'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
開催替わりは東京・阪神・盛岡で連日の重賞騎乗!
2021/10/8(金)
秋の中山は関西のリーディング上位騎手が頻繁に遠征してくる中で11勝をマーク。唯一の二桁勝利となった。今週の東京開催からも好調キープといきたいところだが、連日、重賞でも騎乗するため大舞台での活躍を期待したい。
ヒートオンビートと再コンビ!重賞初勝利となるか
——中山開催最終週の先週はアウィルアウェイとスプリンターズS(G1)に挑まれましたが、14着という結果でした。それにしても先週に限ったことではありませんが、追い込み馬にとっては厳しい馬場でしたね。
馬場もそうですし、展開的にもできることがなかった印象ですね。ペースは思っていたよりも落ち着いてしまいました。実績があるだけあって乗り味は良かったですし、ここ最近では一番いい状態で送り出せたようでしたが、今開催は常に馬場が前残りでしたね。
——昨年秋の中山芝とは全く違う条件でしたね……。今週は東京、阪神で騎乗して、来週月曜は南部杯に騎乗するため、盛岡に向かわれますね。まず土曜の東京からお願いします。シカゴフットワークは芝の新馬から2戦目でダートになりますね。
前向きさがある馬で距離が短くなるのは良さそうですし、走りからもダートは合うんじゃないかと思います。
——新馬のミエノアッパレ、ウラカワノキセキは追い切りに乗られたそうですね。
ミエノアッパレは動き出すといい雰囲気ですが、そこまでがモタモタする面があるので実戦になってどうかですね。ウラカワノキセキは前向きさがあるのですが、まだ上手に走れていない面がありますね。
——ロンコーネは上半期の東京で強い勝ち方をしました。
まだ良くなりそうな余地を感じましたし、上にいってもやれると思います。どんな走りをしてくれるか楽しみです。
——神無月ステークスのブランクチェックは久々のレースになりますね。
重賞でも現級でもいい走りをしてくれていますね。1週前に追い切りに乗ったところ仕上がりの良さを感じました。休養は長引いたようですが、楽しみです。
——サウジアラビアロイヤルカップ(G3)ではスタニングローズに騎乗されます。
強い相手が揃ったように思いますが、未勝利はいい勝ち方をしていましたよね。前走はポジションが後ろになってしまったようなので流れに乗れるよう気を付けたいです。
——日曜の阪神ではセキフウに騎乗されますが、中山に続いてのレースになります。
前回は内枠で若さをみせてしまっただけに外枠ならばいい勝負になるんじゃないでしょうか。
——阪神で行われる京都大賞典(G2)にはヒートオンビートで挑まれます。
乗りやすい馬で長丁場が合っているイメージですね。前回乗せていただいた時は自分が下手に乗ってしまい、力を出し切れていませんでした。その意味でもリベンジできればと思います。
——目黒記念はスローで重賞での実績は未知数ですね。その前回乗られた時もテンの追走が遅かった印象がありました。
当時と馬は変わっていたり、成長していると期待したいですが、上手く流れに乗れるかはカギになりそうですね。力はつけていると思いますし、秋初戦で好結果を期待したいです。
——それにしても土曜は11鞍、日曜は10鞍と大挙騎乗ですね。
なかなかこれだけ乗せていただくのは久々ですが、頑張りたいですね。
——南部杯(Jpn1)ではソリストサンダーに騎乗されます。
前走はレース間隔が開いたせいか、暑さが堪えたのか定かではありませんが、本来の走りができればここに入っても引けはとらないと思います。
最終週は2勝で中山開催は唯一の二桁勝利
——先週のその他のレース回顧も続けてお願いします。サフラン賞のレディバランタインはお話通り、追い切り映像をみてもテンションが気がかりでしたが、やはり前走とは違った走りになってしまいましたね。
テンションの懸念もありましたし、スタートを決めて自分のペースで運べていれば、また違った結果になったんじゃないかと思いますが、いいスタートを切れず、折り合いがつかなかったですからね。
——ナーシサステソーロは待望の初勝利。牡馬相手に勝ち切りましたが、完璧なレース運びでしたね。
勝てたことが本当に良かったです。枠や馬場もよかったですね。いい時に乗せてもらえました。
——ラストサムライはどうでしたか。
スタートが響きましたね。2連勝した際はここでも通用するくらいの手応えがあったそうなのですが、そこから結果が出ず、厩舎サイドも工夫をしてくれたようで気を抜くことなく走ってくれましたね。内容的には良かったと思いますし、1400mになると精神的な面で難しさがありそうですが、スタートを決めてリズムよく走れれば変わり身がありそうです。
——プレシオーソは狭くならなければ、惜しい内容でしたね。
一度使ったことでスタートや二の脚もよくなっていました。最後はスムーズなら、というところでしたが、気持ちの課題もクリアしてくれていましたし、惜しい内容でした。
——芙蓉Sのコナブラックはどうでしたか?
期待はしていましたけど、思ったより進んでいかなかったです。フットワーク的に長く脚を使うタイプだと思いましたが、道中も忙しかったですし、久しぶりの分もあったのかもしれません。
——ヴァシリエフスキーはハイペースの流れを先行押し切り。強い内容でした。
未勝利もいい勝ち方をしていましたし、今回もいい内容でしたね。上でも楽しみです。
——それにしても先週は金曜に台風が通過、土曜夜も中山競馬場は雨があったそうですが、馬場は全く影響しなかったですね。
開催を通して馬場がずっと良くて、有利・不利が大きいレースが続きましたね。自分としても良かった騎乗、ダメだった騎乗がありましたし、また東京でいい騎乗ができるよう頑張りたいです。
——馬場といえば、日本から人馬が挑んだ凱旋門賞はどう見られましたか。
タフな馬場になったんじゃないかと思います。フランスで乗ったことがありませんし、見た目にはそこまで違うとは感じられませんでしたが、あれだけ日本馬が苦労したからにはそれだけ違かったのだと思いますし、ああいう馬場だからこそ伏兵が勝ったのかと思います。
——そういえば、今年は可能性のあった菊花賞の騎乗がなくなってしまったようですが、次週は秋華賞(G1)のアカイトリノムスメと府中牝馬ステークス(G2)のマジックキャッスルも控えていますね。また来週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は10月15日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。