'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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3日間開催は中京&中山へ!ファルコンSはトウシンマカオと挑む
2022/3/18(金)
祝日月曜を含んだ3日間開催は中京・中山・中山で騎乗する今週末。初日のファルコンSではデビューから4度、鞍上を務めてきたトウシンマカオと挑む。また、今週で中山も連続開催の折り返しを迎えるところ。ここへ来てコンスタントに勝ち星を重ねているが、3日間開催ともあって乗り鞍確保は容易ではないものの、限られたチャンスの中で次開催へ繋げたいところだ。
コンビを組み続けてきたトウシンマカオの「変化」とは
——初日は中京に向かわれますが、ファルコンS(G3)にはトウシンマカオで挑まれます。先週の追い切りには乗られていましたね。
これまでの経験からも条件は合っているでしょうし、おそらく上位人気になるでしょうからいい仕事ができればと思います。1週前追い切りに乗せていただきましたが、変わらずに動けていましたね。ただ、今までに感じなかったような緩さもあったのは気になるところです。
——その変化は気になるところですが、追い切りでは基本的にしっかり動けますよね。
走る気持ちの強い馬ですからね。以前も言ったように馬体重以上に体はしっかりしていて、若い馬の成長というよりは安定していますが、精神的には変わらず元気ではあります。
——前回は3歳オープンとしてかなりペースは遅かったです。重賞になってどうでしょうか。
前回よりはいいですし、追走には問題ないと思います。あとは重賞のペースでどれだけ脚が溜められるか、ですね。朝日杯FSでも見せ場は作った存在ですし、戦ってきた相手が違うところをみせられたらと思います。
——日曜と月曜は中山で騎乗。日曜の未勝利戦ではバオバブスピリット、ゲティスバーグに騎乗されます。
バオバブスピリットは時計面の課題はありますが、いいスピードは持っています。ゲティスバーグも時計的に詰めて欲しいところですが、ノドの問題も影響しなければと思います。
——スプリングS(G2)のディオはテン乗りです。
未勝利を勝ったばかりですが、戦歴通りレースでは安定しているタイプなのかなと思います。相手なりの強みを発揮できればいいですね。
——月曜の未勝利ではアカポネタテソーロ、ナンヨーアゼリアも続けて乗られます。
アカポネタテソーロも時計は詰めたいところですね。ナンヨ―アゼリアはレースを組み立てやすいタイプだとは感じました。もうワンパンチほしい分を詰められれば尚いいですね。
——1勝クラスのイエヴァンポルッカは前回が休み明けでした。
早々と勝ち上がれたように能力はあるのでしょうが、一度使った方がいいなというレースぶりでした。ひと叩きの効果に期待します。
——次週のダイオライト記念(Jpn2)ではエブリワンブラックに騎乗されます。レース自体、ジョッキーにとっては相性がいい印象ですね。
馬はタフなタイプなのかなと思います。相性がいいのは僕というより、過去に乗せてもらった馬の相性がいいだけだと思いますけどね(笑)。
コース・外枠が噛み合わなかったアネモネS
——レース回顧の話題を続いてお願いすると、アネモネSのビジュノワールはスローペースもあったのでしょうが、折り合いが難しいですか。
右手前と左手前で走りが違って、右手前だと外に張るようなところがあり、それを修正しながら、という内容。直線に向いて左手前に替えてからはしっかりハミを取ってくれましたけどね。
——となると、コース形態的にも中山かつ外枠は良くなかったですか。
そう思います。馬群の内で運べたらまた違ったのかもしれませんけどね。難しいところはありますし、現状はワンターンの広いコースの方が乗り易いかもしれません。重賞でも上位に来たように能力はあると思いますが。
——東風Sのスマートリアンはここ最近よりは持ち直しましたね。
全体的に乗り易いと感じました。最後まで頑張ってくれました。
——プレミアエンブレムは現状でこういったペースが合わなかったですか。
ゲートで遅れましたが、流れに乗れずという感じでした。欲を言えば綺麗な馬場でやりたかったです。
——ジジはスローながら残り5Fだけ流れる展開。惜敗のイメージがありましたが、勝ち切りましたね。
早めにペースアップしたことで展開が向いてくれたことはありますね。ただ、状態的には一度使って上向いていたのも良かったです。
——ロジマンボは連戦の疲れがありましたか。
そう思います。あとはどちらかといえば東京の方が合いますね。
——プレシオーソは着順こそ落としましたが、着差的には惜敗が続きます。
結果的には前残りでこれまで通りの走りをさせて方が着順は良かったのでしょうけど、いつも正攻法で差し切れない競馬が続いていましたし、外枠を引いたので溜める競馬を選びました。ただ、走りは変わってくれなかったですね。勝ち切れないタイプに乗る場合、色々考えますけど、上手くいけば鮮やかでしょうが、試行錯誤したことでダメな場合は着順も落としてしまいます。難しいところですね。
——中山牝馬S(G3)のシングフォーユーは理想通りの内枠でした。
スタートが決められなかったですね……。3着馬の後ろにつけたかったのですが、結果、走破時計にも重賞の壁を感じる内容だったかなと思います。
——アベックフォルスのレースは2着馬がしぶとい競馬でしたが、ここ2戦で復調ムードですね。
状態がいいのでしょうね。僕としてはいい時に乗せてもらったという思いです。
ワーキングスタイルはなかなか自分から走ってくれないところがあって、流れが向いた感はありますが、もう少し前進気勢が出るといいですね。リトルポピーは終始進んでくれず、能力で2着に来たという内容でした。
——先日の競馬では松山弘平騎手の落馬負傷がありました。同じジョッキーとして観て感じられたことはありますか。
誰の動きが悪いという内容ではなかったと思います。あのスペースがあれば、ジョッキーとすれば行きたくなるよな、とも思いました。ただ、馬によっては狭いスペースを躊躇してしまう場合もあり、ジョッキーの意思とは裏腹に中途半端な動きになってしまうことはあるものです。自分が浦和で落馬した時もそういったところはありましたからね。松山君の気持ちもわかるところはありましたし、改めて競馬は危険と隣り合わせだなとも思います。
——大事故に至らなかったのは良かったですが、先週は落馬負傷から復帰したジョッキーも多かったタイミングでしたし、また事故が増えない、続かないことを祈るばかりですね。次週は毎日杯(G3)でドゥラドーレスに騎乗されます。クラシックへ向けて重要な一戦になりますが、追い切りにも乗られたようですね。
馬体的には成長も感じていますし、楽しみですね。
——そして、以前お伝えしたJRA通算1200勝達成記念グッズも読者の皆様へプレゼントがあるとのこと。詳細はサイト内のプレゼントコーナーをチェックしてください。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
※次回は3月25日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。