'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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エリザベス女王杯はアカイトリノムスメに騎乗 目指せG1連勝
2021/11/12(金)
G1シリーズ再開の今週。エリザベス女王杯には秋華賞馬アカイトリノムスメと挑むが、ご存じの通り、夏場から目立つのが3歳馬の勢い。牝馬三冠を牽引してきた一頭として、初めての古馬との対戦をクリアすることができるだろうか。また、土曜には武蔵野Sでソリストサンダーに騎乗。土日連日の重賞制覇の期待も十分だ。
●武蔵野Sはソリストサンダーでリベンジへ
——今週は土曜が東京、日曜が阪神での騎乗になりますね。まず土曜2歳未勝利のサノラキやバスマティなどは前走に続く騎乗ですね。
サノラキは競馬が上手でしたが、もうワンパンチほしい内容。一度使ったことでの変わり身にも期待したいです。バスマティも同じようなもうひと押しというタイプでしたが、距離が変わる分で変わり身がほしいですね。
——武蔵野S(G3)にはソリストサンダーで予定されています。
去年も好走している舞台ですからね。どんなコースでも対応できている印象はありますが、2走前が不甲斐ない結果に終わってしまったところから、前走の雰囲気なら十分メドが立つもの。前走は前残りの馬場で差し切れない部分もありましたが、同じような気配で臨んでくれればと思います。
——この馬のポイントとしては、前に壁を置いた方がいいですか。
良い時は前向きさのある馬ですからね。道中をリズム良くいって、終いが弾けるような競馬になればいいですね。
——ある程度、天気予報の目安はわかりますが、乾いた馬場になる方がいいですね。
いや、脚抜きが良くてもそれなりには走れると思いますよ。前走のように逃げ馬も同じような脚になってしまわなければというところです。
——日曜のエリザベス女王杯(G1)にはアカイトリノムスメで挑まれます。
秋華賞からレース間隔が短くて、どんな状態でこられているかと思いましたが、僅かながらも幅が出てきたように思いました。その点はプラスだと思います。
今週美浦ウッドで追われたアカイトリノムスメ(右)
——昨今は秋初戦をG1へぶっつけということは当たり前になりました。馬体は小柄な馬ではありますが、それは一度使った上積みということでいいのでしょうか。
そうですね。上積みという面だと思います。
——昨年に続き阪神芝2200mの舞台になりますね。
オークスでも好走していますし、条件替わりは気になりません。どちらかといえば長く脚を使うタイプですし、内回りは合っていると思います。
——前回は内枠がいいとのことでした。今回も理想の枠順についてはどうでしょうか。
変わらず内枠の方がいいと思います。これまでの内容からもある程度、流れに乗った競馬になるでしょうからね。
——課題といえば、当日の気配になりますか。
そこは変わらずありますね。テンションが高くなったりすることはまだ気を付けたいところです。
——今年は3歳馬の活躍が目立ちます。
いい勢いですよね。牝馬の中ではこの馬も崩れなく走り続けてきていますから、古馬との初対戦でも改めてレベルの高さを見せてほしいです。
●トウシンマカオは重賞2着 新馬からの進境窺わせる
——先週の競馬では京王杯2歳Sのトウシンマカオは2着でしたね。
自分の中では道中の折り合いが凄くカギになると思っていましたが、今回は上手にこなしてくれました。直線では「これなら」と思い、追い出したものの、勝ち馬には届かなかったですね。
——それだけ新馬の1600mという距離が課題だったということですか。
これなら1600mでも行ける手応えは感じましたが、落ち着いては走れたことは精神面も成長したのかなと思いました。まだ体質面は良くなるでしょうし、今後も楽しみです。
——アルゼンチン共和国杯のレクセランスはスロー濃厚のメンバー構成でした。
行く馬がどれか、という印象でしたが、先生からは「出たなりでいって最後を伸ばしてほしい」とのことでした。ポジションも無理せず、折り合いやリズム重視の競馬に徹しました。勝つことはできず、結果は良くなかったですが、この馬としてはキッカケの掴める内容だったんじゃないかと思います。
——以前はモタれる課題もありましたね。
そんな面も踏まえて、リズム重視ということだったんだと思います。苦しがるようなところもありませんでしたし、左回りの分もあって、多少のモタれ具合で収まりましたし、今後にはつながるんじゃないでしょうか。
——パラノイドは休み明けを使ったわりに、という内容。距離も長いのでしょうか。
安定しているんですけどね。パンチ不足といいますか、気持ちの面でももうひと押しが欲しい内容です。一度使ったことで上がってくれるのかと思いましたが、スタート、二の脚も前回よりは良くなったものの、もう少し上向いてほしいです。
——セルヴァンは惜しい内容でした。
手応えの割に追ってからがもう一つ。ワンペースといいますか、使える脚が短そうです。道中も上手く立ち回ってくれましたし、手応え良く向けた割にいい脚が長続きしなかったですね。
——新馬のラコンタールはどうでしょう。
攻め馬には乗っておらず、映像を見てはいましたが、動きも良さそうでしたし、時計的にも能力はあるんじゃないかと思っていました。敏感なところがあるとは聞いていたのですが、レースでは申し分ない立ち回りでしたし、最後は能力の高さをみせてくれましたね。距離的には1600mがもって欲しいというところですが、ここでは力が上でした。
——ブラックパンサーは再転入2戦目で着順は上がりましたね。
前走よりも道中は楽でしたし、追い出してからの反応も良かったです。勝ち馬が強かったですが、メドは立ちましたね。
——ハリーバローズは負けて強しの内容でしたね。
いいスピードの持ち主。1200mでああいう競馬ができれば理想だと思いますが、この条件でも頑張ってくれました。
——先日はアメリカのブリーダーズカップデーで日本馬が2勝という大活躍でしたね。
お世話になっている矢作(芳人)先生も(川田)将雅も本当におめでたいですね。芝は日本馬にとって対応しやすい馬場でもあったのかもしれませんが、特にダートで勝つのは驚かされましたね。
——一時はチュウワウィザードもブリーダーズカップ遠征が検討されていましたね。
やっぱりアメリカのダートは本場ですからね。チュウワウィザードにはまた次のチャンピオンズカップで頑張ってほしいです。
——次週はマイルチャンピオンシップでカテドラルに騎乗されますが、今週もありがとうございました!
ありがとうございました。
※次回は11月19日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。