'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
先週はJRA通算1300勝達成!今週はヒートオンビートで重賞獲りへ
2022/11/4(金)
先週は天皇賞の騎乗こそ叶わなかったものの、2勝を挙げて節目の勝利をマークした。外国人騎手が増える最中であり、騎乗機会の確保も楽ではないだろうが、更なる勝ち星加算を期待したい。
アルゼンチン共和杯はヒートオンビートと再コンビ
——今週は土曜の騎乗馬から伺っていければと思います。土曜のマイショウチャンやアマレロフレイバーはいかがでしょうか。
マイショウチャンの前走は進路がなく、追えないところがありましたからね。100m距離は変わりますが、この条件は合っていますし、今度は結果を出したいです。アマレロフレイバーはひと息で走ってしまうところがありました。距離も短くなるのは良さそうですし、もう少し上手に走ってほしいですね。
——アイスマンはクラス再編成直後でも3歳相手に好走した実績があります。
堅実な反面、もうワンパンチという面は否めませんが、ロスなく運べば当時のような走りが期待できそうです。
——神奈川新聞杯のサクセスローレルやノベンバーSのエピファニーはどうでしょうか。
サクセスローレルは一度、乗せてもらった時もいいスピードを感じました。理想をいえば1400mがベストかと思いますが、昇級でもやれそうな感触はあるのでどこまで踏ん張ってくれるか、でしょうか。エピファニーはまだ底をみせていませんね。折り合いが重要になるかと思いますし、道中のリズムは意識したいです。
——京王杯2歳S(G2)のフロムダスクはテン乗りですが、いかがでしょうか。
新馬の時はいいスピードをみせていましたが、前走は出遅れて流れに乗れていなかったですからね。しっかりスタートが決まるよう心掛けたいです。
——日曜の百日草特別からヒシルリアンは新馬勝ちをしましたね。
新馬当時は一度使った方が良いように感じていましたが、スタートもよく楽な展開に持ち込めました。使って良くなりそうなタイプですし、どう変化しているか、楽しみです。
——錦秋Sのバトルクライは前走が強い内容だったように感じましたが、相手関係もなかなか揃った印象です。
前走は成長を感じる内容でしたし、今後へむけて期待が高まる内容でした。トビが大きいのでスムーズに走らせたいですが、昇級でも頑張ってほしいです。
——アルゼンチン共和国杯(G2)のヒートオンビートは昨年以来のコンビです。
能力はあると思いますが、乗せてもらった時は気性的な難しさも感じました。東京コースのスピード比べだとどうかと思いますし、タフな流れの方が力を出せそうです。
——ファロロジーは休み明け2戦目になります。
前走は体重が増えていた通り、休み明けの感がありました。使って良くなりそうですね。
JRA通算1300勝を達成!
——先週の競馬についてもお願いします。ケイサンフリーゼはどうでしたか。
結果論でいえば、1200mの方が合っていますね。それに馬場もパサパサでパワーを要求されるようなコンディション、センスで走っているタイプでもありますし、軽い馬場の方が合っていそうです。
——レモンポップは更に連勝を伸ばしました。
何も労せずして、勝ち切ってくれました。ハンデも一番背負っていましたし、この勝ちっぷりなら先々が楽しみです。この完食なら1600mに延びても対応してくれそうです。
——ヴェールアンレーヴは前走と相手関係がガラっと変わっていましたね。
その通りですね。この馬なりには成長しているのですが、現状では相手関係が厳し過ぎました。
——キングダラスは先週のコメントでは前向きに感じましたが、結果は伴わなかったですね。
返し馬の時点でまだ緩さを感じましたね。思っていたような変化を感じなかったですね。まだ体も緩くて追走が厳しかったです。
——アルテミスS(G3)のデインバランスはどうでしょうか。
一度使ったことで馬はドッシリしてくれましたね。テンションが上がる心配もありましたが、いい方向に向いてそうです。直線では道がなく、追い出しを待たされましたが、今後も成長してきそうです。
——アオイシンゴは惜しい結果でした。
休み明けながら道中もリズム良く走ってくれました。最後もしっかり伸びていますし、このクラスでもやれますね。
——キングサーガはどうだったでしょうか。
スタートが良いので、そのまま流れに乗っていくとラストがダラっとしてしまう、と聞いていました。2列目の中団という位置をあえて選択しましたが、いい走りでしたよ。ただ、勝ち馬が強かったです。
——ウォーカーテソーロは東京に戻ったものの、上向かなかったですね。
先ほどの馬と同様で乾いたダートが合っていない印象でしたね。
——シャンパンカラーは新馬勝ちでした。
思っていた通り、追い出してからの反応はモタモタしていましたが、エンジンが掛かってからのフットワークは良かったです。使って良くなりそうなイメージもありますし、次戦も期待したいです。
——今週は木曜にJBCがあるということで、いつもと違うスケジュールでのお話になり、駆け足でまとめさせていただきました。JBCスプリント(Jpn1)のスマートダンディーはどうでしたか。
外枠ということもあり、出たなりで終いを伸ばすイメージ。ただ、馬場が前残りとしてももうちょっと脚を使ってくれて良さそうでした。乗った分にはそこまで感じなかったのですが、状態面が思わしくなかったのかもしれません。
——次週は久しぶりに栗東トレセンへ行かれるそうですね。
はい、ドライスタウトの追い切りに乗せていただこうと思っています。
——そして、中山開催ではミッキーカプチーノに乗られるそうですね。
葉牡丹賞と聞いています。
——勝てば年末のG1への視界が開けますね。今後が楽しみになる馬も出てきていますが、次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。