'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月4日時点1555勝
土曜は無念の除外で騎乗ゼロも皐月賞はマイネルラウレアと初コンビ
2023/4/14(金)
今週は土曜が阪神、日曜が中山での騎乗予定だったが、アーリントンCは抽選対象と覚悟して阪神に向かうことを決めるも、まさかの除外に。JRAに入ってから初という騎乗馬無しの憂き目にあってしまった。そして、日曜は皐月賞などに騎乗。中山開催を締めくくる一日で好結果を期待したい。
こだわり見せるも残念ながら除外に
——今週は皐月賞(G1)ではありますが、その前に土曜はアーリントンC(G3)にダノンゴーイチで騎乗予定でしたが、無念の除外になってしまいました。
期待していただけに残念です。先週のニュージーランドT(G2)に入らない可能性が高い時点でアーリントンCに向かうと聞いて、除外覚悟でも乗せていただこうと思っていました。回避馬もおり、抽選の確率は上がっていただけに残念です。
——当初より抽選の確率も緩和されただけにどうにかなるかと思いましたが、こればかりは仕方ないですね。土曜の中山ではシャドウダッチェスやブライテストドーンは引き続き乗られます。
シャドウダッチェスは枠や展開が求められそうですね。ブライテストドーンは前走ではスタートが上手くいかなかった面はあるのですが、不器用な面がありますね。
——マイネルサハラは昇級2戦目です。
ここのところ馬具を工夫したりしていましたが、まだ気性の難しさは残っていると思います。2勝クラスに入ると、まだまだそう一筋縄ではいかないように感じます。
——ホウオウエクレールは2走前に乗られましたね。
長丁場が向いていて、長ければ長い方が持ち味は出るタイプかと思います。しぶった馬場にはある程度、対応できる印象はあります。
——皐月賞(G1)のマイネルラウレアは初コンビです。
負けていないという点でポテンシャルを感じています。今までのレースぶりを見ると、後方からの競馬にはなりそうですから、何とか流れが向いてほしいですね。枠はポジションを獲れないことを思えば、大外枠でも良かったんじゃないでしょうか。道悪になっても、こなせそうな印象は持っています。
流れが噛み合わなかったドゥーラ
——先週の桜花賞(G1)はドゥーラと挑まれました。
返し馬では気合い乗りの良さも感じましたし、落ち着きもありました。いい雰囲気でした。レースではゲートの出が悪くて、その後も流れに乗れず、持つところがなかったです。終始、流れに乗れずといった競馬でしたね。
——ブラックシールドは走破時計を思えば通用しそうなものでしたが……。
相手なりにやれる印象は持っていました。今までと違って周りに囲まれて、他馬を気にするところが見られましたね。早々と手応えがなくなってしまいました。
——シゲルバクハツは勝ち切りました。
全体的に緩さが残っている印象でしたが、乗り易くて、長くいい脚を使ってくれるイメージで臨みました。もう少し我慢した方が楽に勝たせてあげられたと思います。
——アイアンムーンは惜しかったです。
勝ち馬に有利なペースになってしまいましたね。ただ、勝ち上がれる素質は十分あると思います。
——リトルポピーは一気に距離を詰めましたが……。
これは馬と陣営に申し訳ない進言になってしまいましたね。馬が嫌気をさしてしまっていました。あの距離でも1列目で運べれば変わっていたかと思いますが。
——ニュージーランドT(G2)のメイクアスナッチは他馬にかなり影響されたように見えました。
かなりありましたね。とはいえ、非力さを感じていたようにあの馬場で消耗もしていたように思います。中山で好走はしていますが、平坦の方が走り易そうです。
——ドグマは陣営も懸念していたように精神面の課題がでましたか?
そうですね。正直、前に乗せていただいた時の雰囲気ではなかったです。掛かってしまい、変なハミの取り方をしていました。
——ミッキーゴージャスは初出走の勝ちっぷりから注目していました。
正直なところ体も小さく、返し馬からまだ頼りなさを感じました。ただ、レースに行ってからが良かったです。現状でこれだけ走るのですから今後が楽しみです。本当に完成するのはまだまだ先だと思いますが、ひと夏を越したくらいでも良くなるかもしれませんね。
——同じ安田隆行厩舎のウォーターリーダーも勝ち上がりましたね。
こちらもまだ緩さはありましたが、勝ち上がってくれました。体がしっかりしてくれば芝でも走りそうですね。
——次週から新装された京都競馬場もオープンしますが、今のところ乗られる予定はありますか?
今のところなさそうですね。いつかは乗ってみたいですが。
——次週のフローラS(G2)はソーダズリングを予定とのこと。NHKマイルC(G1)はエエヤンにも騎乗されるそうですが、来週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は4月21日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。