'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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ダービーへ向けて ドゥラドーレスと毎日杯へ!
2022/3/25(金)
競馬界はいよいよG1シリーズへ。戸崎騎手は今週の高松宮記念に騎乗はしないが、土曜の毎日杯ではドゥラドーレスと阪神競馬場へ赴く。狙いは日本ダービー参戦。大目標へ向けて賞金加算となるだろうか。また、日曜は中山に舞い戻り、マーチSなどに騎乗。国内外で注目レースが続く週末で存在感を放ちたい。
キャリア3戦目 ドゥラドーレスの課題は
——今週は阪神、中山で騎乗されますが、まず注目は毎日杯(G3)のドゥラドーレスですね。
期待を持って臨みたいところです。1週前追い切りに乗せていただいた感触では体もできているし、フットワークも良かったです。体の緩さも段々と解消してきているのだと思います。強いて言えば、精神面が気になるところですね。追い切りで走っている雰囲気も興奮しているように感じたので、それがレース当日、どうなるか、です。
——キャリアが浅いこともありますが、関西圏への輸送もあるので気になるところですね。
追い切りで右回りを走る分には左右差を感じないですし、広いコースで引き続きやれるのも好材料。あとは輸送の影響がなければというところです。
——今週はあいにくながら雨予報でもあります。
パワーもあるので多少の道悪なら対応できるのでしょうが、あまり悪くなって欲しくないですね。それでいて少頭数でもありますが、あんまり遅いペースでなければと思います。
——関東馬の毎日杯への出走は近年、好成績です。
乗り越える課題はありますが、それはキャリアが浅ければどの馬でもあるもの。素質は感じているだけにいい結果を残したいです!
——日曜中山ではスコラーリは追い切りに乗られたそうですね。ミュアウッズは久々の騎乗です。
スコラ―リは体の緩さを感じましたし、本当に良くなるのはまだ先だと思いました。しかし、センスはいいでしょうし、新馬であれだけの勝ち方をしたので現状でも通用していいと思います。ミュアウッズは本当に大きな馬体ですね。メンバーや展開に左右されるでしょうが、前回以上の内容を意識したいです。
——ミモザ賞のルージュリナージュは継続的に乗られてきました。
前走はいい内容で成長を感じましたし、昇級しても通用の手応えを感じました。ただ、馬場はあまり渋らない方が良さそうですね。
——ハーモニーマゼランはひと叩きの効果に期待したいところですね。
競馬が上手で乗り易かったです。もうひと押しを一度叩いた上積みでカバーしてほしいです。
——マーチS(G3)のブルベアイリーデは久々の騎乗です。
こちらも競馬が上手ですよね。以前は距離に不安がありましたが、段々と解消されてきましたし、力的にも期待しています。
——以前からのイメージだと左回りの内枠というタイプだと感じていました。
そう思います。右回りの経験が浅いところは乗ってみないとわかりませんが、内枠を引けたら尚良さそうですね。
ダイオライト記念は惜しくも2着
——先週のレースではファルコンS(G3)のトウシンマカオは諸条件が堪えたように感じました。
一番は直線でスムーズさを欠いたことですね。進路がなかなか見つけられませんでした。
——前日の雨も影響したのではないでしょうか。
斤量が他より重い分なのか、そこは判断しかねるところですが、テンの行きっぷりから今回は苦労しましたね。馬場も単に道悪というよりは掘れて上滑りするようなコンディションでした。東京なんかでは時々あるケースですね。
——体の緩さもあるとは先週おっしゃっていましたね。
レースに行ってからはさほど気になりませんでした。むしろ多少緩いくらいの方が今回の馬場には合ったのかと思います。いずれにせよ、これまで以上の相手でもあったので、ちょっとした条件の差も噛み合ってくれたらよかったですね。
——日曜中山のストゥーティはどうでしたか。
凄くマジメな馬ですね。返し馬よりレースに行ってからの方が気持ちは入っていました。前半、力んだ分があるとはいえ、4コーナーで内の馬を避けるように外に持ち出したところ、手応えが全くなくなってしまいました。そこは分からない部分ですね。
——スプリングS(G2)のディオはどうだったでしょうか。
まだ体の緩さがあって完成は先だと思いますが、走ることに対しての気持ちはある馬だと感じました。
——前走で見せた上がりや兄がマイルで強い勝ち方をしていることを思うと、シンプルなコース形態の方が力を出せるのではと思いました。
そう思います。ただ、今の時季なので選択肢を広げたいでしょうし、挑戦していかないといけないですからね。あの日の馬場は苦にしていませんでしたし、ワンターンの方が競馬はしやすいとはレース後に先生へ伝えましたね。
——リリーブライトで勝ち星をあげられました。
どんなタイプか未知数ですが、過去の走りを見ると乗り易いタイプかなとは思いました。ある程度のポジションで上手く立ち回れましたし、手応え良く直線を迎えられましたね。渋った馬場も合っていたと思います。
——リキサントライはもう少し距離が短い方が競馬はしやすいですか。
器用さを感じましたし、競馬に対してマジメな印象。スローで噛んだところもあったので、小回りの1700mの方が合っていそうですね。
——ヤマニンバンタジオは少頭数ではありますが、3着でした。
条件は合っていますね。ある程度、イメージ通りの競馬はできましたよ。
——ダイオライト記念(Jpn2)のエブリワンブラックは人気以上の結果となりました。
中央だけではなく、地方も揃っていて、いいメンバーではありましたが、初めてながらも条件は合っているかと思っていました。ポジションは問わず、出たなりの形で早めからギアを上げていく形。重い馬場も合っていましたね。
——前走に続く交流でのレースになりましたが、今の船橋は砂を足したそうで、より重い馬場かと思います。現状は地方のダートも合っているんですね。
結果を見ても合っていますね。展開に左右される面はあると思いますが、ダートの長丁場は理想かと思います。
——長距離戦の最内枠、相当砂を被る競馬じゃなかったですか。
でも、早めに外へ出したからそんなことはないですよ。被る時はもっと被りますから。砂も比較的くっつきやすい状態ですが、酷い時はもっと酷いです。
——久々の船橋競馬場はどうでしたか。
スタンドがまだ工事中のようですが、早く完成した姿が見たいですね。僕らが使う管理棟の方は特に変わってないですけど(笑)。
それと、久々に(坂井)瑠星のお父さんである英光さんに会いました。瑠星がレース後、ドバイに行くから空港まで運転して送るために来ていたようですが、それにしても英光さんが厩舎を開業してから会ったのは初じゃないかな。むしろそれ以上、会ってないですよ。最近は交流での騎乗も制限されていますし、南関東に行くことも減っていますから。
——最近も南関東の成績はチェックされていますか。
いや、あんまりしなくなりました。自分でもなぜかはわからないですけど。ただ、誰が勝っているのかな、というくらいは見ますけどね。繁田(健一)厩舎も最初はかなり気にしていたけど、今はそこまで気にしていません(笑)。順調にいっているようなので。でも、最近は和田(譲治騎手)がいま調子いいみたいですね。
——そして、ここのところスポーツ界もにぎやかですが、サッカーもワールドカップ予選が続いているようですね。
木曜の試合はテレビで見られないんですよね?すっごく観たい!でも、配信だと登録だとか何だとかはめんどくさくてやりたくないんですよ。基本、わからないし、やりたがらない。
——今の時代は随分すんなりと登録できそうなものですが……。
そういうアプリだとかよくわからないですし、やった試しもないです。指紋認証でできるくらいならやりますけど、詳しくもないのでやりたくないので……。ただ、サッカーは凄く観たい気持ちはありますが。
——その思いがあれば、と思うところですが……。直近の遠征予定はありますか?
阪神牝馬Sと桜花賞は乗りに行けると思います。
——大きなレースも続いてくるところですね、次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は4月1日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。