'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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秋競馬開幕週を重賞制覇!セントライト記念はソーヴァリアントと久々タッグ
2021/9/17(金)
秋競馬の幕開けとなった先週の中山では土日で3勝、京成杯オータムハンデキャップを制し、幸先のいいスタートを切った。今週の3日間開催は引き続き中山での騎乗が続くが、菊花賞トライアルのセントライト記念にはソーヴァリアントと挑む。夏の北海道では強い勝ちっぷりをみせたパートナーだが、春以来の同世代との対戦で成長を見せつけられるだろうか。ジョッキーとしても久々のコンビ、好結果を期待したい。
一か八かの京成杯AH テン乗りで一発回答!
——まずは京成杯AH(G3)をカテドラルで重賞制覇!おめでとうございました。先週の段階では、メンバー的に流れは速くなりそうだけど、枠次第で変わることもあるという見立てもありましたね。自身の枠順と周りの並びをみてどう感じましたか。
ありがとうございます。正直、枠はやり辛い感はありましたね。土曜のレースを踏まえると、馬場がとにかく内有利というか、前有利。脚質的にも一か八かでしかなかったです。
——結果、ペースは速くならなかったですね。脚をしっかり溜めないといけない印象もありましたが、すぐに先頭集団から離されないように位置をキープしにいっていましたね。
馬場は硬いわけではなく、とにかく良いコンディションでしたし、位置はとらないといけない状態でした。流れはあんなペースになることもあるという頭はありましたからね。馬自体は凄く乗りやすかったですし、先行脚質ではないにしても、癖があるというように感じませんでしたから、上手く立ち回ってくれました。
——道中はグレナディアガーズも近いポジションにいましたね。
枠も近かったし、あの馬をある程度、見ていければという考えはありました。ただ、コーナーや直線は内に拘るしかないなと。腹を括りました。
——思い切った騎乗ではありましたが、直線ではスペースがなく万事休すかと思いました。
なかなか進路がなかったですね。外に進路が開いてくれたので運が良かったです。もちろん馬の力や手応えがないと、瞬時に動けませんし、すぐに反応できませんから。
——ゴール前では勝った感触はありましたか。
いや~なかったです。ビジョンなんかも(2着のコントラチェックと)2頭を映していましたし、すぐに勝った心地はしなかったですね。
——馬場は違いますけど、春のダービー卿チャレンジトロフィーに続いて中山で好走。コース適性はどうでしょうか。
いや、広いコースでもいいんじゃないですか?1600m付近なら最後の脚は確実。これから強い相手ともやるでしょうし、力をつけていけばいいですね。
セントライト記念で2週連続重賞制覇へ!3日間開催は中山で騎乗
——今週のレースについてもお願いします。土曜の御宿特別のアラビアンナイトは中山に替わる点は良さそうですね。
前回は輸送の影響がありましたからね。折り合いや課題はまだまだありますが、力を出し切ってくれれば、通用する馬だと思います。ただ、道悪はあんまり良くないと思います。
——レインボーSのゴルトベルクはどちらかといえば、新潟の方が良いんじゃないでしょうか。
昇級して段々と適性が問われるようになると、確かにそれは言えますね。ただ、どんなコースでも馬場でも走ってくれますし、走ることへの意欲が凄くある馬ですからね。昇級でも走ってくれましたし、このクラスでも通用すると思います。
——日曜最終レースのイザラはどうでしょうか。
1200mでスピードを活かしたいですね。あとは相手関係次第でしょうか。
——月曜の2歳戦では未勝利のアスクビクターモアや新馬のロムネヤは注目です。
アスクビクターモアは期待しています。前回は道中でハミ取りが良すぎたところもありましたし、間隔は開いたものの、一度使った上積みはあると思います。ロムネヤは追い切りが良くてポテンシャルを感じました。気持ちも前向きで楽しみです。
——月曜最終のスワーヴヨハンは前回で初コンビでしたね。
乗り難しいところのある馬。しっかり御したいですね。1200mになるのも良いんじゃないかと思いますし、このクラスでも勝てる馬だと思います。
——そして、セントライト記念(G2)にはソーヴァリアントで挑まれます。
ここ2週、追い切りに乗せていただきましたが、順調に来ていると感じました。北海道でも強い勝ち方をしていますし、力があるということはわかっていますからね。
——2週続けて乗る意図も教えてください。
1週前はそれなりに負荷をかけましたが、今週は他馬に近づける形で折り合いを確認してほしいとのことでした。問題なくできていると思います。
——春にも何度か乗られていました。変化はどうでしょうか。
心身ともに成長はしていると思います。北海道では少頭数だった分もありますが、強い内容でしたし、スタートは上手になってきていて、自分で競馬が作れるようになってきているんじゃないでしょうか。距離やコースは経験済みですからね。
秋の開幕週は3勝をマーク
——先週のレース回顧も最後にお願いします。1勝クラスのクロノフルールは混戦ムードのメンバーにみえましたが、押し切りましたね。
内枠でしたし、先生からも「タメて伸びるタイプの馬ではない」とも聞いていました。気持ちよく走れましたし、いい内容だったんじゃないかと思います。
——汐留特別のプレシオーソは3着でした。
1200mの流れでもついていけていましたね。外を回りながらも粘っていましたし、どこかでハマるタイミングがあると思います。
——紫苑Sのクリーンスイープはどうでしたか。
ポジションもどうなるかと思っていましたが、スタートも二の脚も良かったですね。道中のリズムも良かったと思いますが、まだまだこれから力をつけていってほしいですね。
——新馬のシカゴフットワークは窮屈な競馬になりましたね。
前向きさのある馬でしたが、許容範囲内ではありましたね。エンジンが掛かるまで時間が掛かるところがあって、長く脚を使えるような形がいいですね。
——1勝クラスのエンブレムコードは先週の馬場で外枠と厳しい条件でしたね。
スピード的に置かれる形になった上に、枠も外で厳しい競馬になりましたね。
——カイアワセは理想の外枠。とはいえ、強い内容でしたね。
外枠だったのでいいレースをしてくれる期待はありました。あとは人気馬がどれくらいの能力かと思っていたところ、厳しいペースに巻き込まれていて、展開もこちらに向いてくれました。今回は噛み合った部分はありますが、中山コースで条件があえば、上でも頑張ってくれるかと思います。
——それにしても、先週は3勝。上手く噛み合ったと思いますが、次週はオールカマー(G2)でランブリングアレーなどに騎乗とのこと。今週もいい結果を期待しています!
ありがとうございます、コツコツ頑張っていきたいです。
※次回は9月24日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。