'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
開催替わりは中山記念など15鞍に騎乗!
2022/2/25(金)
1回中山開催は苦戦した印象だったが、先週をもって終えた東京開催は11勝をマークと盛り返した。今週から再び舞台が替わり、中山に戻るが、前開催のリズムをキープできるだろうか。好騎乗に期待だ。
中山記念はマルターズディオサに初騎乗
——今週から関東圏は中山替わりですが、先週はG1が行われたばかり。まずはフェブラリーSのソリストサンダーについて伺えればと思います。
武蔵野Sを勝った条件に戻りましたし、外枠になったことで、この馬の力を発揮し易い条件だと思い挑みました。イメージしていたよりも前に付けられましたし、勝ち馬を見る形でいけたものの、一気に突き放されましたね。時計も速い中で頑張ってくれたとは思います。
——先週の時点では当日の気配がカギになるということでした。
それが実はおとなしかったですね。それでもこれまでと違って大人しい雰囲気でも走ってくれましたが。馬場もそれなりに適性があると思いましたし、敗れはしたものの、健闘してくれたのではないでしょうか。
——週末の話題では、土曜の騎乗馬から伺えればと思います。ナチュラルポーズやヴェールアンレーヴ、セイルオンセイラーなどは追い切りに乗られたようですね。
ナチュラルポーズは背腰がもう少ししっかりしてほしいところですし、経験馬相手は簡単ではないと思います。緩さがある中でも素質は感じますので、使いつつ良くなってほしいですね。ヴェールアンレーヴは前走の大敗は気になるところです。しかし、気持ちは感じましたし、能力的には通用していい馬だと思います。セイルオンセイラーは動けてはいるものの、仕掛けの反応がズブい感があります。ジリっぽいところには気を付けて乗りたいですね。
——ジジは久々の騎乗ですね。
勝ち味に遅い面は否めませんが、未勝利時代も惜しい競馬を続けていたこともあり、このクラスでも頑張ってほしいです。
——幕張Sのハーモニーマゼランは初騎乗です。
競馬はどんな形でも組み立てられるのかなと。上手く流れに乗せたいところですが、中山は相性がいいですからね。その辺りにも期待しています。
——日曜の未勝利戦では継続騎乗で挑まれます。
ゲティスバーグの前走は思っていた以上に実戦で頑張ってくれました。一度使ったことの上積みに期待です。ザアトムは条件が色々と限られてきますが、戦歴的にも早く勝ち上がらせたいですね。
——3歳1勝クラスのファロロジーは東京の春菜賞で惜しい競馬でした。
センスのある馬ですね。前回は伸びているものの、勝った馬が強かったです。中山でもコース替わりはこなしてほしいところです。
——デイジー賞のルージュエヴァイユは新馬勝ちと同じコースですね。
新馬前からいい印象もありましたが、レースもいい内容でした。東京コースでも頑張ってくれそうなものですが、同じコースで挑めるのは安心できるものですし、頑張ってほしいです。
——ブラッドストーンSのカイアワセは昇級以降、ひと押し足りないといいますか、苦戦が続いています。
もう少しパワーアップしてほしいところですが、今回はハンデ戦という点でカバーできることに期待ですね。引き続きモマれない展開が理想です。
——中山記念(G2)のマルターズディオサは追い切り含めて、初騎乗ですね。
中山にも実績がありますし、3歳時から強い相手と互角に渡り合っていましたから楽しみです。
——ロンコーネは昇級初戦ですが、これまでもレベルの高い相手と接戦してきましたね。
前走の勝ちっぷりは良かったですし、追い切りでは体の使い方は良くなっていました。これまでの内容からも、昇級でもやれていい素質の持ち主だと思います。
——前回は従来と違う取り口で勝ちました。
自分でもアレっと思う感覚はありましたが、終いの切れはむしろ良さを感じたほど。今回はコース替わりですし、どうなるかはわかりませんが、新たな一面が出たと思いますし、楽しみです。
東京最終週は3勝をマーク!
——先週のレース回顧ではヒヤシンスSのタイセイドレフォンはどうだったでしょうか。
馬はまだ緩さがある状態でしたが、芝スタートが戸惑ったのか、上手く流れに乗れませんでした。これまで先行していたこともあり、控える形になったら折り合いを欠いてしまっていましたね。今回はいつもと違う形になったことが大きかったと思います。
——スーパーホープは勝ったかと思いましたが……。
先着された2頭は着差以上に強いと感じました。日曜の芝は内外さほど変わりないコンディションだと感じましたし、内から抜け出せたように勝機も近いと思います。
——ノワールドゥジェは接戦を凌ぎましたね。
一度叩いて上積みが大きいと感じました。レースも上手ですし、乗り易く、よく凌いでくれました。あまり馬場が緩くなりすぎるとどうかと感じましたが、発表ほど悪い馬場状態だと感じなかったですし、今回の程度ならこなせましたね。
——入線後、ルメール騎手とはどんなやり取りがあったんですか?
まあ、意図はわからないですが、なぜかはたかれましたね。特に言葉を交わしたわけではないですけど(笑)。
——ボーデンはスタートとゴール前、まともだったらと思う内容でした。
以前よりも馬は良くなっていましたし、道中もグイグイとした行きっぷりでした。スタートはもったいなかったですが、最後は内からブツけられたのが痛かったです。伸びている最中だっただけに余計でしたね。
——ダイヤモンドS(G3)のヴェローチェオロは少し詰めに欠ける内容でしたね。
距離が延びたことは問題ありませんでした。ただ、ジリっぽいだけにコーナーから動ける中山などの方が良さそうですね。
——ダノンブレットはブリンカーを着け直して、コースも戻ったものの、道中から気配が良くなかったです。
いい頃の集中力がなかったですね。牡馬なので立て直すことは可能だと思いますし、またいい時の精神面に戻ってくればと思います。これが牝馬の場合だと、気性面を立て直すのは難しいと思いますが、牡馬なので何とかなると期待したいです。
——バイオアートは完勝でした。
ずっといい内容で走ってくれていましたし、これまでも相手が悪かっただけ。今回は力通りの結果でしたね。
——トラストメイウェザは距離延長で前進しました。
全体的にもう少し集中力が欲しいところ。まだなんとなく走らされている様子でした。素質はあると思いますが、メリハリのついた走りができるようになればと思います。
——エリカコレクトはダート替わりで勝ち切りました。
返し馬からいい雰囲気。ダート替わりも良かったようですし、終始手応えが良かったです。
——今週はサウジカップデーですが、今年も日本馬が多数出走します。ジョッキーも遠征から一年になりますね。
あの馬上インタビューが懐かしいですね。クリストフ(・ルメール)や松山(弘平)君には寒い時間帯もあるから気を付けるよう言っておきました。クリストフは行ったことがあるようですけどね。
——今年は多彩なメンバーで挑みますが、ダートは日本とは違う質の馬場ですね。
昨年も芝の欧州馬がサウジカップを勝ったりと何とも適性は掴み辛いのですが、日本のダートと比べると、ある程度、スピードは必要なのかと思います。
——次週の弥生賞(G2)はインダストリアに騎乗。それとセントポーリア賞を制したドゥラドーレスは毎日杯(G3)に挑むようですね。3月は重賞が多い月になりますが、来週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
※次回は3月4日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。