'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
1月27日時点1583勝
祝・福島リーディング獲得!続く新潟もトップ目指す
2022/7/29(金)
先週をもって終えた夏の福島開催は14勝を挙げて昨年に続いてリーディングに輝いた。今週から舞台は変わるが、これ以降の夏競馬は新潟に腰を据えて臨んでいくという。今週、来週と2場開催のため熾烈な争いは否めないが、連続リーディングへ向けて、再びスタートだ。
土曜メインではエポカドーロの弟と初タッグ
——今週は新潟、札幌の2場開催ということもあり、乗り鞍は控え目になりますが、週末の騎乗馬から伺っていきたいです。土曜のサトノウェーブは連闘になります。
ダートがいいかなと思う面もあるのですが、追い切りに乗った際から道中は抱えて、終いで伸ばしたいというイメージを持っていました。福島だとコーナーで忙しいですし、馬場も荒れていましたからね。開幕週のワンターンになる分で変わり身があればと思います。
——新馬のモリーダーリンは1週前追い切りに乗られました。
いい動きでした。楽しみですね。精神的にも落ち着いてゆったりしていましたし、開幕週の馬場にも対応できるんじゃないでしょうか。
——関越Sのキングストンボーイは追い切りに乗られたのが初騎乗ですね。
もともと能力は示しているでしょうし、どんな競馬をしてくれるか、楽しみです。ただ、気性が邪魔している面があったり、まだ体の緩さはあるのでそこがどう出るか、ですね。
——半兄とは違うタイプでしたか。
エポカ(ドーロ)とは違いましたね。エポカの場合は扱いが大変だったそうですが、乗ってからは問題なかったですから。そういう面でいえば、潜在的に気性の課題を抱えているといえばタイプは近いのかもしれません。あとはあんまり馬場が速くなるとどうか、という感覚はあります。
——日曜のシーズンリッチも追い切りに乗られたそうですね。
大きくてゆったりとした印象。体の緩さもあるので使いつつ良くなってくれればと思います。
——出雲崎特別のセラフィナイトはどうでしょうか。
安定して走ってくれる反面、もうワンパンチというタイプですね。
今週はレース回顧もタップリ!
——今週は復習、回顧の話が多くなります。福島リーディングはおめでとうございます!
ありがとうございます。目標としていたことなので、ひとまずは良かったです。ただ、もう少し勝てたと思いますし、納得できている訳ではありません。それでも、今年は昔ほどじゃないにしてもお客さんが入ってくれたことで活気のある光景が戻ってきたことは何よりでした。
——個別のレースについて伺うと、アメカテソーロは出遅れたものの、ペースを考慮するとむしろ良かった面はあったのではないでしょうか。
ただ、あれだけ出負けしてしまうのは良くないですね。その中でも内枠からリカバリーも利きましたし、終いもしっかりしていて内容的な進境はあったと思います。
——ペイシャフェリは他の先行馬がつぶれていることを思えば負けて強し、だったのではないですか。
そうですね。ただ、新馬にしてはペースが速くなってしまったので、もう少し息を入れられれば理想です。
——ローゼシュティアは間隔をとって福島を狙ってきたように感じましたが、どうだったでしょうか。
イレ込みが目立ちましたね。ゲートも落ち着かなかったです。非力な面も残っていて、ロスのない競馬ができればという感覚でした。先週の馬場で内枠というのも堪えたように感じます。
——ウォーカーテソーロは距離を短縮して臨みました。
希少的には1200mが合いそうなところですが、体がついていかなかったですね。結果的に見立て以上に忙しかったです。
——スウィートブルームはこの血統らしく荒れた馬場でも難なくこなしていました。
正にその通りですね。馬場にひるむことはなく、ハミもグイグイとっていきましたから。
——ブルーカルセドニーは先週土曜の馬場で大外枠、あの脚質。しかも他馬の動きで余計に外を回らされて苦しかった印象です。
気性に難しいところがありましたね。条件が良ければもっと上の着順に来られそうですが。
——マイヨアポアは勝負圏内には位置したものの、最後は適性の差でしょうか。
イメージ的には東京1300や1400mかなと思っていましたが、それなりに対応できました。ただ、勝ちパターンに持ち込めたと思ったものの、タメが利いていなかったんですね。あとは強いていえば緩さも残っていたように思います。条件が変われば、このクラスでも勝ち負けできると思いますよ。
——カトゥルスフェリスはどうだったでしょうか。
全体的に馬が走っていないですね。馬場もあると思いますが、気性面の課題も出てしまったかもしれません。
——デアリングヒューズは1番人気ながらも着順を落としてしまいました。
スタートは速かったのですが、トモの踏み込みがいま一つ。あのスタートの出方なら流れに乗っていけるはずですからね。この時季ならではですが、詰めて使った分の疲れがあったかもしれません。
——コレオグラファーは観ての通りの不利がありましたが、不利がなかったらどうでしたか。
いや~手応えは良かったんですけどね。ゆったりとした走りで、体の緩さもあったのですが、反応も良くいい感触。マトモだったらどうだったかな、と思うくらいです。いい争いはしていたでしょう。
——アウクソーは完勝でしたね。
いい内容でしたね。あとは精神的な面が今後どう出てくるか、ですね。今のところ前進気勢が強過ぎるところがありますから。
——フォーグッドはどうでしたか。
再ブリンカーでしたが、効果は薄かったですね。馬場も合わなかったですし、綺麗な馬場で上がりが懸かる方が合いそうです。
——ネイリッカは田辺騎手と競り合う珍しい形でした。
あの馬にも乗せてもらったことがあって、やり合う形にならなければいいなとは思っていました。しかし、こちらの方が出てしまったことで切り返すこともできず、引くに引けない形でした。あの流れで行って、粘っていますし、勝てる能力はありますけどね。
——コーナーでは外に膨れるところがありました。この馬は以前もあったと思いますが。
ペースが速くて苦しかったのもありますけど、確かに膨れていましたね。
——ゼンカイテンは速い馬だらけだったとはいえ、距離が長かったですか。
先ほどのマイヨアポアと似た感じで脚が溜まっていない感はありました。
——ニュートンテソーロはどうでしたか。
難しいですね。オンかオフかというタイプですが、今回はオンになるところがなかったです。ハミを取ると取り過ぎてしまう、という面があるので控えて乗ったものの、最後に仕掛けた割に走り切れていないです。
——ジョーブリッランテは馬場的に合いそうな感触はあったのですが。
小倉遠征の後なのか、元気がなかったと思います。
——今週も読者からの質問です。「最近、コラムでも話題になっているヘアスタイルの件ですが、ヘアスタイルを変えるきっかけが何かあったのでしょうか?」とのことですが、髪はもう切られていましたね。
そうなんです。さすがに暑くて参りました。また季節が変わったらトライしたいです。キッカケとしては行っている美容室を変えたことなのですが、もともと天パで自分としては伸ばせないと思っていたんです。それが聞いてみたら「伸ばせる」とのことだったので伸ばすようにしました。もともと世間的にも髪が長い人が増えていませんか?騎手なら松岡(正海)なんかもやっていて、トライしたくなりました。
——「レース前にファンファーレが鳴った時、どんな気持ちになりますか?」という質問はどうでしょうか。
その時々の感情はありますが、ファンファーレがスイッチになることは少ないように感じます。
——「昼間の競馬と、ナイター競馬ですと、外の明るさなど色々な違いがあると思うのですが、最も違うところはどんなところでしょうか?」という質問はどうでしょうか。
視界ですかね。自分の場合、ナイターでサングラス式のゴーグルは絶対にしません。ただ、僕はもともとナイター競馬出身というくらい他の騎手より(大井競馬で)ナイターを経験していたので、人より慣れているかもしれません。
——「競馬用具のお手入れで、1番大変な物は何でしょうか?」という質問です。
やっぱりズボンの汚れですかね。あとは自分の場合、馬具が革じゃなく合革なのでそこまで手入れが大変じゃないんですよね。
——今週は以上となりますが、以前、お伝えした通り、総代表を務める剣道道場の川崎真道館(https://kawasakishindokan.amebaownd.com/)ではブログもやっていらっしゃるそうですね。
僕が書いているわけではありませんが、たまには自分の話題も載ることがあると思います。
——ということで、ブログの方もチェックいただければと思います。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は8月5日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。