'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
連日中山で3歳重賞に騎乗!
2023/3/17(金)
先週はハナ差の惜敗も続いたが、今週は引き続き中山での騎乗となる。久々に雨の影響もありそうな週末だが、フラワーC&スプリングSと3歳重賞にも騎乗。無事に開催ができたことも何よりだが、好結果を期待したいところだ。
土日ともに関西馬&初コンビで重賞へ
——今週も中山での騎乗になりますが、土曜の騎乗馬から順に伺っていきたいと思います。まずリリージェーンは前走でも2着でした。
凄く乗り易かったなと感じました。スピードタイプで小柄でもあり、脚抜きのいい馬場になるのも良さそうです。
——フラワーC(G3)のドナウパールは未勝利勝ちからの重賞挑戦です。
血統もいい馬ですし、前走も強い内容でしたね。口向きの難しさなどは乗ってみないとわかりませんが、あとは馬場状態が課題でしょうか。見た目の感覚ではあまり馬格があるように見えなかったので渋り過ぎない方が良さそうな印象です。
——カンザシの前走は惜しい結果でしたね。
昇級しても惜しい内容でしたね。気性が多少難しいですが、スムーズな競馬ができればと思います。
——日曜のサルモンは昇級初戦です。
スピードタイプでこの条件も合っていましたね。伸びしろがあるでしょうし、楽しみです。
——イルチルコは惜しい結果が続きます。
以前に乗せていただいた時は器用さに欠けて、ワンペースといった印象。決め手ももう少し欲しいようには思いましたが、惜しい競馬は続いていますからね。
——レーヴドゥラプレリは前回が意外な結果に感じました。
中山は合っているはずなんですけどね。前走は妙に乗りやすくまとまってしまい、その分、弾けっぷりがひと息でした。今回はその点がどうなるか、ですね。
——スピカSのローシャムパークは前回が非常に強い内容でした。
ラーグルフに先着していたことのある馬ですからね。条件や枠順などを選ぶ面もあると思いますが、この能力ならクリアしてほしいところです。
——スプリングS(G2)のセブンマジシャンもテン乗りです。
これまで実績を残していますし、能力もありそうですからね。スムーズな競馬で権利を目指したいです。
——オヤノナナヒカリは長期休養明けの前走で勝ち切りました。
前回は気性的にリフレッシュされて、休み明けでも走ってくれたように思います。その点、詰めて使うと、どう出るか心配な面もあるのですが、スムーズに走れるといいですね。スタートや二の脚で今回がどんな気配なのか、わかるんじゃないかと思います。
先週は僅差の惜敗も
——先週のアネモネSに挑んだオックスリップは大敗してしまいました。
馬場が掘れている部分を走るとバランスを崩してしまいました。キャリアも浅いですし、間隔も空いていたことも堪えたのかなと思います。距離はマイルでも大丈夫だと思いますが、平坦コースの方が向くかもしれませんね。
——ココロノトウダイはどうだったでしょうか。
本来はもっとハミを抜いてプランプランで走らせるような形が合っていると思っていたのですが、デキが良かった分、一生懸命に走り過ぎてしまったようですね。中山コースよりもどちらかと言えば広いコースの方が合いそうです。
——グリューヴルムはしぶとい内容でしたね。
展開も向きましたが、ポジションは最高のところを獲れたのが勝因ですね。
——ヴァナルガンド、ホウオウバーナードと勝ったかと思うような惜敗でした。
ヴァナルガンドはハナに行かなくても競馬は作れますね。十分にこのクラスでも通用しそうです。ホウオウバーナードはスタート的にポジションは獲り辛いタイプですが、流れには乗れました。追い出しが早かった分、差された面もあったかもしれませんが、モタモタしているだけに早めに踏んでいきました。
——中山牝馬S(G3)のシャーレイポピーはハナに行きたかったのかと思いますが……。
外の方が早かったですから仕方ないですね。ロスなく行ければと思いましたが……。
——デアノヴァは前残り決着の中で4着。条件次第でチャンスがありそうな馬に感じました。
もう少し動けそうな雰囲気は感じました。状態が上がれば勝ち負けになるポテンシャルはあると思います。
——サクラファシナンテは狭いところを割って出てくる好内容に感じたのですが、どうだったでしょうか。
返し馬の段階から前走より気配が良かったです。落ち着きがあってリズムもよく走れていましたね。
——メイテソーロは芝での勝利でした。
勝たせてもらった時より落ち着きがあったのは良かったです。向こう正面で動けたことがポイントだったと思いますが、スピードの求められない条件も良かったです。ただ、やっぱりダートの方が良さそうですね。
——今週末は冷え込む予報もあるようですが、このところ気候も変わってきましたが、たまにいわれる「花粉症説」はいかがでしょうか(笑)?
前から言われますけど、一度も酷い花粉症になったことはありませんからね(笑)。ただ、気温によって多少目がかゆくなったり、くしゃみが出るようなのかもしれませんけど、自分は全く感じないレベルです。
——ジョッキーでも人によっては大変ですか?
そのようですね。ティッシュを持ち歩いている人もいるくらいですからね。
——次週からはG1も再開します。また次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は3月24日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。