'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
連日の3歳重賞など15鞍を予定!次週はフェブラリーS
2023/2/10(金)
1回東京開催の後半戦に差し掛かる今週はクイーンC、共同通信杯と連日、3歳重賞に騎乗。そして、次週はフェブラリーSでドライスタウトとのコンビが決定、既に栗東へ足を運び、1週前追い切りにも跨ってきたという。ここ最近は重賞での話題が多くなっているが、より盛り上がるような好結果を期待したい。
共同通信杯は縁のある血統馬に騎乗
——今週は土日ともに重賞での騎乗もありますが、いずれも実戦では初騎乗。どんな結果になるか楽しみなところですが、まずは土曜の騎乗馬からレース順に伺っていきたいと思います。テイエムスイスイとマイショウチャンは前走に続くコンビですね。
テイエムスイスイは惜敗が続いていますが、前走は違った競馬を試みてみました。レース自体は上手に対応してくれましたし、あれなら東京に戻っても良さそうな感触だけに、いい勝負をしてほしいです。マイショウチャンは上手くいった前走がひと息。いい頃より走りが変わってきているようにも思いますが、芝でいい面を出してほしいです。
——レイカットスルーは再びコンビを組むことになります。
初戦と2戦目は競馬のスタイルを変えても対応していたのは好感でした。1勝クラスでやれていい存在だと思いますからね。
——クイーンC(G3)のミシシッピテソーロはどうでしょうか。
先週、追い切りに乗せていただきました。比較はないものの、状態自体はいいレベルをキープできているんじゃないかと思います。むしろデキの波が小さいタイプかもしれません。センスが良さそうですし、競馬が上手な印象。器用さを活かしてほしいです。
——デルマグレムリンは2戦2勝の相性です。
前走は相手関係や展開にも恵まれましたね。1800mの方が合うタイプかと思いますが、自分の形に徹することができればと思います。
ラブロスピカは初戦が忙しく感じる面もありましたし、東京に替わった方が乗り易そうですね。ルルシュシュの前走は動けないところがありましたし、条件的にも東京になるのは良さそうです。
リニューはやや勝ち味に遅いのかもしれませんが、どこでも安定して走れそうですね。アトリビュートは新潟で好走した際も広いコースの方が合っている感覚がありましたし、広い東京ならば期待したいところです。
——ノワールドゥジェやジョンソンテソーロは複数回乗られてきましたね。
ノワールドゥジェは使いつつ力をつけたようですが、久々の面でどれだけ成長しているか楽しみ。ジョンソンテソーロは勝った時が鮮やかだった割にその後は気持ちよく走ることができていないように思います。デキの問題なら立て直せばどうにかなるのでしょうが、精神面の問題だと、どんな走りになるのか想像がし難いですね。それでも馬を鼓舞できるジョッキーであれば走らせられるのかもしれませんが。
——共同通信杯(G3)のシュタールヴィントもテン乗りです。
ありがたいことにこの兄弟は全頭乗せてもらっているんですよね。気難しさが共通するところかと思いますが、それでもラストドラフトやヒートオンビートは活躍していますからね。種牡馬が替わってどんなタイプか楽しみです。
今週も来週以降も追い切りのため栗東へ
——先週の競馬ではダルダヌスは東京になりましたが、4着でした。
ペース自体は東京になった分、忙しさも感じさせずについていけましたが、コーナーで外に張るところがあり、その分で伸び切れなかった感はありました。忙しくはなりますが、リズム自体も1200mの方が合っていそうですね。中山で巻き返してほしいです。
——東京新聞杯(G3)のインダストリアはどうだったでしょうか。
前半はリラックスしてリズムを保って走れていました。ただ、返し馬でもそうだったのですが、左手前でコーナーに入ると気持ちが入っていました。直線を向けば追い出すと耳を絞っていたり……。う~ん、随所に精神的な若さをみせていました。弥生賞の際も右回りながら気性の問題をみせていましたし、我が強いところがありますね。
——1番人気のリトルポピーはどうだったでしょうか。
以前は乗り易い印象だったのですが、ひと息で走ってしまいましたね。その時々でテンションの差もあるようで気難しさが影響してしまいました。
——マオノアラシはダート替わりでガラリ一変でした。
ダート替わりは良いとは思っていましたが、これ程変わるとは驚きましたね。強い内容でした。
——ファロロジーはどうだったでしょうか。
以前も乗せていただいていて走れる時とそれ以外のパフォーマンスに差が出やすいタイプだとは感じていました。楽な流れで先行できたとはいえ、今回は走れる時や状況だったのでしょうね。
——タイセイマーベルは人気を集めましたが、6着に終わっています。
不器用なタイプかもしれませんね。東京だったら2100mの方が走り易いかなと思います。
——スクーバーは残念ながら2着でしたね。
勝てたレースを落としてしまいましたね。スムーズに出て直線まではまともに運べましたが、進路がありませんでした。
——今週は栗東トレセンへドライスタウトの追い切りをつけにいったそうですね。
阪急杯やチューリップ賞もあるので次週も乗せていただくと思いますし、2週後も行くと思います。
——昨年から「総代表」に就任された剣道道場に纏わる活動にも出席されているわけですよね?
可能な限りしています。月曜と水曜ですか。
——とくに月曜だと休みたかったりしませんか。
いや、特にやることないですからね(笑)。もともと趣味らしい趣味もないし。
——ただ、それとこれと関係あるのかわかりませんが、総代表になられてから成績も上向いてきています。
そういう意味では、子供たちに何かを教えることで少しは責任感が出たのかな。でも、前にも話題にしたかと思いますが、昨年の毎日杯が大きいですよ。あれで吹っ切れました。
——馬のフットワークや枠順、極端なペースを思えば、窮屈な競馬になるのも致し方ない面もあったかと思いますが……。
でも、あれは本当に申し訳ない騎乗でしたね。きちんと乗れていれば勝っていたかどうかはわからない。けれども、情けなくて。あれで切り替えられた面はありますから。
——悔しさで寝付けないってスポーツであれば時にあると思いますが、それだけ悔しさがあった出来事が今に関してはいい方に出ているわけですね。
今の東京も取りこぼしているレースもありますけど、気持ち的にはスッキリして乗れていますからね。
——今週の競馬もありますが、まずは久々のG1勝利をということで次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は2月17日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。