'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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フローラSはルージュエヴァイユと3連勝なるか?
2022/4/22(金)
今週は開催替わり。東京開幕週の土日ともに腰を据えて騎乗するが、中でも注目はオークストライアルのフローラS。デビュー2連勝のルージュエヴァイユと挑む。過去2戦は目立った末脚で差し切り勝ちを決めているが、これまで以上の相手や東京コースになってどんな走りを見せられるだろうか。試金石の一戦だ。
東京替わりでパフォーマンスUPを図りたいルージュエヴァイユ
——今回は週末の騎乗馬から伺っていきたいと思います。時系列順になりますが、土曜の未勝利戦からウォーカーテソーロは前走に続き騎乗されることになります。
前走もいい内容でしたし、ああいう競馬ができればと思います。勝ち馬は手強かったですけど、雨が降っても対応できそうですし、今回も走ってほしいですね。
——スカイトライアは門別からの出戻り2戦目ですね。
前走は期待していたのですが、人気にも応えられず、残念な結果になってしまいました。スタートして前に入られるロスがあったとはいえ、JRAとNARのペースの違いに戸惑っていた感は否めませんが、コースも変わりますし、流れも違うでしょうから改めて期待したいところです。
——カフェサンドリヨンは惜敗が続きます。
力的には足りる馬なのですが、もう少し流れに乗って競馬ができるといいですね。
——新緑賞のキントリヒは未勝利で惜敗続きを脱出して、昇級になります。
クラスは上がりますけど、1勝馬同士なら通用していいと思います。雨が残りそうな天気予報ですが、開幕週で硬い馬場になるより良いタイプですね。
——日曜の未勝利ではビーアンビシャスは初戦も乗られました。
大きい馬ながら素軽さも兼ね備えているイメージです。広いコースになること、距離が延びることに対してもいいイメージは沸きます。
——セラフィナイトは少しつかみどころのない印象ですが、いかがでしょうか。
乗りやすいタイプではあるんです。ただ、勝ちに行くと甘くなるところがあって……。相手関係と流れが上手く噛み合って欲しいです。
——鎌倉Sのレモンポップは前走で長期休養からの復帰後、初勝利でした。
期待している馬なのでクリアしてほしいですね。もっと上にいければと思います、
——フローラS(G2)のルージュエヴァイユはどうでしょうか。
まだ底をみせていないでしょうし、着差こそありませんが、2戦ともに勝ち切ってくれたのは大きいですね。東京コースでやってみたいと思っていましたし、どんな走りをしてくれるか期待しています。
——この中間は追い切りには乗られていないので近況という意味での比較はないと思いますが、初戦と2戦目での成長は感じましたか。
前走についてはそこまで感じなかったですね。今回も先生的には「そこまでガラっとは変わってはいない」とも耳にしています。とはいえ、これまでもいい走りをしてくれていますから。
——ガラっと変わっていないとしても、末脚は武器かと思います。ただ、前走についてはラスト1Fのラップが急落していたこともあり、東京の瞬発力勝負になるとどうでしょうか。
切れ味という点ですが、そこは初戦の競馬でも感じる部分はありました。あとは位置取りですね。どうしても前半の追走は遅いので後方からにはなると思います。
——新馬もスローペースでしたし、テンの流れも遅い中で流れには乗れていなかったですね。あとはフットワーク的にコーナリングのもたつきは広いコースになる分、良くなりそうですか。
それは言えそうですね。もう少し体質の強化などが強化されれば、しっかり回ってこられるのかもしれません。ハーツクライやジャスタウェイの血統的にもそんな走り方なのかもしれませんが。
——その中で、前半の追走やコーナリングの面でのビハインドがありながらも勝ち切っている辺り、距離延長はプラスでしょうか。
そう思います。同世代の牝馬同士で距離延長がプラスになる馬はそこまで多くないと思いますが、この馬に関してはいい方に出そうですね。相手関係など未知な面はありますが、いい結果を目指したいです。
不向きな条件の中でも健闘したジャスティンロック
——皐月賞(G1)のジャスティンロックはなかなかテンから流れに乗っていくようなところはできませんでしたが、後方から脚を伸ばしてはいましたね。
馬場の悪いところを走りながらも内容的にはよく頑張ってくれたと思います。展開的には速くなると言われている時に遅くなることは多々あるので、あんなケースも想定していました。直線を向く時は外伸び馬場であることはわかっていましたが、悪い馬場を苦にしていなかったですし、敢えて内を狙いました。
——気性的にはわがままなところがあるとのことでしたが。
レースで出す訳ではありませんが、随所にそういうところを感じられました。テンのスピードに乗れないのは成長途上の体質だけではなく、気性的な課題もあってのことと感じますね。成長すれば、もっと競馬は組み立てやすくなりそうです。
——ブレークアップは2着でした。
「マイペースで走れれば頑張ってくれる」とは聞いていましたが、他に行く馬がいたので、その番手で控える形。リズムは良かったですし、この距離でも対応してくれましたね。
——ノンライセンスは序盤の位置取りが堪えましたか?
それよりもやっぱり長期休養明けの分ですね。ラスト200mでバッタリ止まってしまいました。
——チェンジザワールドは未勝利戦を制しました。
力があってダート替わりは良かったですね。いいタイミングで乗せていただきました。
——コスモコラッジョは勝ち馬の手応えが明らかに優勢でしたね。
相手は強かったですが、昇級してもやれるメドの立つレースでした。まだ気性的にアテにし辛いところはありそうですが、脚抜きのいい馬場にも対応してくれましたよ。
——マーチリリーはどうでしたか。
強い内容でしたね。返し馬から具合の良さを感じましたし、速い流れも良さそうでした。イメージ通りの競馬ができました。
——先週で中山開催も最後。馬場状態はどうだったでしょうか。
その前の週が阪神に行っていたため、「緩いけど、内が使える馬場」という認識だったのですが、掘れるし、内は厳しい馬場でしたね。
——先日、読者プレゼントも募ったJRA通算1200勝達成記念の除菌スプレーセットは完成しましたね。
今になって除菌スプレーを携帯する人がいるのかな?とも思いましたが、まだまだ予断を許さない状況が続いていますからね。思っていたようなデザインになって良かったです。いや、むしろ思っていた以上にいいグッズにまとまっているなと思いました!
——当選された方々はおめでとうございました。次週も引き続き東京での騎乗ですね。またよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします!
※次回は4月29日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。