'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
ジャパンCはワグネリアンとの初コンビ!次週はチュウワウィザードと連覇狙う
2021/11/26(金)
今週で東京開催もラスト。今年も数々の名勝負が繰り広げられたが、その最後を飾るジャパンカップにはワグネリアンとの初コンビで挑むことになった。また、次週の中京で行われるチャンピオンズCにはチュウワウィザードと連覇が懸かる。古馬の最高峰を目指す争いで結果を残すことができるのか、注目だ。
ライバルとして争っていたワグネリアンと初コンタクト
——今週で東京最終週ですが、まず土曜日の騎乗馬から伺えればと思います。土曜のザアトムは新馬に続く騎乗です。
前走もいい内容でしたし、使って良くなっています。上積みが見込めますし、ここでも楽しみですね。
——新馬のブローザホーンは2週前の追い切りに乗られていますね。
芝での追い切りでしたが、素軽さもありますし、前向きさも感じました。
——イバルは夏の新潟で騎乗。内を立ち回れていましたね。
乗せてもらった時はどんな競馬でも対応してくれそうなイメージでしたよ。コースは替わりますが、対応してくれるんじゃないかと思います。
——キャピタルSのヴェロックスは初騎乗です。
あくまでイメージだけになりますが、クラシックでは他の馬に乗って、この馬のことは見ていましたからね。こうして乗せてもらえることが嬉しいですし、どんな雰囲気なのか楽しみです。
——アラビアンナイトは昇級後、ひと息の競馬が続いています。
順調さを欠いてしまっていますが、能力的にはこのクラスでやれていいと思います。
——日曜のロンコーネは春の未勝利の勝ちっぷりなら、このクラスでもと期待してしまいます。
前走の内容も良かったですし、このクラスは卒業できる馬だと思います。
——ブラックパンサーは転入後、2戦目で着順を上げてきました。
相手次第の面はあると思いますが、前走は勝ち馬が強過ぎました。ダートで安定していますし、引き続き好勝負したいですね。
——アプローズ賞のナーシサステソーロはここまでのコースとはガラっと条件が変わります。
競馬が上手な馬ですからね。そこを強みにどこまでやれるか、ですね。
——ジャパンC(G1)にはワグネリアンで挑まれます。
エポカ(ドーロ)と戦っていた馬で、どんな馬か感じられることは楽しみですね。追い切りや返し馬では折り合いの難しいところがあるようですが、そこを確認してほしいということで追い切りへ。乗ってみると、そんなこともなかったですし、スムーズでしたね。先週から東京の芝は開幕週の馬場のように前有利で、硬さもでてきたところもあって、この枠は厳しいですが、ダービー馬に乗れる貴重な機会なのでベストを尽くしたいです。
次週チャンピオンズCの1週前追い切りに騎乗
——マイルCS(G1)のカテドラルは上位勢が強かったものの、前回のように力を出し切れなかったですね。
もともとゲートは良くないところがあったようですが、今回はスムーズに出られなかったですね。流れも思っていた以上に遅くなってしまいまして、厳しいレースになってしまいました。馬は元気があって良い雰囲気だったのですが……。
——ピアシックは1400mの距離が合わなかったですか?
いや、それよりも外を回るロスが大きかったです。レース自体は上手く走ってくれましたし、勝負所での隊列が外を回らざるをえない馬群だったので、もう少しスムーズでしたら、もっといい勝負ができたと思います。距離自体は悪くなかったですよ。
——ゴールドティアは直線で狭くなったものの、手応えほどの伸びがなかったですね。
追い切りでもレースでも追ってからの反応がひと息のようで、実際、もう少し伸びて良さそうな走りでした。ただ、芝の方が合っていると思いましたね。
——東スポ杯2歳S(G2)のトーセンヴァンノはどうだったでしょうか。
スタートしてすぐのコーナーのところで右に張る面があり、それを修正しながらの競馬で後方からに。ただ、硬い馬場が合っていないと思いますし、上位勢とは現状、切れ味や瞬発力の差があると感じました。
——新馬のジョンソンテソーロは戦前の見立てとは異なる走りでしたね。
驚きましたね。思っていた以上の走りをしてくれました。返し馬からいい意味でふんわりしたところがありましたし、調教より落ち着いて走ってくれました。ただ、潜在的に気性の課題は秘めていそうなので次にどうなるかが課題ですね。
——ワグネリアンの追い切りだけでなく、栗東ではチャンピオンズC(G1)を予定しているチュウワウィザードの追い切りにも乗られましたね。
前回を使ったことで順調に良くなっていますね。今から楽しみです。
——それと、オキザリス賞を制したドライスタウトは全日本2歳優駿を予定とのこと。出るには枠的に厳しくなりそうですが、以前乗られたセキフウが重賞を制していましたね。
セキフウもいいモノを持っていると思いましたが、ドライスタウトの勝ちっぷりも非常に良かったですからね。今後が楽しみです。
——今週もありがとうございました!
※次回は12月3日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。