'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
ダービー卿CTのカテドラルなど中山で騎乗!
2022/4/1(金)
今週は阪神で大阪杯が行われるが、土日ともに中山での騎乗となる。2場開催でもそれなりの乗り鞍も集めており、比較的、騎乗経験のある馬も多い印象だ。先週の毎日杯は残念ながら結果を残せなかったが、次週は阪神遠征も控えている。再度の遠征を前にホームグラウンドでのファイトに期待したい。
4月3日(日)締め切り迫る!戸崎圭太騎手から皆様へのプレゼント!
実績のある中山に戻って巻き返したいカテドラル
——まずは週末の騎乗予定から伺っていければと思いますが、今週は土日ともに中山での騎乗。土曜のホウオウバリスタはダート替わりになります。
新馬で乗った時にスピード負けしている感がありました。ダートでカバーできればと思います。
——ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)のカテドラルは勝ち鞍のある中山になります。
条件は合っていると思います。先週の競馬を踏まえると、馬場が緩いのに先行するか内を回らないと厳しいコンディションだったので、京成杯の時のように内枠を引けたら尚いいですね。6歳と年齢を重ねていますが、毎回フレッシュな印象がありますし、元気な雰囲気もあるので、前走以上の走りができればと思います。
——ブルメンダールはダートで2戦目になりますね。
以前の印象ではダートはどうかと思いますが、イメージではセンスが良かったです。器用さを活かせればいいですね。
——日曜の未勝利戦では、ワーキングスタイル・タイタンステップス・キントリヒは以前も乗られていました。
ワーキングスタイルは2着には来たものの、展開がハマって上手くいった感はあります。あとはメンバーや展開次第ですね。タイタンステップスは不器用な面もあり、使って良くなってくれればいいですね。キントリヒはもうワンパンチという競馬が続いていますが、現在の未勝利では上位の存在でしょう。
——山吹賞のフジマサフリーダムは追い切りに乗られましたね。
坂路をすいすいと駈け上っていきましたね。ただ、体の使い方だったり、まだ完成には時間が掛かるのかなとも感じました。
——両国特別のスーパーホープは東京で乗られました。
当時は1400mで忙しさを感じました。距離が延びることで追走が楽になればいいですね。東京の際は重馬場でしたが、今の馬場も合うかどうかは未知数です。
——ジェットマックスも2度乗られていますね。
リズムを重視したいタイプですね。ここ最近でも好走していますし、噛み合えばチャンスはありそうです。
先週は阪神&中山で3勝
——先週の競馬でいえば毎日杯(G3)のドゥラドーレスが一番の注目どころでした。
率直に人気に応えられず申し訳ないという思いです。
——課題としていた精神面であったり、初の右回りはクリアできたのではないでしょうか。
その辺りはクリアしていましたね。ただ、結果的にリズムを崩すような競馬になってしまいました。前半のペースは速そうにみえて、3~4コーナーで一気に馬群が凝縮したように前の馬には楽な展開だったと思います。それでも、この馬のポテンシャルなら勝てると思います。
——道中でポジションを挽回するところはありましたね。
結果的に序盤から外に出すか、コーナーからも内へ進路をとった方が良かったと思います。乗り方でカバーできる走りでした。
——せめて2着なら、というところでしたね……。阪神ではブラックシールドで未勝利戦を制しました。
新馬の時からセンスの良さは感じていましたが、力も付けて、ああいう掘れるような馬場も良さそうでした。いいタイミングで乗せていただきましたね。
——ドグマは久々に好走となりました。
距離は合っているようですね。ムキになりながらも我慢は利いていました。追ってからは緩さがある分、終いの伸びに繋がる感じはあるので、成長が必要かと思いますし、今回は勝ち馬の能力の高さも感じました。
——ハローサブリナ、セイウンハルカニでも未勝利戦での勝利となりました。
ハローサブリナは馬群だと嫌がるところがあるようでしたし、スタートも速くなかったのですが、状態の良さで対応してくれたのかもしれません。セイウンハルカニはあれ以上ペースが速くなるとどうか、というギリギリなラインだったと思いますが、丁度よくいけましたね。
——スコラーリは追い切りで乗られて、レースでは初めての騎乗でした。
全体的に緩さはありましたね。1200mも忙しいですし、芝でもいいのかもしれません。
——ミュアウッズは勝ったと思う着差でしたね。
いいペースでいけたんですけどね。スタートで後手を踏んだ分だけが誤算でした。
——ルージュリナージュは未勝利勝ちから臨みました。
馬場はこなしてくれましたが、力みが強かったですね。前回よりも力んでいました。休み明けの方が合うのかもしれません。
——ハーモニーマゼランはあの流れでバッタリ。ノドの問題でしょうか。
ノドですね。前回よりコンディションも上がっている分、ノドの不安が如実に出てしまったと思います。
——マーチS(G3)のブルベアイリーデはどうだったでしょう。
久々の騎乗ですが、力は付けて成長を感じましたね。ただ、まだ緩さはありました。競馬自体は上手なタイプでどこでも安定していますが、もう少し距離が短い方が持ち味は出そうです。
——先週のドバイワールドカップデーでは日本馬の活躍が目立ちました。チェックされましたか。
全部のレースを見ました。中でも矢作厩舎の勢いは凄いですね。あれだけ適性の見極めもできでいるのでしょうし、海外という環境にも対応できる技術があるのだなと改めて感じました。(坂井)瑠星が勝ったことも良かったなと思います。
——そして、大井競馬では早田秀治騎手の引退が発表されましたね。
僕は縁のあった(元船橋の)石崎さんと仲が良かったこともあり、その縁もあって、よくお世話になりましたね。自分が若い頃は怖さとカッコよさがあるイメージでした。凄くお酒の好きな方で、ルームでは一緒に飲んだりしていましたよ。お酒が好きでいながら、あれだけ長年続けることは簡単ではないと思います。自分だったら想像し辛いですね。
——そして、JRA通算1200勝達成記念のグッズが完成しましたね。今週まで読者プレゼントを行っております。
一時より需要がなくなっていそうな気もしますが、携帯除菌スプレーということで記念に作らせていただきました。
——今回の機会を逃さずご応募いただければと思います。次週は桜花賞(G1)にも騎乗されますし、皐月賞は追い切りにも騎乗されに行かれるようで遠征も増えますね。そして、兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)はドライスタウトに騎乗されますが、なかなかなメンバーが集まりそうな様子です。
今年は3歳ダート勢のレベルも高いと思いますし、楽しみです。
——次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は4月8日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。