'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
ユニコーンSのバトルクライなど今週も東京で騎乗!
2022/6/17(金)
開催トップの勝ち星を挙げた2回東京から一転、先週は2着続きの結果。巻き返しを期待したい今週はユニコーンSのバトルクライや未勝利戦を圧勝した3歳牝馬のウィズグレイスなどの手綱を執る。残り2週となる東京開催、さらなる勝ち星量産を期待したい。
適性の差をカバーしたいバトルクライ
——土日通して東京競馬場での騎乗になりますね。まず、土曜の話題から伺えればと思いますが、ゲティスバーグやシャーマンズケイブといかがでしょうか。
ゲティスバーグは未勝利を卒業しておかしくない素質の持ち主ではあるのですが、ノドの不安や体の大きな馬なので、太目が残っていないかどうか、という心配はあります。シャーマンズケイブは追い切りの印象でいえば順調さを感じました。追って味がありそうタイプ。週末の天気は未知数ですが、あまり時計は速くなってほしくないです。
——相模湖特別のカフェサンドリヨンやスレイプニルSのエブリワンブラックなども引き続き騎乗されます。
カフェサンドリヨンはここ2戦安定して走ってくれていますし、あとは相手次第というところ。今回もゲートさえ決めてくれれば、いい勝負になるんじゃないでしょうか。まだまだ不安はつきませんが。エブリワンブラックは前走が馬場も向きましたが、重賞でも頑張ってくれました。あとはスタミナが要求される条件になればここでもいい走りをしてくれそうです。天候的には晴れて馬場が乾いた方が向きそうな印象です。
——日曜のルチアは惜しい競馬が続きますね。
もうワンパンチというところなんですけどね。メンバー次第ではありますが、テンションが上がりやすいところもあるので当日、落ち着いてくれればここでも走ってくれそうです。
——インペラートルは約5カ月ぶりの実戦です。
以前の印象ではもう少し集中力が欲しいところはありましたが、能力的にはチャンスじゃないでしょうか。
——コングールテソーロは4走ぶりの騎乗です。
条件はいいですね。今の時季は3歳の方が有利な印象はありますが、東京ならいい勝負になっても、と思います。
——ユニコーンS(G3)ではバトルクライに続けて乗られます。
本来であれば、距離はもう少し短いところが適性なのかなと思います。ただし、前走のようにマイルでも上手に走ってくれましたからね。
——距離面は折り合いの問題でしょうか?その上、トビが大きめで条件や枠、馬群の形は選びそうですね。
一番は折り合いですね。あとは体力的なところもあると思います。東京だったら1400m、他場なら1200mでもこなせそうなくらいに思います。小脚を使えるようなフットワークはしていないですし、スムーズな形になれば理想です。
——バトルクライの話題といえば、本来であればドライスタウトがこのレースに使う可能性もあったのではないでしょうか。
そうなんですよね。ジャパンダートダービー(Jpn1)になったようですね。今のところ栗東へ追い切りにも乗りに行く予定です。
先週は2着6度の惜敗ウィーク?
——先週の競馬ではエプソムC(G3)のタイムトゥヘヴンは5着でした。
久々に乗せていただきましたが、緩さも解消されていましたね。レース運びはスムーズにいきましたが、理想をいえば長く脚を使うタイプですし、中山の方が合う印象。それに綺麗な馬場が良かったです。
——先週は土曜の夜に雨があったり、日曜の開催中に通り雨もありました。
そうです。土曜はまだ内目から伸びていましたが、日曜は渋りましたし、外差し傾向にもなりましたね。
——アベックフォルスは前半こそペースが流れましたが、勝ち馬は強かった。それでもマイルにも対応しました。
ペースが速めの中で残られてしまっただけにここでは力負けという感はありましたが、着にはこられましたからね。本来なら1800mくらいあった方がいいですし、このクラスでも通用する手応えは感じました。コンスタントに使っていてもダメージは感じませんし、馬が充実してきているのでしょう。
——セブンデイズは序盤の位置取りがもう少し良ければ、という内容。前走にも言えますが、テンのスピードが良ければという内容でしたか?
いや、そんなことはないと思いますよ。もっと前目に付けたい思いはありましたか、連闘の影響なのか、スムーズに流れに乗れませんでした。1800mだと忙しいイメージはありますが、もっと楽に流れに乗れていいはずですからね。急に脚抜きが良くなった馬場も問題なかったですし、位置取りが悔やまれます。
——マンドローネはどうでしたか。
う~ん、何故ですかね。あとは伸びるだけ、というところから伸びてくれませんでした。敗因が思い当たらない負け方でした。馬場ですかね。
——ホイットニーは少々ぶつかる面もありましたが、惜しい結果でした。
最後にぶつかったのは結果に影響するレベルではないのですが、スムーズにいけましたけどね。追って味のある相手にやられてしまいました。
——アイスマンは大接戦の2着。3歳相手に健闘しました。
非力な面はあるものの、理想通りに進んでくれました。あとちょっとでしたけどね。欲を言えば平坦の方が合いそうです。
——ブレークアップはマイペースに落とし込んだものの2着でしたね。
東京で走れたのは収穫ですね。ただ、あれだけのペースでも負けてしまう辺り、追ってからがもう一つ。中山や小回りのコースならより持ち味我活きると思います。
——ココリホウオウも2着。先週は2着6度と珍しい結果でしたが、ここもルメール騎手に敗れました(苦笑)。
本当にそうですね(笑)。こちらもイメージ通りにいけたのですが、最後少し甘い面が良くなれば・・・というところでした。
——ビヨンドザシーンは昇級初戦でしたが、古馬ばかりの相手関係からももう少しやれるのかと思いました。
流れが忙しかったですし、道中でも耳を絞ったりしていました。急かすと甘くなりそうな面もあり、前回のようにはいかなかったです。
——サイモンバロンも2着でした。
1コーナーで獲りたい位置がとれなかった分、追い出しを待たされましたね。ただ、東京は合っていますし、内容的にはこのクラスでもやれると感じました。
——バイタルエリアで勝ち星がありました。
返し馬から状態の良さを感じました。まだまだ背腰に弱いところがあるので、これから良くなりそうです。
グッドルックスは体もまだまだこれからですし、硬さもありますね。もう少し使いつつ先々のイメージを受けました。カレイジャスは追い切りではグイグイといった雰囲気ですが、実戦では違いました。もう少し体力もつけてほしいです。
——先週、今週とサッカー日本代表の試合もありましたが、サッカー好きだけにチェックされましたか?
先週の金曜と今週の試合はみられました。まだチームとしても選手を試したりと試行錯誤しているように感じましたし、まだ連携がとれてないのかなとも思いました。と言っても、サッカーは素人なので偉そうなことは言えませんけどね(笑)。
——それと、交流競走の騎乗も緩和されたことで、今週は川崎競馬場でも騎乗されました。
昨年末にも川崎では乗っていたので、そこまで新鮮な感覚はなかったですけどね。最近は交流重賞もそんなに乗っていませんから久々でしたね(笑)。
——南関東では今のロン毛も古巣関係者の間では話題になりませんか。
いや、それが特には・・・。いじられるキャラなんで言われると思っていましたが、思いの他、反応がなかったです。よっぽど似合っているのかな(笑)。
——それはどうかわかりませんが(笑)、関東のファンの方々も興味があれば、新しい髪形をチェックできる機会も残り2週ですね。
なんとか頑張りたいと思います。今は口取り撮影もやっていますから。
——今週もありがとうございました。
ありがとうございました!
ここで競馬ラボからのお知らせです。「週刊!戸崎圭太」のコラムでは読者の皆様からジョッキーへの質問を募集しております。
受け付けは件名に「戸崎圭太騎手への質問」と明記の上、「お名前(ペンネーム)・競馬ラボにご登録のID(メールアドレス)・質問内容(複数OK)・競馬ラボへのご意見&ご感想&ご要望」を明記の上、以下にメールでお送りください。
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今回の締め切りは6月23日(木)まで。質問をいただいた方の中から抽選で3名様に、戸崎圭太騎手・JRA通算1200勝の除菌スプレーセットをプレゼントいたします。
応募者多数の場合は抽選になります。当選者の発表は当選者の方へのメールでご連絡させていただきます。ふるってご応募ください!
※次回は6月24日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。