'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
10月28日時点1550勝
さあ秋競馬開幕!土日中山で紫苑S&京成杯AHなどに騎乗
2021/9/10(金)
1週前は胃腸炎により、騎乗をキャンセルするアクシデントがあったものの、先週は3勝をマークして新潟開催を締めくくった。今週からは中山に舞台は移るが、好相性のレース・コースは多数。開幕週から活躍を期待したい。
中山開幕週は土日ともに重賞に騎乗!
——今週から関東圏は中山開催がスタート。まず、土曜の紫苑S(G3)はクリーンスイープと挑まれますね。
前走の福島はあの形で勝ちきったように能力の高さを感じました。ただ、まだ精神的にも肉体的にも若さを感じたのも事実。まだ勉強していかないといけないことが多いと感じますね。
——前走は内枠からの競馬で番手からの競馬でしたが、道中でも手前を替えていたとのこと。なかなか映像で確認はできませんでした。
まだまだ上手くレースをできていないですね。内枠で勝つことができましたが、気性的にも決して歓迎できないところもありますね。そういう意味でも課題が残る現状だと思います。
——姉のスイープセレリタスにも騎乗されたことはありましたが、どんなタイプになっていきそうですか。
1600mだと忙しそうな印象。2000mくらいの距離で走っていくんじゃないでしょうか。そこはお姉さんともタイプは違いますね。
——京成杯AH(G3)のカテドラルはテン乗りですね。
あくまでイメージだけですが、重賞には手の届くところまでにはきていますね。展開に左右されそうですし、流れは速くなるようにも思っていますが、枠の並び次第ですよね。速い、速いと言われていても遅くなることは多々ありますから、枠を見てからシミュレーションしたいです。
——土曜はカレンレベンティス、汐留特別のプレシオーソは騎乗された経験がありますね。
カレンレベンティスは新馬の時にも相当な若さを感じましたが、荒削りながらも勝ちきってくれました。その後も器用さに欠けるようなところは否めませんが、経験を積めばやれていいと思います。プレシオーソはここでも通用できるはずですが、前走は精神的な弱さをみせていましたね。レース間隔が開いた方が良さそうですし、改めて期待したいです。
——日曜のカイアワセはどうでしょうか。東京で連続騎乗されました。
センスがあって、どんな競馬でもできるタイプ。そう思っていましたが、前回騎乗した際は馬群を気にしていたようですね。3走前は厳しいペースを先行しても踏ん張っていたように力はある馬。スムーズに走れないと力を出し切れないところはあることを踏まえて乗りたいですね。
新潟最終週は3勝をマーク!
——先週のレースでは、新潟記念(G3)のショウナンバルディはどうだったでしょうか。
思い切ったレースになるんじゃないかと思っていましたし、イメージ通りにいけました。しかし、馬場やコースが合わず、厳しい結果になりましたね。サマーシリーズを走ってきた割に疲れは感じなかったので改めてコーナー4つのコースならと思います。
——ゴールドレガシーは人気を集めていましたが、スタート直後に大きな不利。道中でも不利があったとはいえ、スタートの時点で万事休すかと思いました。
不利を受けたとはいえ、下手に乗っていますね。不利もあるけど、スムーズな競馬をさせるべきだったと思います。ただ力も精神面も馬の成長を非常に感じましたし、馬に助けられたレースです。3コーナーからも内を突いたというより、行き場がなく押し込められた感じでしたので。まだハミを取ったり取らなかったりと精神的な課題はありますが、良くなっていけば大きいところも意識できそうですね。
——次も乗られるそうですが、楽しみですね。アセンダントはどうでしたか。
う~ん、千直に合うと思っていましたが、合わなかったですね。なかなか千直に合う馬っていないものだなと感じます。逆にいえば、あのコースを得意にする馬は相当な適性の高さがあるともいえますね。
——アヴェラーレは2着であとひと押しでした。
1200mにどう対応してくれるかと思っていましたが、外枠は良かったですね。流れにも乗れましたし、リズム良く運べたと思います。勝ち馬には上手く逃げ切られてしまいましたが、距離にも対応できたと思います。
——フローリンはこのコースがどうかと思いましたが、噛み合いましたね。
映像をみると器用さに欠ける印象がありました。あまり強気に運ばず、流れに乗った競馬を意識したところ、1~2コーナーをリズム良くいけました。少しずつペースをあげながらマークする馬の後ろに入れて、最後は力を発揮してくれましたね。
——フェアリーグルーヴは大接戦。勝った感触はありましたか?
ゴール後に出たと思いましたね。馬は凄く乗りやすいですし、昔はテンションが高かったようですが、丸山(元気)が上手に育ててきた結果ですね。当日は落ち着きがありましたし、僕は良い時に乗せてもらえましたね。
——ラヴォルタはどうでしたか。
ここでも通用しそうな雰囲気があっただけに意外な結果でしたが、後で聞くところ挫跖のような症状になっていたそうですね。もっと走れていいはずのモノを感じていたので、ちょっと敗因がわからなかったですが、スッキリしましたね。
——今週から秋競馬。新潟開催もまた来年まで縁がないかと思いますが、いかがでしたか?
一番は体調を崩したことですね。はっきりした原因はわかりませんが、ショックでしたし、改めて自己管理を徹底しないといけないと思いました。新潟の前半はなかなか乗り鞍も少なく物足りなかったですが、取りこぼしがある中でも後半はリズム良く乗れたと思いますので、そこは良かったです。
——胃腸炎はその後、どうでしたか。
もう大丈夫でしたが、しんどかったですね。一時は体重も相当落ちました。
——次週はセントライト記念(G2)でソーヴァリアントに騎乗されますし、中山でもうひと踏ん張りといってほしいところですね。ありがとうございました!
ありがとうございます。
※次回は9月17日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。