'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
開催最終週は土日中山で10鞍の騎乗
2022/9/30(金)
今週で中山開催も最終週。といえば、スプリンターズSが行われるのは例年通りではあるが、残念ながら今年は騎乗馬に縁がないことに。他にも2場開催という状況や、回避・除外などで騎乗数は少なくなってしまったものの、健闘を期待したい週末だ。
今年は残念ながらスプリンターズSの騎乗はなし
——中山での影響はそこまでなかったと思いますが、先週も台風により、道悪での開催。特に芝は道悪ながらも良馬場のような状態だったんじゃないでしょうか。
本当にそうですね。3、4コーナーこそぬかるんでいましたし、硬さもない割には時計が出るといいますか……。コース替わり週とはいえ、なんでかな、というところはありましたね。基本、内目が良いですし、時計も速いですから。速いということは基本的にコースロスが堪えますよね。
——今週末は晴れそうな予報ですが、となると、引き続き今週も、となりますか?
開催最終週ではありますが、また仮柵も動きますし、内有利じゃないかと思います。
——枠順なども重要になりそうですね。まず今週は土曜のサンタアナテソーロからどうでしょうか。
いいスピードがありますし、レースは上手な印象です。一度使った上積みからもいいんじゃないでしょうか。今の馬場も合いそうですね。
——芙蓉Sにはゴールデンハインドに騎乗されます。
まだ若さがあって先には行けているものの、自分からという気性ではなかったですね。理想をいえば時計が掛かる馬場が向きそうです。
——乗られたことのない馬は話題にしていないのですが、秋風Sのヒメノカリスは印象としていかがでしょう。
中山で走れていますからね。コース適性に期待したいです。
——日曜のヴァンヌは地方から移籍して3戦目になります。
ペースに戸惑っていた印象ですし、2度使ったことがいい経験になってほしいですね。
——キントリヒは中山実績がありますが、どうでしょうか。
こちらもこの条件を走っていますし、改めてといったところですが、やっぱり時計が掛かってほしいタイプではありますね。
——茨城新聞杯のトランシルヴァニアは福島で勝たれました。
乗り易い馬でしたね。レースも流れに乗って、しぶとい内容でしたが、ゲートで遅れたり、気持ちが乗らなかったりとムラなところもあるようです。念のため気を付けて臨みたいところです。
ライバル馬の騎乗経験が裏目に出てしまったオールカマー
——先週のレースでは、オールカマー(G2)のヴェルトライゼンデはどうでしたか。
いい馬でしたね。ただ、返し馬では緩さも感じました。枠は良くてポジションを取りたかったのですが、思ったほどうまく行かず、内に行ってゴチャつくのもどうか、といったところでした。あとはソーヴァリアントの後ろであの馬についていければと見ながらの競馬。それが心房細動ということで早々と下がってきてしまい、それをパスするのに下がったところでテーオーロイヤルも出てきて苦しい形。本来は内から抜け出すような形も採れるタイプだと思うので痛かったですね。
——ソーヴァリアントにも騎乗したことがあるから、ある程度、マークする形にもなるのかなとイメージしていました。
そうですね。あの馬も走った上で、こちらも上手く立ち回れればいい競馬になったのかもしれません。それに先週の馬場を踏まえても外々を回すよりも内に行きたかったです。タイプ的に我慢して、我慢して弾けるよりは、ジワジワ行きたかったのでこの馬の力を出せず、苦しい形でした。
——ディープリッチで勝たれましたね。
流れに乗れましたし、終始手応えも良かったです。反応良くて順当な競馬でした。
——エンライトメントは前走を踏まえるといい勝負になるかと思いましたが。
スタートは上手く出て、イメージ通りの立ち回り。道中もいい手応えでしたが、最後は道がなくて勿体ない競馬でした。手応え的にも、もう少し距離が短い方が弾けるように思いました。
——レイカットスルーは前走と同じ少頭数の外枠でした。
懸念していた気持ちの盛り上がりがありましたね。ただ、負けはしましたけど、こういう競馬ができたのは収穫でもあります。
——ヴァーンフリートはアレっという競馬でしたがどうでしたか。
前走はハミに乗っかかってくるくらいだったのが、今回は重心が起きて上手くまとまっていたものの、逆に反応がなく意外な競馬。原因が難しいところですね。
——新馬戦は3鞍に騎乗されていましたね。
デルマオクリダシはワンペースな印象ですね。使いつつ良くなってくれればという雰囲気。ホウオウプレシャスは芝に行って良さを感じましたが、まだ体に余裕を感じました。プレミアペガサスはダートが合いますが、まだ体の割にフットワークが小さくて、体を使い切れていない印象です。
——次週からは東京開催が始まります。秋華賞(G1)にはプレサージュリフトで挑まれることも発表されましたね。また、以前、福島で勝たれたゴッドファーザーは本来であれば今週の芙蓉Sを予定していましたが、復帰は少々遅れたようですね。新馬勝ちしたダノンゴーイチはアイビーSのようですね。
その予定です。次週の3日間開催は東京になるので何とか結果を残していきたいです。
——今週もありがとうございました!
ありがとうございました。次週もよろしくお願いします。
※次回は10月7日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。