'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月23日時点1569勝
連勝中のエエヤンとの再コンビでNHKマイルCへ!
2023/5/5(金)
東京開催も3週目。そして、今週から5週連続G1も再開するが、その幕開けとなるNHKマイルCには前哨戦の勝ち馬とのコンビで挑むことになった。その他、乗り鞍が豊富な週末になるが、G1を含め、好結果を期待したい。
混戦のG1で能力を引き出せれば通用も
——今週はゴールデンウイークということもあり、交流重賞も行われていますが、レース回顧については火曜のかきつばた記念までを終えた段階でお話を伺おうと思います。よろしくお願いします。今週土曜はコンスピキュアスやマイネルシトラスは騎乗経験がありますね。
コンスピキュアスは道中のリズムが重要になりそうですね。モロさもあるので上手く導ければと思います。マイネルシトラスは以前のイメージであればこのクラスは勝ち切れていいはず。もともとは東京コースが合いそうな感触もあったので、その点にも期待しています。
——プリンシパルSのフォトンブルーは弥生賞に続くコンビです。
前走は背腰の緩さを感じました。そこがしっかりしてほしいところですが、直線では狭くなりながらも伸びてくれました。体質的にしっかりしてくれれば伸びしろはあると思います。
——日曜のマイショウチャンやディアマンテブルーも乗られたことがありますね。
マイショウチャンはもう一歩という内容が続きますが、あとはメンバー次第でしょうか。ディアマンテブルーは新馬前の感触ほど動けてこないのが気になりますね。キッカケが掴めればいいのですが。
——スペンサーバローズは未勝利勝ちの内容が良かった馬で、ヴェールアンレーヴは何度も乗られています。
スペンサーバローズは昇級してからがひと息ですが、東京になる分で期待したいところ。1400mになるのも気になりません。ヴェールアンレーヴは展開や相手関係が上手く噛み合ってほしいところですね。雨が降っても東京であればいいかもしれません。
——ベジャールは距離を詰めて3戦目です。
2走前からマイルに替えていい雰囲気で運べたのに道がなかったですからね。改めていい走りをみせられればと思います。
——グランオフィシエは距離を延ばしてきました。
勝った時はいい内容でしたし、乗り易いタイプですからね。距離も合っていると思います。
——NHKマイルC(G1)はエエヤンに騎乗されます。
順調に勝ち星を重ねて勢いもありますね。一つポイントになるのは東京になる点でしょうか。おそらくタイトな競馬になるでしょうし、上手に走ってくれることを願うところです。
——未勝利戦のイメージもふまえると、かなり折り合いが難しい印象ですが、持ち味はどう感じますか。
フットワークもいい印象ですし、走ることに対する意欲も感じます。その気持ちを上手くレースに結び付けられればいいのですが、未勝利の時は確かに折り合いが難しい印象を受けますよね。
——道悪になった場合を想定するとどうでしょうか。多少、雨があっても切れ味の面をカバーできそうにも思えます。
多少渋っても問題ないと思いますよ。それに切れ味を求められるような展開になったとしても、上手く脚を引き出せられれば対応できるかと思います。未勝利を勝たせてもらった際、ここまで成長してくるとは驚きですが、いいモノを持っていると思っていたので楽しみです。
ハンデ差で惜敗のかきつばた記念
——今週はかきつばた記念(Jpn3)でドライスタウトに騎乗されました。
馬場的には内より外がいいコンディションだったようですし、外枠というのも良かったと思います。手応え良く回ってきていい感じだったのですが、あとはハンデ差ですかね。もっと重い馬もいたとはいえ、手応えからしても、あれで差されていますから。状態も前走と差はなかったです。
——バイシュラバナは1番人気に推されていました。
メンバー的にも先行馬が少なく、先生とも話して、行けるなら行こうという考えでした。ポジションとしてはいい位置にハマったと思います。ただ、2コーナー辺りでガツンとペースが落ちてリズムを崩した馬が多かったこと、緩急の激しいレースになったことで追い込み馬に走り易い展開になったように思います。気性的には落ち着いていて、返し馬でもいい雰囲気だったのですが。
——エイカイマッケンロは惜敗が多い馬でありますが……。
イメージ通りの競馬はできました。馬はスムーズに走ってくれました。最後は同じ脚になったのは斤量差もありそうです。
——ジャスリーは接戦を制しました。
追い切りで状態の良さは感じていましたが、レースでは少しテンションが高かったですね。ゲートの中でもうるさいところがありました。以前は行きっぷりがいい方でしたが、今回は違ったレースぶり。ドッシリしてきたこともあり、前が距離を縮めて良さそうでしたが、印象は変わってきましたね。
——モーメントキャッチは不利がありました。
3~4コーナーでリズムを崩したのは痛かったです。あれから盛り返すように力はあります。
——ダノンゴーイチはまさかの敗戦でした。こういうこともあっておかしくないですが、新馬の内容からすれば、力を出し切れませんでしたね。
休み明けだったり、除外が続いた影響がありましたね。ひと息で走っているところはありましたし、多少息遣いも良くなかったです。興奮して走って、リズムをとれずに走っていましたね。
——キングダラスは狭くならなければどうだったでしょうか。
ブリンカー効果はありましたね。以前も勝てる能力は感じていましたが、集中力を出してくれました。
——次週はヴィクトリアマイルということで、ソングラインには2週連続で乗られたそうですね。おそらく人気馬の一角として臨むレースですし、次週も楽しみです。
ありがとうございました!
※次回は5月12日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。