'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
3日間開催はセントライト記念のラーグルフなどに騎乗!
2022/9/16(金)
秋競馬開幕週の日曜は3勝含む6連対と見せ場。そして、年間100勝の節目にも迫ってきた。さらにメモリアルという点でいえば、JRA通算1300勝の大台も見えてきたところである。ご本人からのお知らせも含め、秋競馬に懸ける意気込みのほどをご確認いただきたい。
今開催中の達成なるか?年間100勝の節目へ「8」
——今週は3日間開催ということですが、計22鞍の騎乗ですね。いつも通りとなりますが、騎乗経験のある馬を中心に語っていただければと思います。土曜のパルフュメは新馬で騎乗して、追い切りにも乗られたようですね。
新馬でも乗り易くいいスピードを感じました。ただ、追い切りでは線の細さを感じましたね…。前走はそう感じることもなかったですし、一度使った上積みという点では気がかりです。
——新馬のリマスタリングはどうでしょうか。
ポテンシャルはありそうです。体が伸びて走っているところがあるので、実戦にいってどうなるかがポイントになりそうです。
——セブンデイズは中山に変わりますね。
どんな競馬にも対応できそうな印象。中山に替わってもこの距離ならいいんじゃないでしょうか。
——御宿特別のレーヴドゥラプレリや初風Sのメズメライザーはどうですか。
レーヴドゥラプレリは中山でも勝っていますし、コース自体は合いそうです。ただ、こちらも伸びて走ってしまう分がどうか、です。メズメライザーはこのクラスでもやれるのではないかと思いますが、モマれ弱さもあるようなので、枠や枠の並びがカギになるかと思います。
——日曜のルーラルハピネスは追い切りに乗られていましたね。
素軽くて体も使って走れる印象です。しっかり仕上がっているとも感じました。
オレンジフィズは乗せていただいた当時は馬場が緩くて、ああいう条件だと走れないタイプの様子。今の馬場になるのは良さそうです。ウラカワノキセキは1勝クラスで強い勝ち方をしていますし、時計もありますからね。楽しみですよ。
——月曜ではエリカキルシェやメタルスピードの2歳勢は引き続き乗られます。
エリカキルシェはもう少し体力をつけてほしいことは事実です。メタルスピードはポテンシャル自体はあると思うのですが、手前を替えてしまうような面もあるので、もう少し成長してきてほしいですね。
——ホウオウバリスタは休み明けでも健闘しましたね。
休み明けで重たさもありましたが、展開が向いてくれたことが大きいですね。ただ、一度使った分の上積みに期待できそうです。
——セントライト記念(G2)ではラーグルフに騎乗されます。
前走も強い勝ち方をしてくれました。精神的な成長があったことが結果に結びついたのかなと思います。新潟よりも中山に替わる点も良いと思いますし、相手が強化されますが、上位を目指したいですね。
先々に期待が膨らむ新馬が登場
——先週の競馬では京成杯AHのルークズネストは入線後に歩様が乱れてしまったようですが、セプテンバーSのゼログラヴィティは休み明けながら健闘しました。
追い切りはいい時と比較するとひと息で、返し馬でも物足りなさも感じました。ただ、気持ちのある馬だけに走ってくれたのでしょうね。いい頃のデキであれば最後も差し切っていたと思います。先生に聞いたところ、レース後に馬も堪えていたようで、それだけ頑張って走ってくれたのだと思います、
——エピファニーは少頭数かつスローでしたが、着差以上の力差だったのではないでしょうか。
折り合いがポイントだと思っていました。ただ、今回は普段からおさまりが利いていたようでレースにいってもリズム良く運べました。直前も力強さがあって、未勝利の時より成長を感じました。馬も気持ちよく走ってくれたのだと思います。
——サトノレギオンは開幕週の馬場でなければ差し切れたのではないでしょうか。
ただ、こちらも追い切りではトモの緩さをかなり感じていました。レースでは半信半疑な面もありましたし、それでも走ってくれましたけど、もう少しトモが良くなれば勝機は近いと思います。
——リトルポピーは勝ち馬とは着差もありましたが、昇級でも走れましたね。
モマれるとモロいところはあるようですが、成長を感じました。このクラスでもやれそうです。
——そして、ダノンゴーイチですが、なかなかのインパクトがありました。
そう思います。ケイコでもいい動きでしたし、実戦にいっても良かったですね。
——気の早い話ですが、今後の適性はどうなりそうでしょうか。種牡馬のイスラボニータ自体は最終的に短い距離にシフトしたものの、3歳時はクラシックにも挑みました。
今のところはマイルくらいまでかなと思います。気性は特に問題はなさそうですし、危ないシーンがありながらも影響されることなく走ってくれました。
——ファイナルヒートはどうでしたか。
前走の失敗を取り返せたと思います。いい内容でしたね。
——紫苑S(G3)のライラックは後方から捲ってきた馬と、前にいた馬が外に張るタイミングがこの馬にとって悪かったでしょうか。
もう少し自分から動いていければ良かったですね。向こう正面で自分からポジションを押し上げていった方が良かったと思います。あの馬場ですし、あまり外を回すのも嫌だな、という意識もありましたが、結果的には動いて良かったと思います。ただ、馬自体は落ち着いてレースに臨めたのは良かったですし、ゲートも落ち着いていました。上手く流れに乗れていた点も良かったですね。
あとは一度使ったことでテンションが上がらないか、といったところが今後の課題になるかと思います。馬場自体はどうしても後ろからになりやすいだけに差しが利くコンディションの方がいいのですが、時計の出やすい軽い馬場自体には問題ないタイプだと思います。
——グルーヴビートは狭くならなければ差し切れましたね。
映像を見る限り、ワンパンチ足りない印象を抱いていた分、少し待って乗るくらいが丁度いいタイプかと思っていました。それだけにもっと早めに外へ出していればよかったですね。ただ、ペースが流れる展開は合うと思いました。
——バンドネオンはなかなか変わってこないですね。
能力的にはやれそうなのですが、精神的に競馬に集中できないですね。ブリンカーはもう着けていますし、使いつつ良くなってほしいです。
——今回は全体的にまんべんなく伺う形ですが、今回は戸崎さんからお知らせがあるそうですね。
勝った時に馬主の方々へゼッケンを入れてお渡しする勝ち袋といいますか、エコバックを新調しました。僅かではありますが、読者の皆様にも提供したいと思います。
——勝ち袋にサインを入れていただきました。応募方法はその内、発表いたしますのでお知らせをお待ちください。今週もありがとうございました!
ありがとうございます。
※次回は9月23日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。