'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
ソングライン&ピクシーナイト連日G1馬に騎乗!
2023/5/12(金)
先週から東京開催での連続G1がスタートしたが、今週は土曜が京王杯スプリングC、日曜にヴィクトリアマイルが行われる。ご存じの通り、戸崎騎手は連続、過去にG1を制した馬の鞍上を務める予定で異例のケースでもある。もちろんジョッキーにとってはチャンスであることには他ならない。最善の騎乗を尽くしてほしいところだが、最高の結果となるか、期待したい週末だ。
3週連続の追い切り騎乗で挑むソングライン
——今週は重賞に注目してしまうところですが、ヴィクトリアマイルではソングラインに騎乗されます。
最終追い切りには戸崎騎手が騎乗
安田記念を勝っているように条件は合うでしょうし、能力は高いレベルにあると思うので期待しています。今年はコレといった逃げ馬もいないように感じますし、過去のレースをみると、どんな競馬にも対応してくれそうな感触があります。どういったレースをするかは枠や当日の馬場、流れをみて考えたいですね。道中のリズムをしっかり取れればいいのかなと思います。
週末は雨予報もあるようですが、多少の道悪なら大丈夫かなと思います。厩舎サイドはいい状態で送り出せた前走で結果が出なかったことを気にされていたようですが、3週続けて追い切りに乗ったことで状態面の変化も感じ取れました。相手関係も素晴らしいメンバーが揃ったと思いますが、牡馬相手に勝ち切った馬ですからヒケはとらないはず。いい結果を残したいですね。
——土曜の京王杯スプリングC(G2)では高松宮記念に続いてピクシーナイトに騎乗されます。
前走は前哨戦を使えない誤算もありましたし、あまりにも悪い馬場でしたからね。G1馬ですし、状態さえ上がってきてくれればと思います。
——土曜の未勝利戦ではダズリングスカイやフォードテソーロはどうでしょうか。
ダズリングスカイはいい内容で走っていましたし、間隔を開けたことで良くなってきてくれるといいですね。フォードテソーロは安定して走ってくれるイメージです。
——マルディランダは惜しい結果が続きます。
いつも何か強い馬にぶつかってしまいますが、安定していますし、良馬場でも道悪もこなしますからね。何とかというところです。
——緑風Sのホウオウエクレールも惜しい結果が続きますね。
ここ2回乗せてもらって状態が上がってきていることも実感しました。東京になると求められるものが変わってきますが、何とかカバーできればいいですね。
——青竜SのジャスリーとBSイレブン賞のウナギノボリはどうでしょうか。
ジャスリーは中1週という点は気になるところですが、安定はしていますからね。あとは相手関係が一気に強化される分がどうかですね。ウナギノボリは展開に左右される面はあるのですが、末脚はしっかりしていますからね。1200mがベストかと思いますが、1400mになるので上手く組み立てられればいいですね。
課題をクリアできなかったエエヤン
——先週のレースではNHKマイルC(G1)のエエヤンは2番人気に推されて9着でした。
一番は折り合いが課題だと思っていました。どれだけリラックスさせて、リズムよくいけるかが大事だと思っていましたが、そこを上手くアプローチできなかったですね。正直、今の僕のレベルでは東京コースでは走らせるきることができなかったですね。
——枠や他馬の出方などで違った形にもなりましたか?
スタートしてすぐに外へ張ってこられたのは痛かったですね。ただ、それも競馬ですからね。馬場も悪かったのは前回にも言えるのでしょうが、バランスもでき切っていない分、ハミに頼るところもありますし、その分で安定して走らせられなかったです。
もともと右のハミを強くとるところがあって、中山で乗せていただいた時は感じなかったのですが、今回は返し馬からそういうところもあって、少し難しさを感じてレースに臨みましたが……。馬自身も成長していくことでもっと持っているモノを発揮できるようになると思います。
——ビヨンドザファザーは厳しい条件が揃った印象を受けました。
ハンデは仕方ないにしても、大きな馬でこれだけの休み明け。そして最内枠ですね。でも、いい馬ですし、すぐに巻き返せると思います。
——プリンシパルSのフォトンブルーは3着でした。
道中は硬い馬場ということもあってなかなかハマっていかなかったのですが、体が温まってからはしっかりして、最後はいい伸びでした。体がもう少ししっかりしてくれれば、いい成長をみせてくれそうです。
——ヴェールアンレーヴは去年の秋と比べると相手関係が楽になった印象を受けました。
しかし、馬自体はバランスがとれてきて外に張る懸念していた面が良くなっていましたよ。渋った馬場も合っていたかと思いますが、着差がついたのは成長分もあったと思います。
——ベジャールは3着でした。
2走前より行きっぷりは良くなっていました。スタートが上手に反応していますけど、スピードの乗りが悪くあの位置からに。最後はリズムに乗って終いを伸ばしてくれました。
——グランオフィシエは再びコンビを組んで勝たれましたね。
メトロポリタンSを勝ったグランオフィシエ(一番右)
よく頑張ってくれました。内枠でしたし、ロスなく運んで最後もしっかり反応してくれましたね。
——サトノルフィアンも接戦を制しました。
接戦を制したサトノルフィアン(奥)
デキがいいと聞いて乗りましたが、確かに雰囲気は良かったです。着差は僅かでしたが、最後まで差を詰められる感覚はなかったですよ。
——今週は南関東では羽田盃が行われましたが、来年からはJRA所属馬も出走するレースですね。
勝ったミックファイアは久しぶりのレースで、あの戦歴。それでいてあの勝ちっぷりには驚かされましたね。時計的にも十分でしょうし、あれだけ走っていれば、JRA相手でもと思うところですが、次の東京ダービーも楽しみです。
——次週のオークス(G1)ではミッキーゴージャスに騎乗されるそうですが、まずは今週、いい結果を期待しております!
ありがとうございます。頑張ります。
※次回は5月19日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。