'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
さあ連日の阪神へ!桜花賞&阪神牝馬Sに騎乗!!
2022/4/8(金)
2週前から始まったG1の騎乗こそなかったが、今週の桜花賞では前哨戦を制したプレサージュリフトに騎乗する。キャリア2戦での重賞ウィナーということで人気の一角になることは目されているが、自身にとっても初の桜花賞制覇となるか。また、土曜の阪神牝馬Sにはアカイトリノムスメに騎乗。連日の阪神での騎乗、阪神マイルでの牝馬重賞で好勝負を期待したい。
流れが向いてほしいプレサージュリフト
——今週は珍しく土日ともに阪神での騎乗になりますが、G1・桜花賞ではプレサージュリフトに騎乗されます。クイーンCを制して注目度の高い一頭かと思います。
前走で初めて乗せていただきましたが、いいパフォーマンスだったと思います。ここに入って、相手関係もさらに強化されますが、改めて期待しています。
——枠順は7枠14番に決まりました。
この馬については出た枠でいい競馬ができればと思っていたので、あまり気にしていませんでした。というのもゲートが一つのポイントになってくると思うので。
——クイーンCの際も「なかなかこれだけ出ないのも珍しい」とおっしゃっていました。
そう思います。気を付けて臨みますが、前回からそう簡単に改善できる出遅れ方ではないのかなと思いましたね。
——ゲートが遅れるということは気性的な難しさもありますか。
いや、それはなかったです。パドックや返し馬でも大人しかったですし、厩舎サイドも「牝馬の割にドッシリしている」と言っていました。初めて関西圏への遠征になりますが、そういう意味でも遠征の不安自体はあまり気になるタイプではありませんでした。
——追い切りの映像は見られたと思います。どんな印象でしたか。
乗っていませんが、状態は順調に来ているのかなと感じましたね。いい動きをしていたんじゃないでしょうか。
——中山開催中ということもあり、ウッドコースでの追い切りも右回りでした。右回りも初めてになりますね。
乗った雰囲気でいえば、右回りもこなしてくれるんじゃないかと思います。
——となると、ゲートがポイントになりそうですね。ここ数年は先行馬も粘り込むケースが見受けられますし、Bコース替わりです。
こういうゲートだと、馬場や展開ばかりは他力本願になりますよね。能力は世代上位と思っているので、あとは上手く噛み合って欲しいです!
——続いて阪神牝馬ステークス(G2)ではアカイトリノムスメに騎乗されます。
久々に追い切りに乗せていただいた感触では、芯が入ってきたように感じました。距離については1600mのクイーンCも勝っていますし、久々の条件でも対応してくれそうなセンスの良さがあると思っています。
——阪神牝馬Sはスローになりやすいですが、対応力でカバーしたいですね。
久々のマイルでしょうし、おそらく位置を取れると思っていませんが、幅広さがある馬だと思いますからね。
——今週は晴れ予報です。
悪い馬場より、いい状態の方が合いそうですからね。ヴィクトリアマイルという目標があるでしょうし、しっかりいい走りを立てて欲しいです。
——土曜の3歳1勝クラスにはドグマが予定しています。
前走は追ってから緩さが影響したのか、勝ち馬には突き放されてしまいました。距離自体はこなせると思いますが、渋った馬場の方が良さそうです。終いの面でいえば、成長が欲しいところですね。
——日曜最終にはアベックフォルスが挑みます。
ここ最近の好走は状態面の良さがいい結果を生んでいると思います。あとは昇級初戦になるのでどれだけやれるか、ですね。
先週は中山で2勝 ルージュバックの仔にも騎乗
——先週の競馬ではスパイラルノヴァは1番人気に支持されるも4着でした。
リズムに乗って競馬ができて、あとは伸びてくれるだけ。しかし、そこからが思ったほどの反応がなくて、前の馬がバテた分、差を詰めたという走りでした。
——ヴィクトゥーラは惜しい結果。勝ち馬が目立ちましたね。
上手に走ってくれましたし、馬場の悪いところでもこなしてくれました。ただ、一瞬の脚というタイプですね。
——キントリヒは惜敗続きを脱出しました。
ずっといいレースをしていましたし、あんな馬場でもプラスでした。長丁場なら安定して走りそうですね。
——ダービー卿CT(G3)のカテドラルはもうひと押しがなかったですね。
ゲートは相変わらずといったところですが、連対した2頭が同じようなポジションにいただけに伸びてほしかったところ。そこはハンデの差なのかわかりませんが、物足りない内容になってしまいましたね。
——モンタナアゲートは2着。勝ち馬には一瞬で突き放されました。
勝ち馬より前で競馬がしたかったのですが、向こうの方がスタートは速かったんですよね。ただ、乗り易いですし、前走の映像を比較すると、キレも増していたように思います。内容は良かったです。
——ホウオウバリスタはダート替わりでした。
強い内容でした。ダートは合っていますし、あれなら昇級しても期待できます。
——ブラーバックは急遽の騎乗でした。やっぱり道悪がこたえましたか?
非力な面を感じたので、馬場のいいところを走らせたかったですが、それでも堪えていましたね。
——母のルージュバックとの比較はどうでしょうか。
けっこう似ていますね!懐かしくなりました。ただ、お母さんは早い段階から力強さもありました。まだ体力的にもこの距離は長いのかもしれません。成長は遅そうですし、現状は平坦コースの方が合いそうです。
——難しいコンディションだったと思いますが、先週の中山の芝はどんな感触でしたか?
外差しという声もあるかもしれませんが、決してそうは思いませんでした。ただ、よく掘れる馬場ですね。芝の塊は飛んでいるけど、内が有利だと思いました。得意、不得意は出ると思いますよ。
——実際にその馬のレース映像をみて見分けられるものですか。
難しいかもしれませんね。基本的には体幹がしっかりしていて、自分の重心で走れる馬でしょうか。フットワーク的には硬いより緩いくらいで合いそうです。ある程度は見た印象通りにはなりますけど。おそらく阪神も似たような状態だったんじゃないでしょうか。
——今週は阪神で連日の騎乗ですね。
初めてじゃないですか?新鮮な感覚はありますね。
——2016年6月以来だそうです。夏競馬も長距離移動をして連日騎乗されますが、関西圏に連日向かうのは勝手が違ったりとかはありませんか。
それはないです。まあ夏もそんなものですから。
——復帰されてからは体づくりによって体重も変わったそうですが、そこは以前と同様ですか。
同じですね。ただ、筋力がついた分、以前より炭水化物は減らすよう意識するようになりましたよ。まあ、平日はお酒も変わらず飲むのですが、酒で体重が増えるという感覚はないですね。本当かどうかはわかりませんが。
——週末は控えているようですが、お酒は相変わらずですか(笑)。騎乗姿勢なども休養前と比較すると、時に変わったように思います。
そうですか?自分の感覚がいいとずっと言ってきたのはそういうことだと思いますし、そう言ってもらえるのは嬉しいですね。あとは馬によってバランスが変わるので、合う馬、合わない馬がいたり、自分の癖が残ってしまう時もまだありますからね。
——そうした成果が大舞台でも実ればいいですね。次週は皐月賞(G1)でジャスティンロックに騎乗されます。
追い切りにも乗せていただく予定で、久々に栗東へ行くと思います。
——クラシックも始まりますし、何とかいい結果を期待しております。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は4月15日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。