'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
高松宮記念で今度こそのピクシーナイトと初コンビ!
2023/3/24(金)
今週からG1レースが再開。高松宮記念にはかねてから騎乗予定だったピクシーナイトとのコンビで臨む。次週以降は大阪杯、桜花賞も騎乗予定。昨年と異なり、遠征も続く今春、大舞台での好結果にも期待したい。
ピクシーナイトは1年3か月ぶりの実戦復帰へ
——今週からG1シリーズが始まることになり、西への遠征も続くと思います。この土日も中山と中京での騎乗。まずは土曜の話題から伺っていければと思います。土曜のブライテストドーンは追い切りに乗られたようですね。
ブリンカーを試したのですが、効き過ぎている感覚がありました。それだけにレースに行ってどう出るか。具合自体はいいと思いますが……。
——日経賞(G2)はマカオンドールに騎乗されますね。
以前、乗せてもらった時は本来の後ろから行く形ではなく、先行する競馬。違う形での競馬に戸惑っている印象でした。今回は休み明けの分がどうか、ですね。
——日曜のコンクエストは昇級初戦ですが、前走は1400mで勝ちました。
ブリンカー効果なのか、以前に乗せてもらった頃と馬が変わってきているのでしょうね。この条件は合いそうだと2走前の時点でも感じました。今ならモマれる形でも対応できるのではないでしょうか。
——高松宮記念(G1)にはピクシーナイトが仕切り直しの一戦になります。
これだけのブランクがありますし、阪急杯を回避して臨むので、まずは無事に帰ってくるといいなと思います。能力があるのは間違いないでしょうし、しっかり走れるなら先のある馬でしょうからね。
——日曜は雨の影響が残る可能性はありそうですね。
適性自体は大丈夫じゃないでしょうか。一度、乗せていただいた限り、力も感じました。
大井時代の盟友が調教師に転身
——先週の回顧ではオヤノナナヒカリは気性面の課題を懸念されていました。
先週、言ったようにテンの行きっぷりからも状態は良かったと思います。しかし、思っていた割にコーナーが多いコースは良くないですね。コーナーごとに置かれるようなところがあって、勝負どころでも手応えが怪しくなりました。直線を向いたら、またハミを取ってくれるかと思いましたが、やっぱり気性が難しいですね。
——スプリングS(G2)のセブンマジシャンはどうだったでしょうか。
自分としてはいいポジションで競馬はできたと思います。ハイペースのようで先頭とは離れていましたし、ペースも速くない追走だったはずが、持つところがなかったですね。以前に道悪もこなしているようですが、感触的に合っていないようにも感じましたよ。
——ローシャムパークはスタート直後にアクシデントもあったとはいえ、前が引っ張る流れ。展開も向いたと思ったのですが。
敗因がわからないのが本音です。前回の走りならどう乗っても勝てるくらいの感触を受けたのですが、強いていえば馬場なんですかね。ただ、悪かった点を探すなら、という意味であってハッキリしていません。返し馬ではテンションが少し高いかなくらいには感じましたが。
——レーヴドゥラプレリは乗り慣れた馬だと思いますが、違いは感じましたか。
馬に落ち着きは出て、余計なことをしなくなっていたのは良かったです。集中力も出てきましたね。今回は相手が強かった感もありましたが、以前は中山専用のイメージだったのが、今なら東京でもいいかもしれません。
——イルチルコは1番人気に支持されました。
以前の印象から気持ちよくリズムをとって走らせたいと思いました。ただ、走りがバラついてしまって、ああいう馬場は得意じゃなかったですね。
——もともと傷んだ馬場で外差しが目立っていましたが、日曜の中山は内から伸びる馬もいましたね。
土曜の影響で渋っていて、内から乾いていったのでしょうね。ただ、既に傷みが目立っていただけに適性のある馬ではないと、内を通っても走れないと思いました。
——カンザシはまさかの内容でした。
返し馬から前回と違ってすごく落ち着いていました。おそらくバシャバシャの馬場をきにしたのかなと思います。具合自体は悪くはなかったと思いますし、最後は自分からハミを取って凄い伸びでしたからね。気の難しいところを見せていました。
——フラワーC(G3)のドナウパールは未勝利の勝ち方が良かったものの、道悪は厳しいんじゃないかなと思いましたが、いかがでしょうか。
やっぱり馬場の影響はありそうですね。体が小さい分、走れている感もありますが、まだ緩さもあって先々の馬かもしれません。
——フルオールは右回りが良くない印象もありましたが、どうでしたか。
先ほどのカンザシと似たようなところがあって、返し馬ではこのクラスでもやれるなと感じたほど。それがゲートを出てから進んでいかず、気性の激しさをみせていました。やっぱり気性面に課題のある馬にとって、ああいう特殊な馬場は合わないのかもしれません。
——リカンカブールは力強い勝ちっぷりでした。
パワーのある馬ですね。返し馬の時点で「コレなら」と手応えもありましたし、馬も乗りやすくて、先々も良くなりそうです。
——ヴァイルマティはどうでしたか。
持つところがなかったですね。能力はありそうですが、背腰に甘さもあって、フットワークの重心も高かったです。
——リリージェーンは枠順が良くないかなと思いました。
そうですね。小柄な女の子でモマれた経験も浅いですからね。
——皐月賞(G1)はマイネルラウレアとのコンビで挑まれることが明らかになりました。次週、再来週のG1へ向けた前哨戦となる重賞でも次週のインダストリアや2週後のダノンゴーイチも楽しみですね。そして、先週は盟友である大井の真島大輔騎手が調教師試験の合格が明らかになりました。
この前、本人と会いました。長い付き合いですし、普通ならば寂しくなるところです。ただ、あいつの場合は体重管理や体調面を考慮すると、「本当に受かって良かった」という思いですね。騎手を続けるのもそれだけ大変だったと思いますから。いつから調教師試験を受けていたか、定かではないですが、以前から取り組んでいましたからね。
——本日は柏木健宏騎手の引退も発表されました。
本当ですか??リハビリをして頑張って復帰をすると強い気持ちを持っていましたが……大事故でしたからね。
——次週は大阪杯もあります。また来週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は3月31日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。