'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
テン乗り多数でも期待馬の多いラインナップ
2022/8/19(金)
3回開催の皮切りとなった先週は4勝をマーク。福島へ続く夏のリーディング獲得へペースアップを図ることができた。残す3週間、さらなる勝ち星加算を狙いたいところ。今週は調教を含めても初騎乗というパートナーも多く、天候も不安定。未知な面もあるものの、引き続き勝ち星の加算を狙いたいところだ。
今週は18鞍の騎乗!
——今週の新潟は重賞が行われませんが、なかなか楽しみな馬も多そうですね。
そうですね。ただ、追い切りも含めて乗ったことがない馬が多いんですよね。
——話せる話題は限られると思いますが、よろしくお願いいたします。まずは土曜の瀬波温泉特別からトモジャリアはどうでしょうか。
僕としては前回の2100mで勝ち切れませんでしたし、1800mになるのはいいんじゃないかと思っています。厩舎としては勝負所で集中力を欠く面があって2100mがいいと思ったそうなので、その辺りをケアできればと思います。テンションが上がりやすいところがあるタイプですが、当日の気配も重要にはなりますね。
——日本海ステークスのスルーセブンシーズはオークス以来の騎乗です。
バネもあってしっかり体を起こして走れるイメージ。当時はまだ非力な面があったのですが、成長できていればと思います。内回りコースも合うのでは、と思います。
——日曜のヤングローゼスは2戦目になります。
先制から聞いたところ追い切りの動きは変わってきたようなので、使って良くなっていることに期待したいですね。
——スペンサーバローズは1週前追い切りに騎乗されたそうですね。
気持ちも前向きでしっかりとした脚取りでした。追い切りもしっかりこなしてくれましたよ。
——フォーグッドは初勝利が目前という戦歴ですが……。
もう一歩なんですけどね。もう少し気持ちがあればいいのですが。あまり雨も良くないし、時計が速くなるのも良くないという印象です。
——阿賀野川特別のレベランスは久々の騎乗です。
僕が乗せてもらった頃は追いっぱなしだったのですが、最近はハナに行けたりと気持ちも乗ってきたようですね。
先週は4勝をマーク
——先週の競馬では関屋記念(G3)のザダルはどうでしたか。
イメージ通りには乗れたと思います。伸びきらせて走らせたくなかったですし、しっかり体を起こして乗ってほしいという話。しっかり出して、道中はその通りに乗れました。ただ、追い出してからは伸びたようになっていましたし、斤量差もあったかもしれません。結果的には距離ももう少しあっていいのかもしれませんね。
——ストーリアは3連勝となりました。
前走から成長がどれくらいあるかと思いましたが、しっかりしてきた印象です。
——先週の話では新潟の外回りよりは長く脚を使うタイプといったお話もありました。
それが思った以上に速い脚も発揮してくれたと思います。スタートしてからトモの入り方など成長がほしい面は他にもありますが、どれくらい伸びてくれるかですね。
——クロジシジョーは新潟コースに対応できるのか気になりました。
状態も良かったのでしょうね。スタートも速くて、先行馬の後ろで立ち回れました。乗り易かったですよ。
——ホウオウバリスタは成長があればとのことでしたが、今回は休み明けと言う面が影響したようですね。
返し馬から重たさを感じました。展開が向いた面は否めませんし、もう少しハミをとってほしいところ。体的にも使った次回以降の方が良さそうです。
——ヒシルリアンはまだ緩さが目立つという話でしたが、結果は勝ち切れましたね。
緩さという印象は変わらずでしたよ。ゲートも出て、展開も向いてくれましたね。
——マイネルシトラスは本来予定していた馬から急遽乗ることになったと思いますが、それでも好走。ただし、かなりスローでしたね。
1200mは忙しいかと思いましたが、対応できました。ただ、ペースの面もあったと思いますし、理想は東京の1300や1400mじゃないかと思います。馬も立派な馬体ですぐにチャンスは回ってきそうです。
——千直コースは道悪になると外枠優勢なんて聞きますが、ファイアダンサーは内枠から健闘しましたね。
それほど馬場に苦にしていなかったですね。もう少し行きっぷりがほしいし、勝ちにいった時にもうワンパンチがあるのかというと、ちょっと足りない面はあるかもしれません。それでもこのクラスで安定した走りをしてくれるんじゃないかと思います。
——それにしても先週は天気予報がコロコロと変わり、ファイアダンサーの一つ前のレースで急な雨がありましたね。
ちょうどそこは乗っていなかったのですが、凄かったですね。ただ、水はけがイイんでしょう。むしろクッションという意味ではちょうどいいくらいに感じました。
——ベルカノアは勝ち馬が手強いと戦前からわかっていたかと思いますが、ここでも好走しましたね。
相手は強かったですね。ただ、勝たせてもらった時より安定して力もついていますね。気持ちのオンオフに課題があったり、距離は少し短い方がいいかと思いますが。
——ハイハローは結果的には完勝という着差でした。
力があるのはわかっていました。まだバランス的に傾いているところがありますし、重心的にももう少し安定してくれれば楽しみです。
——ヴゼットマシェリは2着でした。
返し馬からいい走りをしていましたよ。距離的にはこんな条件が合いそうです。
——ファイナルヒートはこのペース、この枠であのスタートだと苦しくなりますね。
勝っていい素質を持っているだけに勿体ない競馬でしたね。あとは捌ける展開であれば、というところでした。
——エリカキルシェはダート替わりでも、ただ、勝ち馬はもっと前で運んで厳しいペースを押し切っていたことからすると差を感じる内容でした。
距離がこれでも長そうですね。体力的にももう少しついてきて欲しいです。
——新潟開催も勝ち星のペースが上がってきただけに今週もさらに期待したいですね。また次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は8月26日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。