。
——ジュライSのエルデュクラージュは本来、マーキュリーCの出走を希望していたところ、入らずにこちらへ回る形になりましたね。
長い距離が向いている印象はあるのですが、前走の内容からすると福島であれば走れるのかなと思います。斤量の59kgは楽ではありませんし、極端な内枠に入ったらどうかというところですが、中山ダ1800mなんかだったらイメージはし辛くても、福島ダ1700mだったらこなしてほしいですね。
——日曜3Rのミッキーセサミは東京で好走。4Rのミニマリズムは先週上位争いしての連闘です。
ミッキーセサミは力のあるところをみせてくれましたし、ダート適性を感じました。ここでも力は通用すると思います。ミニマリズムは良い内容でしたね。強いて言えばもう少しゲートが速ければ、もう一列前で競馬ができたと思います。今回もゲートの出方はカギになりそうですね。
——8Rのホテルカリホルニアは惜しい内容が続きます。
ちょっと脚の使いどころが難しいタイプ。ここ2戦は外枠の中でも頑張ってくれていますし、改めて期待したいです。
——安達太良Sのショウナンアオゾラ、福島テレビオープンのアスコルターレと芝1200m戦が続きます。
ショウナンアオゾラはどちらかといえば、今回の距離の方が東京よりイメージは湧きますね。アスコルターレは昨年乗せていただいた際が進みも悪くて不可解な負け方。気性が難しそうですが、今はどんなメンタルなのか、改めて期待したいです。
先週は重賞制覇+5勝の固め打ち!
——先週の話題もお願いします。七夕賞のトーラスジェミニは安田記念に続いてのコンビで重賞初制覇となりました。
ハナでも2番手でも良いと思っていましたが、展開的にはロザムールの出方が気になっていました。枠の並び的に向こうが行ってくれたので、ならば、ということで2番手から。リズム良くいけましたし、最後は一杯になりながらも凌いでくれました。
——コメントでは厩舎や「スタッフの」おかげという言葉も見受けられましたね。
やっぱり前走から調教メニューを変えたりして馬も良くなってきていましたし、暑い時季にデキをキープするのも難しいと思いますからね。スタッフの努力もあったのだと思います。
——戦前は2000mがどうか、という声もありましたね。
勝ってくれたことでこなせる範囲なのかなと思います。マイルでも対応はしてくれそうですし、同型の存在や枠の並び、展開次第で条件の融通性はありそうです。馬場も渋っても、良馬場でも走れそうですね。
——小桧山調教師は節目の勝利を重賞で制しましたね。
やっぱり大きなレースで節目の勝利に貢献できたことは嬉しいですね。
——天の川Sのエクリリストワールはブリンカーが逆効果でしたか?
熱中症などで体調を崩してしまったもので、今回は参考外ですね…。
——トモジャリア、クリーンスイープと3歳馬で1勝クラスを制しました。
トモジャリアはゲートが悪かったのですが、切り替えてレースをしました。十分、控える形にも対応してくれましたし、最後も上手く捌いてくれました。コーナー4つのコースの方が良いイメージがありますね。
クリーンスイープは同じく内枠からの競馬。窮屈なレースで馬が戸惑い気味でしたし、馬場も気にしている様子で、手応えもひと息でしたね。バランスを崩すようなところもありましたが、馬は良いものを持っていると思うので、今後も頑張って欲しいですね。
——阿武隈Sのプリマヴィスタはどうでしたか。
外を回らされて、イメージと違う競馬になってしまいました。なし崩しに脚を使わされた感もありますし、馬場も内有利の傾向でしたからね。
——猪苗代特別のワールドスケールは単騎逃げの馬がいた中で、少頭数で人気を背負っての勝利でしたね。
頭数も少なかったですし、良いリズムで運びやすかったです。1~2コーナーをゆったり入れましたし、自分から動いていって、最後まで良い脚を継続してくれましたよ。
——ピュアブラッドは前回、序盤に力むところもあったようですが、マイペースに持ち込んで完勝でしたね。
スタートも二の脚も良く、コース替わりも合っていて良いところで競馬ができました。まだハミを取ったり、取らなかったりという課題はありますが、今後成長してクリアしていってほしいですね。
——今週のジャパンダートダービーでは船橋のキャッスルトップが12番人気で勝利。レースは観られたと思います。
競馬に絶対はないとはよく言いますけど、それにしても驚かされましたね。
——騎乗していた仲野光馬騎手はデビュー年からすると、あまりご縁はありませんか。
ないですね。でも、おそらくかなりお世話になっているはず。というのも川島(正行)先生の元でいわば攻め専のような形で調教をつけていられていて、僕が勝たせてもらった馬もたくさん調教をしていてくれたと思います。
——重賞初勝利でJpn1制覇という大仕事となりましたね。そして、福島開催はここまで7勝。2番手のジョッキーが5勝ということで、ラストスパートを凌いでほしいですね。
狙えるものは是非狙っていきたいです。
——次週の新潟開催もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
※次回は7月23日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。