'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
主戦務めるトウシンマカオとNHKマイルCへ!
2022/5/6(金)
GWの交流重賞では残念ながら勝ち星とならなかったものの、東京開催2週目は4勝と勝ち鞍を重ねた。そして、今週から5週連続のG1と東京はより盛り上がる時季に差し掛かる。今年のNHKマイルCには過去5戦全てで手綱を執ってきたトウシンマカオと挑むが、前走の敗戦から巻き返せるだろうか。健闘に期待したい一戦だ。
前走は不完全燃焼 先行力を活かしたいトウシンマカオ
——今週も引き続き東京での騎乗になりますが、土曜の話題から伺っていければと思います。立夏Sのロンコーネは継続して乗ってこられて2連勝してきました。
2走前は脚質に幅が出る内容で、前走の勝ち方も良かったです。今の状態で昇級してどれだけやってくれるか楽しみですね。さすがに即通用するという感覚ではありませんが、段々と力を付けてきていますし、まだ伸びしろがありそうです。
——プリンシパルSのグランディアはテン乗りになりますね。
映像を見る限り、折り合いがカギになるかと思います。リズムよく脚を引き出せればと考えています。
——日曜のルチア、ミッキーピーナッツは騎乗経験があります。
ルチアは未勝利を突破できる能力はあると思います。モマれ弱さもあるようなので外枠の方が良さそうですが、前回は相手が手強かった分の2着ですから改めてですね。ミッキーピーナッツは大型だけに使った上積みもありそうですし、使いつつ良くなっていきそうです。
——ヤウガウは3走ぶりの騎乗です。
気性が邪魔していることは否めませんが、気持ちよく走れれば上位争いしてもいいはず。計算はし辛いタイプではあるものの、いい走りをして欲しいです。
——立川特別のエコロファルコンは2走前に3着。当時はハイレベルの一戦でしたね。
先行力があって自分で競馬を作れるのが強み。先行馬の兼ね合いもあるのでしょうが、言われた通り、強い相手にも好走してくれていますから。
——NHKマイルC(GⅠ)ではトウシンマカオで挑まれます。
距離が課題になるのかと思います。いいスピードは持っていますし、馬場はいい方が向くと思いますし、頑張って欲しいです。
——前走は色々と悪い条件が重なりましたね。
馬場や斤量など難しいレースでしたね。当時は「体が緩い」とも言いましたが、今回の中間に跨った感触では、その辺りは解消されてきたと思いますし、精神的にも気が入ってきたと思います。多頭数のレースにはなるでしょうが、先行力もありますし、この馬のペースで走れるかがポイントになりそうです。
休み明けが大きく影響してしまったドライスタウト
——レース回顧ではかしわ記念(Jpn1)については次週伺いたいと思いますが、兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)のドライスタウトは4着。これまでとは条件も様変わりしたことが大きかったですか?
返し馬から体の緩さ、息遣いの悪さを感じましたし、休み明け感が随所に出過ぎて、距離や右回りがそれだけダメだったのか、何とも言い難いところではありますね。
——それだけ休み明けの分が出てしまったということですね。スタートもその影響がありましたか。
園田の外枠って時に出遅れが発生出やすいと知っていましたし、気を付けてもいたのですが、体が緩い分、余計に決まらなかったですね。右回りも最初のコーナー辺りから外に張るところもありました。
——以前もラプタスが園田で人気を背負って出遅れていましたね。ドライスタウトについての成長面はどうでしょうか。
正直、今回に関しては変化を感じなかったですね。今後は3歳ダート路線故に使う選択肢は限られると思いますし、使った上積みで変わってきて欲しいです。
——先週の東京ではロコポルティは大型でジワジワ伸びるイメージがありますし、雨馬場はどうかと思いました。
その通りですね。ただ、今回は能力でカバーしてくれましたね。スタートも二の脚もよく、モマれ弱いところもデキがイイ分、フォローできたのかなと思います。
——スイートピーSのシークルーズは馬場が堪えましたか?
馬場に尽きますね。どちらかといえば距離は延びるより短めで決め手を活かす方が向きそうですが、いいバネとセンスがあると感じました。条件次第で巻き返してくれそうですよ。
ロジマンボはイメージ通りの競馬でした。ここまで安定して走ってくれていますし、状態も持ち直していましたね。ヴェールアンレーヴは馬の具合がかなり上がっていました。グイグイという行きっぷりでした。
——ドルズプライスレスは1番人気になるとは驚きましたが、いかがでしたか。
レース内容としては申し分ない内容だったと思います。まだ呼吸的にも走り切れていないですし、ひと息で行っているところをもう少しゆったり行ければと思います。
——バジオウは休み明けを勝ち切りました。
着差は僅かでしたが、大きな差でした。前走よりも覇気もありましたし、レースはしやすかったですね。力を付けているからこそ、最後も押し切れたと思います。次は重賞になるようですが、もう少し力を付けていければと思います。
——今週は日本でもG1が行われますが、アメリカではクラウンプライドがケンタッキーダービー(G1)に出走しますね。クラウンプライドは戸崎騎手にとっても全く縁のない血統ではありませんが、
熱心に注目しているというほどではありませんが、クラウンプライドの近親は僕が乗せていただいていたエミーズパラダイスなんですよね?今回はクリストフ(ルメール)も相当楽しみにしているようですし、日本の関係者には頑張って欲しいです!
——次週はヴィクトリアマイル(G1)でマジックキャッスル、京王杯スプリングC(G2)でリレーションシップに騎乗とのこと。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
※次回は5月13日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。