'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
東京開幕週はレモンポップに重賞初勝利を!
2023/1/27(金)
今週から関東圏は東京に舞台が変わるが、開幕週を彩る重賞・根岸Sにはレモンポップとのコンビで挑む。過去9戦オール連対、東京ダート1400mでは無敗を誇るが、馬にとっても厩舎にとっても重賞初勝利が懸かるだけに力の入るところだろう。ジョッキーとしても、継続してコンビを組んできた馬との重賞挑戦が増えている最中、年明け初日に続く重賞制覇を期待したい。
ベスト条件になるレモンポップ
——今週から東京開催が始まりますが、まずは根岸S(G3)に臨むレモンポップが気になるところです。デビュー当初から高いパフォーマンスを見せてきており、重賞タイトルが待たれるところです。
条件はベストだと思いますし、あとは自分の走りさえすれば結果はついてくる馬だと思います。キッチリ走って、いい結果を残してほしいですね。
——1週前追い切りに乗られていましたね。
順調に来ていると思いました。展開は今までと変わるのかもしれませんが、違う形になっても対応できると思いますし、対応してもらいたいですね。何とか重賞タイトルを、と思っています!
——今週は騎乗経験のある騎乗馬が多い印象です。土曜前半戦のジャスリーやラスブリサスはどうでしょうか。
ジャスリーはデビュー前から追い切りで動ける印象がありました。1勝クラスでも対応してくれましたし、引き続き楽しみです。ラスブリサスは乗り味自体こそいいのですが、前回があれだけ外に張っていましたからね……。普通に走ってくれれば、という思いです。
——ゲンパチプライドとキングサーガは昨秋の東京以来になります。
ゲンパチプライドはひと息入れたことがいい方向に向いてくれればと思いますね。キングサーガは2走前、前回と乗せていただいて、前走は手応えがいま一つでしたからね。乗り方に工夫が必要なタイプだと思いますが、力を出し切れれば、このクラスでも通用する馬だと思います。
——日曜のマイショウチャンやメイテソーロも条件替わりで期待したい存在ですが。
マイショウチャンはこれまで話したように東京でこの距離になるのはいいと思うのですが、前回の行きっぷりは以前より悪くなったように感じたのが気がかりですね。メイテソーロは不器用ではあるものの、距離が延びるのはいいと思います。
——サトノスヴニールはデビュー前に追い切りに乗られていました。バルミュゼットもテン乗りですが、こちらは追い切りには乗られたようですね。
サトノスヴニールは非力な面がありましたが、気持ちの前向きさとセンスがありました。距離が短くなるのは良さそうです。バルミュゼットはこの条件なら安定していますね。展開やメンバーに左右されると思いますが、上手く引き出したいです。
——節分Sのベジャールは初のマイルです。
東京自体は合うと思います。体が緩いのでそこがどう出るか、ですが、マイルになる分で変わり身をみせてほしいですね。
——最終レースのサウンドウォリアーは昨秋の東京で2着がありました。
一度乗せてもらって前々でしぶとい内容。今回も同様の形になるかと思いますが、もう少し状態的に変わってくれればいいですね。
不安要素を対応したはずがエピファニーは惨敗
——先週のレースではアメリカJCC(G2)のエピファニーはどうでしたか。
課題としていた折り合いは随分良かったです。初めてと言ってもいいモマれる競馬も問題なかったです。ただ、走っていて掘れる馬場にバランスを崩した点は背腰の弱さを感じましたし、成長してほしいですね。
——ペース自体はスローでしたし、距離が延びたとはいえ、流れ的には対応できるのかと思ったので勝負どころからの下がり方は驚きました。
反応がなかったですからね。終わってから改めて考えましたが、ハッキリとした敗因はわからないものの、複合的な要素積み重なったように感じます。折り合いも違った意味でいえば、この馬としては覇気がなかったのかもしれませんし、脚をとられる馬場で消費したのかもしれませんからね。
——レーヴドゥラプレリは中山替わりで期待したところですが、意外な結果になってしまいました。
収まりが凄く良くなっていて別馬のようでした。位置取りなどの問題もあるとはいえ、弾けなかったですね。こういう走りなら東京でもいいでしょうね。中山の方がいい、と言ってきましたが、それくらい以前と変わっていました。
——スズハロームはコース替わりが堪えましたか。
前回とは変わってきていて、前回は流れについて行けず、遊び遊びだったのが、逆にしっかり走った分で血統的な面も出たのか、距離がもたなくなった感じでした。スタートも普通に出てくれましたし、いいのかと思いますが、難しいですね。
——ウラカワノキセキは流れもマイペースに持ち込んだとはいえ、好タイムを出していた2着馬も封じきりました。
走れればこれくらいやれていい馬だと思っていましたが、走ってくれるかどうか、でしたからね。良かったです。
——マオノアラシはアップダウンのペースだったとはいえ、全体的にみれば前残りの流れ。手応えの割に伸びきれませんでした。
この馬はダートの方が良さそうですね。
——ルルシュシュは1角の入り、3角以降とゴチャつきましたね。
スムーズだったらという走りでした。返し馬から感触自体は良かったのですが、不器用な面もあるので内枠も良くなかったと思います。
——クライミングリリーはどうだったでしょうか。
どうも走る方に気が向いていない雰囲気でしたね。馬場入りの時点からごねていましたからね。
——キャリックアリードは気の早い話ですが、今年の内に牝馬重賞に出走できそうな走りに感じました。
もう前回の時点で素質を感じていましたし、ここも負けられない思いでした。いい勝ち方をしてくれたと思います。
——マイネルサハラはブリンカーを外したものの、勝ち切りましたね。
上手に走ってくれましたね。前走は深いブリンカーに替えたことでひと息で走っていましたが、ここ最近、着けていたことで走る方に気が向いていたのだと思います。
——ラブロスピカはどうだったでしょうか。
もう少し伸びてくれるかと思いますが、距離も若干長くしていいのかもしれませんね。
——ここ最近は昨年、コンビを組んで成績を残してきた馬での重賞挑戦が目立ちますが、次週の東京新聞杯(G3)ではインダストリアに騎乗とのこと。この馬の場合は前回が再コンビという形でしたが、G1以来の東京マイルでの挑戦です。その他、重賞での遠征もまたあるかと思いますが、今週もありがとうございました!
ありがとうございました。
※次回は2月3日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。