'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
夏の福島開催リーディングへ22鞍の騎乗!
2022/7/22(金)
早いもので福島開催も最終週。ここまで開催リーディングできているだけに、ラストスパートを掛けたいところではあるが、今週は乗り鞍自体が豊富。自ずとチャンスはあるだろう。先日募った読者からの質問への回答を含め、意気込みのほどをご確認いただきたい。
土曜は久々のフル騎乗
——福島の今開催は今のところ12勝。是非ともこのまま首位を保ってほしいところですね。土日ともに乗り鞍が多めですが、土曜のライトブラーヴはいかがでしょうか。
初戦からセンスのいい走りをしてくれたのですが、もう少し力を付けて欲しいところ。ただ、もし雨が残るようなら厳しくなりそうですね。
——ロードオブシャドウは東京で騎乗されました。
ワンペースで不器用なタイプ。ワンペースな分、福島になるのは良さそうですが、コーナー4つになるのは厳しいイメージ。ただ、今の時季は周りのレベルも落ちてきますし、その点で弱点を補えればというところです。
——新馬のサトノウェーブやペイシャフェリは追い切りに乗られたようですね。
サトノウェーブは乗り込みもこなしていて、動きもそれなりでした。ただ、追い出してから体のブレがある分、実戦でどうなるか、気になるところです。ペイシャフェリも乗り込み量は豊富で、追い切りも動けていました。ゲートも速いようで気持ちの面もしっかりしていそうです。
——ウォーカーテソーロは距離短縮になります。
いいスピードは持っていますし、この距離でも対応してくれそうです。
——テン乗りになりますが、メインレースから安達太良Sのマイヨアポアはどうでしょうか。
競馬はどんな形でもできそうですね。気になる点でいえば自分から走っているよりは流れによって来ている印象もあるので、この忙しい条件でどう出るか、そこは気になります。
——日曜の2歳マイレーヌや3歳未勝利のデアリングヒューズとどうでしょうか。
マイレーヌは新馬戦でも乗りやすく、いい意味でクセがなかったです。デアリングヒューズは勝ち上がってほしいところ。スタートは出たり、出なかったりのようですが、前回はなぜかわかりませんが、出てくれませんでした。ただ、流れに乗れれば勝てておかしくないはずです。
——フォーグッドも惜しい競馬が続きます。
勝ち味に遅い面は否めませんが、前回は押っつけ通しでした。今回は再びブリンカーを着けるようですし、効果に期待したいです。
——ジュライSのニュートンテソーロは銀蹄S勝ち以来のコンビです。
勝ち方が良くてこのクラスでもと期待したいところですが、多少条件が噛み合ったり、ハマり待ちの面はありそうです。2走前にもこのクラスは経験しているものの、このコースはクリアして欲しいです。
——今開催はこのまま行けばリーディングもありそうですね。
ええ、是非獲りたいところです。どれも勝ちたいし、どこでもトップは獲りたいと思ってはいますが、ここまでチャンスのある立場のようなのでより力が入るものです。
先週は4勝で3週連続の4勝
——先週のレースも伺うと、ピュアブラッドはどうでしたか。
ゲートの中をジッとし切れず、後手を踏んでしまいました。道中も我が強くなっていて、押っつけていたくらいだった昨年に勝たせてもらった時と違いました。前走も東京では走れていたようですが、持って運べるくらいの距離の方が走り易そうです。
——エテルナメンテは惜しい着差ではありました。
いいスピードはありますし、自分のリズムで行けたのは良かったです。理想を言えば馬場がもう少し乾いて欲しかったです。
——エレボアブランシュは3歳勢が上位を独占する結果とはいえ、道中の手応えがしぶかったですね。
終始、手応えは怪しいですね。もう少し持っていける条件の方が合っています。ワンターンの方が合う印象です。
——ウィルソンテソーロは前走と行きっぷりが変わっていましたね。
返し馬からグイグイとした行きっぷり。一度使ったことでずいぶんと違いましたし、もっと距離を詰めて良さそうです。
——新馬のレイカットスルー、ホウオウジュビリーはどうでしたか。
レイカットスルーはスタートも速くて、流れに乗れましたが、もう少し距離があっても良さそうです。ホウオウジュビリーは非常に一生懸命で、距離は詰めて良さそう。ひとまずはマイルくらいで良さそうです。
——カゼノタニノアヤカは久々のダートでもこなしていましたね。
内容はすごく良かったと思います。終いも伸びていましたし、こういう条件で安定してくれそうですよ。
——ヴァーンフリートは惜しい競馬でした。
イメージ通りだったのですが。動き切れていない面もありましたし、一度叩いたことで次はさらに良さそうです。速い脚というより、こういう長く脚を使う条件は合っています。
——新馬のシナジーエフェクトやヤングローゼスはどうでしょうか。
シナジーエフェクトは前もやり合ってくれましたし、いい位置で運べました。終いもしっかりしていましたね。ヤングローゼスは馬場に脚をとられていましたし、1週前追い切りの時点でもう少し動いてほしいところはありましたからね。使った上積みに期待です。
——モントブレッチア、ラジエルと同じコースの未勝利戦を連勝でした。モントブレッチアは1コーナーから外に出す意思が窺えました。
1枠でしたし、ハナの後ろにつけたかったです。3列目は嫌だったですし、スペースがありましたからね。上手くいきました。
——ラジエルは完勝でしたね。
状態が良かったですね。スタートもよく気持ちよく走っていましたし、最後も反応してくれました。
——最後に読者からの質問です。「競馬の日のモーニングルーティンはありますか?」とのことです。
起きたら風呂に入って、若干ですが、体重の調整をして朝食を摂ります。あとは部屋でストレッチですかね。ストレッチも地方競馬時代とは内容も変わっていますが、10~15分くらいでしょうか。
——続いて「最近はデビューしてすぐに活躍する若手が目立ちますが、何か要因を感じることはありますか」という質問です。
やっぱりデビューしてすぐに急激に上手くなるなんてことはないので、デビュー前の時点での準備や経験が豊富になったんだと思います。学校での指導はどんなものか全くわかりませんが、そこも変わったのかもしれませんね。(岩田)望来なんかも藤原(英昭)先生の基でしっかり教え込まれたり、競馬学校に入る前から馬術もしっかり習ったことが活きているんじゃないかと思いますからね。
——さて、次週からは新潟開催ですね。月並みな質問ですが、意気込みはありますか。
いつも通りですけどね(笑)。あとは夏の新潟開催といえば、リーディングになるとお米がもらえるので狙いたいです。おそらく全て新潟で乗ることになりそうですからね。
——今週もありがとうございました!
ありがとうございます。
※次回は7月29日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。