'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
GWはドライスタウト、ソリストサンダーらで交流重賞へ!
2022/4/29(金)
今週からJRAでは連続G1シリーズが始まり、次週の週中にはNARで交流重賞が行われる注目レース目白押しの日程を迎える。戸崎騎手は昨年、3着だった阪神で行われる天皇賞・春の舞台で騎乗予定はないが、土日ともに東京で騎乗し、兵庫CSとかしわ記念では馴染みのある存在とコンビを組む。特に注目は交流重賞の2鞍。ソリストサンダーで昨年のリベンジを、初距離となるドライスタウトで新境地開拓となるだろうか。
土日ともに東京で騎乗!3歳トライアルに騎乗
——まず週末の話題から伺っていければと思いますが、土日ともに東京で騎乗されます。府中Sのバジオウは昨秋以来の実戦です。
1週前追い切りに乗せていただいたところ少しパワーアップした感触は窺えました。勝ち鞍もある通り、コース適性はありますし、いい条件。好メンバーだと思いますが、いいところを見せたいです。
——青葉賞(G2)のディライトバローズはテン乗りですね。
映像を見る限り、フットワークが大きくて前進気勢が強そうに感じますね。その辺りに気を付けつつ、リズム良く運べればと思います。
——所属厩舎のドルズプライスレスは実戦で乗られるのは初めてです。
追い切りで乗る限り、もともとあった硬さに関しては解消されてきたように感じます。もう少し前進気勢が欲しいところですが、秘めているモノはあるので、徐々に能力が引き出ればと思います。
——ヴェールアンレーヴ、ロジマンボも同じく3歳未勝利組ですが、こちらはレースで乗られたことがありますね。
ヴェールアンレーヴは中山で乗せていただいたところ、東京の方が向くのかなと思います。強気で運ぶと終いが甘くなりそうなので、前走の経験を活かしたいです。ロジマンボは安定していますし、東京の方が向いています。戦歴的にもそろそろ決めたいですね。
——陣馬特別のサトノフォースは以前、乗られていました。
当時は1600mでしたし、不器用で詰めの甘さがあるので距離が延びることによってカバーできればいいですね。
——スイートピーSのシークルーズも土曜の青葉賞と同じく杉山厩舎の管理馬です。
印象になりますが、2走前にこの馬が勝った際、自分の馬が勝ちパターンだと思ったところを差されましたからね。当時は「これで交わされるか」と思ったほど。乗せていただけるのが楽しみです。
——ロコポルティは2走前に乗られて、東京で2着でしたし、当時の1、3着馬は以降に勝っています。
力は証明している走りが続いていますよね。流れに乗ってリズム良くいければと思います。
ゴールデンウイークも交流重賞で連日の騎乗!
——そして、週明けはゴールデンウイーク。交流重賞が続きます。4日(水)の兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)にはドライスタウトが3歳初戦を迎えます。
率直に楽しみですね。期待している馬でしたし、どんな成長をみせてくれているか、その辺りも実感できればと思います。ただ、今回に関しては距離がポイントになるかと思います。
——ドライスタウトが休んでいる間に同世代のダート路線も盛り上がって、いい相手関係になったと思います。能力的なことは証明しているだけに、レース後に詳しく聞ければと思います。ただ、園田のコース形態でも距離はポイントなりますか
そう思います。いい意味で評価を覆す走りをしてほしいですね。
——かしわ記念(Jpn1)のソリストサンダーは昨年2着したレースです。
昨年は惜しい結果ですし、リベンジとなればいいですね。結果を求めたいところです。海外帰りという点で体調面だけは自分ではわかりませんが、そこはコンスタントに走ってくれている馬を信じたいです。
——昨年から夏負けといわれていたエルムS以外はおおむねコンスタントに走っています。その中でもかしわ記念の舞台は適条件といえるのでしょうか。
どこでも安定していますからね。根岸Sの時のようなこともありますし、精神的にポカがあるのかもしれませんが、昨年も向こう正面でロスがありながら最後までしぶとく走ってくれました。馬場状態なんかも問わないですし、いい意味で適性はわかりかねますが、あとは当日の馬の気持ち次第かなと。馬に聞いてみないとわからないかもしれません。
——根岸Sでの不利を思えば相反するところですが、外枠の時に走っていますね。
そうなんですよね。以前、自分が乗っていないレースでは北海道の内枠でも走っていましたし、モマれ強そうなのですが、その時の気持ちや状態に左右されるのかもしれません。
素質馬レモンポップが復調感じさせる圧勝劇
——先週のレースでは、フローラS(G2)のルージュエヴァイユはどうだったでしょうか。
結果論となりますが、全体的に前残りの展開は厳しかったですね。馬場的にも前に行けないと難しく感じました。その中でも思ったよりポジションはとれましたし、初めての競馬場でもテンションが高くなることもなく、ドッシリしていました。距離もこなしてくれましたね。
——レモンポップは楽勝でしたね。
かなり馬が良くなったと感じました。もともと高い期待をしていましたが、前走も勝ったとはいえ、本来の雰囲気になく、一年ほどの長期休養から復調途上だったのかなと思います。
——2歳時の走りを思えばゆくゆくはG1クラスを意識してしまうレベルでしたが、前走も、今回も隊列的にはスムーズにできました。激しいペースでモマれる形になった場合はどうですか。
ペースに関してはスピード負けすることはないのかなと。2戦目のカトレアSの際もモマれる形でしたし、克服はしていましたからね。あとは1400mがベストかもしれませんし、距離に関してはまだ融通性があるとはハッキリ言えないところです。
サイモンバロンは位置どりが悪くなった分が堪えましたね。でも乗り易さでそこをカバーしてくれました。ルチアはモマれ弱いようで外枠は良かったようです。ペース的にはこの馬には味方していましたし、勝ち馬が一枚上だったと思います。
——ビューティフルデイは色々と噛み合いましたね。
凄く乗り易くていかにもディープ産駒という印象。今回はハンデも手頃で展開も味方してくれました。
——キントリヒ、カフェサンドリヨンは何度も乗られていました。
キントリヒは後ろからの競馬になってもう少し伸びてくれると思いましたが、中山向きとしても現状はもう少し力をつけたいところです。カフェサンドリヨンはずっとチグハグなレースが続いていましたし、スムーズに運べましたが、前が止まってくれなかったですね。ただ、以前乗せていただいた時よりフットワークなんかは良くなっていました。
——ウォーカーテソーロは惜しい内容が続きます。
テンションは高かったですが、レースにいけば前向きですね。初勝利は近いと思います。
——次週からは東京競馬場でのG1が続きますね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします!
※次回は5月6日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。