'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
桜花賞へ向けてチューリップ賞はドゥーラと初コンビ!
2023/3/3(金)
先週は予定していた馬が回避するアクシデントがあった中での関西遠征となったが、今週はチューリップ賞から始動するドゥーラに騎乗するため阪神で騎乗する。既に重賞を制した実績の持ち主。追い切りにも乗りにいって状態の良さも確認済み。好結果を期待したい。また、ジョッキーからの「お知らせ」もお見逃しなく。
栗東トレセンで1週前追い切りに騎乗!
——今週は土曜が阪神、日曜が中山での騎乗。土日ともにクラシックのトライアルにも騎乗されます。まずはチューリップ賞(G2)のドゥーラから伺いたいですが、1週前は追い切りに騎乗されましたね。
追い切りでは乗り易さを感じましたね。比較が無いので成長度合いはわかりませんが、追い切りでは1週前なのでしっかりやりたいという話だったので、そこを意識しました。ただ、ビシっとやる必要がなくとも自ら動けていましたし、時計的にも十分。負荷の掛かった内容だったと思います。状態はいいと思いますよ。
——追い切りでの感触を踏まえると、タイプはどう感じましたか。
前走は出遅れていましたけど、もともとは普通に出られているようですし、正攻法でも競馬はできるでしょうからね。もう少し距離があってもいいんじゃないか、という感触はありますが、安定して走ってくれそうなタイプだと思います。前走も中央場所で対応していましたからね。精神的な面でも気になるところはなかったですよ。
——一昨年には牝馬3冠レースの一つを勝たれましたし、桜花賞路線は実績馬に乗られるケースも多かったと思います。そこと比較すると、どうでしょうか。
ええ、それらと比較してもいい素材だと思います。
——土曜の千里山特別からブラックシールドは以前にも乗られました。
昨年、勝たせてもらいましたね。当時は雨馬場でしたし、そこから間隔も空いているので、馬がどう変化しているかわかりませんが、安定して走っているようなので楽しみです。
——日曜のアグニレディアンスやブライテストドーンはどうでしょうか。
アグニレディアンスは東京1600mで乗せていただきましたが、1200mで走れているようにこの距離はいいのでしょうね。ブライテストドーンは前走でスタートが上手くいかず、不器用さもあって大味な競馬でした。追い切りは普通にこなしてくれたのですが、ゲート練習での雰囲気が良くなかったんですよね。使いつつ精神的に我の強さが目立っているのが気になります。
——メタルスピードは昇級初戦です。
競馬は上手で相手なりのタイプかもしれませんね。
——弥生賞(G2)は最終的にフォトンブルーに騎乗されることになりました。
乗れるチャンスがあって良かったです。血統馬のようですし、トライアルですから、何とか権利以上を目指したいですね。
ダートの素質馬と2連勝!
——先週の阪急杯(G3)ではショウナンアレスに騎乗されました。
本当はもっと流れに乗ってシブとさを活かしていきたかったのですが、ペースも速くあの位置からに。狭いところも割ってよく走ってくれました。
——マーガレットSは勝ち馬が強いと思っていましたが、ブーケファロスは先に仕掛けられたのでやったかと思いました。
後ろからになるとは思いますけど、いい切れ味を持っていますね。距離は1200mの方がいいと思いますし、末脚はいい武器になりそうです。
——ホウオウエクレールも接戦で惜しい結果でした。
大きな馬でどうしてもワンペースになりますが、タフなタイプですからね。こういう条件がなかなかなくて力を発揮できる状況が限られるでしょうが、今後も持ち味を活かせればいいですね。
——ミスティックロアは初出走でした。
トビが大きくてワンペースに感じましたが、これは使って変わりそうな面もありそうです。精神的な不安が出ないといいかなと思います。
——カンザシは惜しい2着でしたね。
調子の良さを感じる内容でしたし、調教師からも「前回より状態はイイ」と聞いていた通りでした。レースもいいリズムだったのですが、追い出してから気の難しさを少し出していましたね。
——エンペザーは初コンビでした。
ゲート内がうるさくていいスタートが切れず。本来ならハナに行った方がいいのでしょうね。
——デコラシオンも接戦。何とか勝ち切りました。
馬の調子は凄く良かったです。手応え良く自ら走ってくれました。最後は先頭に立ってからソラを使っていましたが、もともとそんな気性のようですからね。今後も勝ち切るのは難しさが残りつつも、相手なりに走りそうです。乗せていただいていた(兄の)サトノキングダムと似ているところはありますね。
——ローズピリオドはどうだったでしょうか。
これは休み明けが影響しましたね。馬はいい馬でしたよ。
——オメガギネスは相当な勝ちっぷりだと感じて、この馬の話を聞くのが楽しみでした。
期待通りの走りをしてくれましたね。道中は厳しいレースぶりで、「アレ?」というところがあったのですが、あそこの位置から交わせるのですからね。
——なかなかあの位置から差し切った上に、あの時計ですからね。
ダートでああいう展開もなかなかないからね。
——しかし、ユニコーンS?ジャパンダートダービー?といった文字が浮かびませんでしたか。
本当に楽しみですね。コーナーは4つの方が競馬はし易そうですが、能力があるのでワンターンでもこなせそうです。
——モリーダーリンとレッドバレンティアと1番人気勢はどうだったでしょうか。
モリーダーリンはブリンカーを外しましたが、ペースも遅く、この馬のリズムはとれました。ただ、追ってから浮いてしまいますね。レッドバレンティアは感じるモノはありましたよ。上手く行ったと思ったのですが、勝ち味に遅いあたり、気性なのかもしれませんね。
フォードテソーロは今までと違う形でモロさが出ましたね。リリージェーンは乗り易かったですよ。スピードはありますが、もう少しパワーもほしいところです。ただ、安定して走れそうですね。
——先週はサウジカップデーが行われましたね。
後から映像でみました。吉田豊さんは本当におめでとうございます!という結果でしたし、矢作先生は改めて凄いなと思いました。自分もサウジでは乗せてもらったことはありますが、同じダートと言っても芝馬が走れるくらいの方が合うダートですからね。芝で走っていた馬が好走するのも頷けました。
——今週は以上になりますが、ありがとうございました!
ありがとうございました。
そして、最後にお知らせです。戸崎圭太騎手がJRA通算1300勝を達成して折り畳めるエコバックを作成されました!戸崎騎手からの御好意により、直筆サインで若干数提供いただきました。応募方法は近日、お知らせいたします。
※次回は3月9日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。