'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
皐月賞はジャスティンロックと初コンビ!
2022/4/15(金)
先週は土日ともに阪神で騎乗した戸崎騎手。阪神牝馬Sは直前での除外という無念の遠征となってしまった。今週で中山も最終週、より盛り上がりをみせる春シーズンへ向けて、弾みをつける最終週としたい。
——まず、先週の話題から伺えればと思いますが、阪神牝馬S(G2)のアカイトリノムスメは競走除外というアクシデントでした……。
馬場入りの際、トンネルを上り切るところで尻っぱねをしてしまったのですが、その際、壁に右トモをぶつけてしまったのです。気を付けてはいたことなのですが……。
——以前からレースでは器用でも、馬場入りの際に元気の良さがあるとはおっしゃっていましたね。
休み明けだとよりその傾向がありますね。映像にも映っていたようですが、馬も段々と痛みが出てしまったようです。
——馬格からも成長の余地がありそうなタイプだと思っていただけに、どんな走りをしてくれるか楽しみでした。
本当に楽しみな馬でしたし、まだまだ成長途上でしたからね。今まではこうした際もアクシデントにならずに防げていたのですが、こういう結果になってしまい、より気を付けていなければいけなかったと感じています。
——一方、桜花賞(G1)のプレサージュリフトは先週、伺っていた通り、ゲートは今回も厳しかったです。
今回も出遅れてしまいましたが、そういうことも頭にはありましたし、腹を括って臨みました。直線に懸ける形を採りましたが、展開や馬場が合わなかったですね。ただ、前走の走りからすると、もっと伸びて良さそうな走りでもありました。条件が合わないとはいえ、もっと走れていい素質は持っていますから。
——次戦はオークス(G1)のようですね。
フットワーク的には距離が延びることは問題ないと思います。ただ、血統が短距離寄りらしいので、そこがどうなるでしょうか。
——今週ですが、皐月賞(G1)のジャスティンロックは栗東で追い切りに乗られたそうですね。
馬の調子はいい状態でこられているのではと思います。ただ、まだ緩さも残っていて、完成は先々かなとも感じました。
——前走は力みの感じられるレースぶりで、ところどころロスもありました。
前走は精神的に休み明けの分、追い切りの段階から気負いがみられたそうです。乗った限り、その辺りも解消されていたのか、ガス抜きが出来たんじゃないでしょうか。
——緩さという意味では、まだ良くなりそうとのことですが、走り方からもコーナー4つの舞台は合いそうですね。
タイプ的には合っていると思います。馬場も雨が残っていてもこなしてくれそうです。
——その他のレースでは未勝利戦のデアリングヒューズは3度目の騎乗です。
前走は新馬以来の騎乗でしたが、もう少しキッカケ、変わり身が欲しいですね。
——ホウオウバリスタはダート替わりがプラスでした。
前回の勝ち方が良かったですね。今後も走ってくると思いますが、まだ緩さもあるので、現状でどこまで走ってくれるか、ですね。
——袖ケ浦特別のブロンズレッドは2走前に2着でしたが、当時は展開や枠が向いたようにも見えました。
枠も良く、ロスなく競馬ができましたからね。日曜の馬場状態がどうなるかはわかりませんが、ああいう形になればと思います。
——京葉Sのノンライセンスは前回騎乗されました。
あれ以来のレースということで状態面はわかりかねますが、非常にセンスのいい馬だと感じました。強いていえば平坦コースの方が良さそうですが、昨年もこのレースで好走しているようですし、走っておかしくない存在だと思います。
——先週のその他のレースではアベックフォルスは昇級初戦で関西遠征ながら健闘していました。
やっぱりここへ来て力を付けているのでしょうね。状態もいいのでしょうし、上手には走れていました。
——ドグマは2着、惜しい内容でしたが。
1200mになって折り合いも気にせず走れましたね。上手に走れていました。強いて言えば、まだ緩さがあって、最後のギアが変わらないところですね。そこはまだまだ時間が掛かりそうです。
——次週は東京開催。フローラS(G2)はルージュエヴァイユに騎乗されると思います。また来週からもよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
※次回は4月22日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。