'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
不振の昨年を巻き返しと連続リーディング目指し夏の新潟へ!
2021/7/23(金)
3週間の夏の福島は晴れて開催リーディングを獲得した戸崎騎手。昨年の夏競馬は故障からの復帰から間もなかったが、本人の感触通り、今夏は復調ムードを漂わせている。今週からは変則的な2場開催になり、3週間は乗り鞍の確保に苦しむことも否めないが、新潟もリーディング奪取となるだろうか。期待したい。
東西馬が入り混じる3週間の新潟開催がスタート
——先週をもって福島開催も終えましたが、2019年以来となる夏の福島リーディングでしたね。おめでとうございます。
最後の週が始まる前の時点でトップに立てていましたし、そのままリードし続けたいとは思っていました。維持することができて良かったですし、久々にリーディングという肩書きを獲れたことも良かったです。福島はたった3週ともう少し開催があってもいいとは思いますが、次の新潟でもこの流れを続けたいです。
——早速ですが、今週の新馬から土曜のウェストファリアと日曜のレディバランタインはどうでしょうか。
戸崎騎手を背に一週前追い切りを行ったウェストファリア
ウェストファリアは見た目が非常に小柄なのですが、乗ると小ささを感じさせない良さがありますね。元気いっぱいな女の子といった感じで、初戦から十分に動けると思います。レディバランタインは2週続けて追い切りに乗せていただきましたが、動けていますし楽しみですね。あとは追ったことがないので早いところにいってどうかといったところです。
——土曜7Rのサンフローリスは惜しい競馬が続いていますね。
力はあると思いますし堅実ですね。平坦に替わるのもいいですし上手く行ってほしいです。
——豊栄特別のホワイトロッジは春の中京で騎乗されましたね。
当時は1200mから1400mに替わるのが良いんじゃないかと思っていましたが、その通り良かったです。この距離の方が組み立てはしやすいでしょうし、強い内容でしたね。昇級2戦目でもこの距離なので期待しています。
——日曜3Rのブラックパンサーは前回、阪神で好結果でしたね。
馬自体は久々のレースでリフレッシュされていましたね。前目で運んでいい結果を出してくれましたが、使った上積みも見込めると思います。
福島最終週は2勝をあげてリーディングに
——先週の競馬では福島テレビオープンのアスコルターレはどうでしたか。
スタートは上手に出てくれて良いところにつけられましたが、終始忙しい雰囲気。なし崩しに脚を使わされてしまい伸びるといった様子がなかったですね。これなら腹を括ってハマり待ちくらいの競馬の方が良さそうです。
——新馬のカセノダンサーは抜け出してから急停止したのは驚きました。
乗りやすくてセンスは良いです。楽な手応えで抜け出せて余裕があったのか、モノ見をしていました。1400mくらいの距離があっても良さそうですね。ただ、モマれ弱さだったり砂を被ることへの不安はあります。上手く外に出せたので対処はできましたが。
——2歳未勝利のセキテイホノオーは新馬でも好走していましたが、着順を落としてしまいました。
形的には良かったのですが、芝が掘れているところでバランスを崩してしまいました。後で聞けば骨折もしていたそうです。
——エルデュクラージュはこれまでより短い距離、59kgの斤量、流れを考えると頑張っていたのではないでしょうか。
ここでもやれるとは思っていましたが、ペースが厳しかったですね。
——セナリストは1番人気に推されましたが5着でした。
ゆったり運ばせたいのが本音ですが、福島の馬場を考えてもある程度、出していきました。ポジションは良かったのですが、コーナリングで手応えが悪くなるところもありましたし、もうちょっとしっかりしてくれれば良くなりそうです。
——新馬のマジカルキュートは4着でした。
凄く乗りやすいし、おとなしいですね。1枠がどうかと思いましたが、上手に立ち回ってくれました。もう少し手応えがあるかと思いましたが、使ってから良くなりそうです。
——ニルアドミラリは短い期間でコンスタントに使いながら勝ち切りましたね。
大柄な馬で間隔なく使っていただけに走りは良かったです。暑さも先週から一気に厳しくなりましたし勝ち上がることができて良かったです。
——昨年の新潟は(9-7-6-57)で連対率も芳しくなかったです。今年の夏の新潟に対してはいかがでしょうか。
数字的な面は意識がないのですが、今年の福島もここ数年の中では一番いいイメージで乗れました。昨年の新潟で悪かった部分は自覚していますし、今年は巻き返したいですね。
——新潟での結果も秋に繋がるでしょうし連続リーディングといきたいですね。
3週間は関西のジョッキーも混ざるので乗り鞍は少なくなると思いますが、その中でも一つでも多く良い結果を上げたいですね。
——次週はクイーンS(G3)で久々の函館になりますね。またよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
※次回は7月30日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。