'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
中山開催最終週はスプリンターズSなど15鞍に騎乗!
2021/10/1(金)
いよいよ今週から秋のG1シリーズがスタート。その幕開けとなるスプリンターズSでは、今年はアウィルアウェイとのコンビで挑むことになった戸崎騎手だが、以降のG1でも上位人気が期待できそうな騎乗馬が控えており、昨年以来となるG1勝利を期待したいところだ。また4回中山開催は3週を終えた時点で勝ち鞍はトップ。気持ちよく東京開催へ移行するためにも、最終週を好結果でまとめられるだろうか。
●スプリンターズSは前年3着馬と初コンビ!
——今週はスプリンターズS(G1)ですね。今年はアウィルアウェイとのコンビで挑まれることになりました。テン乗りで未知数な面はあると思いますが、昨年は3着の実績がありますね。
今までの傾向を見ると、台風の影響から何とか馬場は良くなってほしいなというところ。いつも言っていることですが、枠の並び次第で流れや展開は変わると思うものの、今年のメンバーであれば速くなるんじゃないかと思います。良馬場の時計の掛かる馬場で流れが向けば良い脚は使えると思うので、条件が噛み合ってほしいですね。
——その他の騎乗予定馬では、土曜のキガサは新馬戦に騎乗されましたね。
スタートを出てくれず、流れも忙しく感じました。まだ覚えることは多いと思うのですが、最後はしっかり伸びてくれましたし、能力は感じました。もう少し流れに乗りたいですね。
——勝浦特別のプレシオーソはここのところ頻繁に乗られていますね。
レース間隔が詰まることがポイントになると思います。前回の開幕週よりは馬場も差しが利くと思いますから、あとは精神面がカギになりそうですね。
——日曜の前半戦では、タイセイプロシードやナーシサステソーロはどうでしょうか。
タイセイプロシードはもうひとギアほしいところ。競馬は上手いと思いますし、あとは組み立て次第とメンバー次第かと思います。ナーシサステソーロも安定してくれていますね。あとはもうひと押しできればというところです。
——サフラン賞のレディバランタインは新馬勝ちでの2戦目ですね。
1週前追い切りに乗せていただいたところ、テンションが上がっているのは気になりました。新馬戦は良い内容で勝ってくれましたし、あとはレースでの折り合いがポイントになりそうです。
●位置取りが致命的だったオールカマー
——先週の回顧もお願いします。オールカマー(G2)のランブリングアレーは結果的にポジションが明暗を分けたといえるんじゃないでしょうか。
そうですね。馬場や枠を考えると、もうひと列前で競馬をできていればという結果でした。状態も良さそうですし、凄く乗りやすかったので、どうにかできましたから勿体ない競馬でした。
——3コーナー以降、バテた馬、追ってしぶい馬が前にいただけにエンジンを掛け辛かったですね。
距離は問題なかったですし、巻き返せる馬ではあると思います。(他の馬に乗るため)次のレースで乗せていただくことはできませんが、巻き返せる実力はある馬だと思います。
——先週の中山はCコース替わり。差しも利きますが、内目を回った方が良い馬場でしたね。
凄く馬場コンディションの良い開催ですからね。土曜なんかは差しも目立っていましたけど、やはりオールカマーに関しては、内か前目を立ち回れたほうが良かったですね。
——アルーフクライは周囲の差しが見受けられる中で伸びがひと息でしたね。
数年前にも乗せていただいたのですが、どうも上手く乗れない馬なんです。他のジョッキーが乗っているとそんなことはないのに、ハミの取り方がどうしても掛かり気味になるんですよね。道中でケンカしてしまう分、消耗してしまいました。
——アランデルは大柄な馬で中山マイルに距離短縮。どういうレースになるかイメージが難しかったです。
僕としてはコース替わりについて悲観していませんでした。ただ、レースは大雑把に乗らないと持ち味が出ない雰囲気ですね。大きな馬で外枠は良かったですが、勝ち馬がスローに落としてしまいましたし、流れ次第ではもう少しチャンスはあったと思います。
——新馬のソレントフレイバーはどうでしたか。
道中は良い雰囲気でしたが、どうも追ってからが頼りないのは追い切りと同じでしたね。
——ピクシーメイデンはまたしても2着でした。
レース映像をみると、もどかしい内容が続いていましたが、今回も同じような競馬になってしまいましたね。どうも追ってからが“馬がわかっている”といった雰囲気。フットワークが変わってしまいますし、良い脚を使ってくれませんでした。厩務員さんにも聞いたところ、こういう負け方だけに一戦ごとのダメージも少ないらしいんです。
——デザートストームは前残りの中、惜しい追い込みでした。
状態も良かったのですが、この馬も気性が邪魔しているといいますか、後ろから行くしかできないですね。懸念していたペースには対応してくれたのですが。
——ラヴィンジャーは惜しい内容でしたね。
思ったよりも行きっぷりが悪かったです。それが何故かはわかりませんが、状態が悪いわけではなさそうでしたし、最後は外を回った分の差が出たと思います。
——ゼログラヴィティは強い内容でした。
追い切りよりレースにいった方が良かったですね。ひと息で走ってしまいそうな心配もなく強い内容でした。
——セキフウは内枠が仇になりましたね。
まだ若さがあって内枠じゃなければ、という内容でした。近い内に勝つ順番は巡ってきそうですよ。
——今週日曜はフランスで凱旋門賞(G1)がありますね。そちらについてはどうでしょうか。
今年は非常に楽しみですね。日本馬もチャンスがありそうですし、外国の馬も良い内容をみせてきた存在が多く粒揃いのメンバーという印象があります。
——次週からは東京開催。サウジアラビアロイヤルカップ(G3)にはスタニングローズに騎乗とのことで次開催も好騎乗を期待しております。
ありがとうございます。
※次回は10月8日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。