'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
久々の交流重賞勝利で弾みをつけ今週末も東京で騎乗!
2023/6/16(金)
今週は関東オークスをパライバトルマリンで勝利!春の2冠制覇に続き林徹厩舎とのコンビでの重賞制覇となった。週末は東京での騎乗となるが、今週はマルチ勝利の期待も十分だ。
ユニコーンSはテン乗りのコンビ
——まずは今週末の話題から伺っていきたいと思います。土曜から伺うとマイショウチャンは惜しい競馬が続きますね。
2走前がいい内容だったのですが、前走は外から被される形になり苦しい競馬。勝ち切るには噛み合って欲しい面があるのも事実ですし、改めて上手くハマってほしいところです。
——ピューロマジックは追い切りに乗られたようですね。
2度乗せていただきましたが、走り自体はいい動きをしています。ただ、テンションが凄く高いんです。レース当日、どんな気配になっているか。2週前に乗せてもらった時より落ち着きは感じられましたが……。
——ヴェールアンレーヴは昇級初戦です。
前走は成長を感じさせる内容でした。昇級でどこまでやれるか、ですね。馬場は渋った方がいいと思います。
——日曜のエーリチェは3歳ながら初出走。追い切りにも乗られたようですね。
追い切りは動けていまして、力を感じました。あとは経験差がどうですか、といったところです。
——オメガキャプテンの前走は惜しい結果。今回は改めて期待したいところです。
同じ条件ですし、あまり速い馬場でなければ引き続き楽しみです。
——ユニコーンS(G3)は続けて乗ってきた馬が回避して、メイショウモズに騎乗されます。
モマれ弱さがあるようなので、そこに気を付けて乗りたいです。また、そんな展開になってくれるといいですね。
——サトノレギオンは久々に乗られます。
勝ち味に遅い面はありますが、以前のイメージではいい印象があります。
課題を克服したパライバトルマリン
——水曜に川崎で行われた関東オークス(Jpn2)ではパライバトルマリンで制されました。実は先週の当欄で、追い切りに乗っていたことを把握しつつ、話題にしていませんでしたが、追い切りの感触や課題はどう感じていられましたか?
いい馬だなと思いました。ただ、けっこう気がいいタイプでしたし、レース映像を見ても距離がどうか、という心配はありましたね。(前走で騎乗した)クリストフ(・ルメール)も「1400mがいい」と言っていたくらいだったようで、1600mでもないですし、2100mはどうかなと思っていました。
——ただ、フットワークだけ見れば1400mという感覚はしませんでした。
そうなんですよね。僕も追い切りの乗っただけで未知な面はありますが、距離はこなせる走りはしていました。レースも、返し馬の時点から落ち着いていて、スタートしてからもゆったりとして収まっていました。その理由はわかりかねるのですが、スタッフもそこをポイントに仕上げてくれたおかげなのかなと思います。
——今回だけでの感触でいえば、将来的にはどんなカテゴリーで走りそうですか?
モマれるリスクも少ないでしょうし、長めの距離でいいのかもしれませんね。視野の広がる勝利だったと思います。川崎コースも問題ありませんでした。
——鼻出血もあったようですね。
あれはゲートで突っかかってぶつけた際のものですね。
——外傷性だったというわけですね。今年の地方競馬は川崎競馬場のみで勝たれていますね。
そうでしたか。下から見る限り、スタンド上部の席なんかも綺麗になったんだなと思いました。昔は移籍の送別式もやってもらったりしたな、なんて思い出しました。
——先週のエプソムCではエアファンディタに騎乗されました。
馬場もこなせるイメージだったのですが、う~ん序盤から追走も厳しかったです。綺麗な馬場の方がいいのか、重賞の壁なのか……。手応えも怪しかったです。
——オンザラインは初騎乗でした。
不器用さを感じました。ワンターン自体は合うと思いますが、外枠もあって位置を取ることができなかったのが痛かったですね。後ろから馬のリズム自体は良くて、一頭だけ伸びてきてくれていますけどね。
——メイテソーロはやはり馬場が敗因でしょうか。
そうですね。何と言いますか、馬場を噛めていないといいますか、上滑りをするような走りで脚抜きのいいダートは合わないですね。ただ、馬自体は成長を感じました。自己条件なら1800mなんかでもこなせそうですし、今なら時計の掛かる芝でもいいのかもしれません。
——アサクサヴィーナスは距離や馬場という課題もありながら完勝でしたね。
ずっとゲートが出られなかったり、テンションが高かったりしたようなのですが、勝ち切ってくれました。折り合いも懸念していましたし、馬場がどうかと思いましたが、強い内容でしたね。馬のバランスも良くなってきたようでした。
——新馬のサンライズジパングはどうでしたか。
力のある馬で馬体もしっかりしていました。叩いて上積みがありそうですし、背腰もまだ緩さがありますね。ダートならより良さそうです。
——エディストーンは初ダートでしたね。
3コーナーでモタれるようなところがあった時にもっと馬の気を抜かせないようにできれば良かったです。ダート自体の適性は悪くなく、追ってから体が浮ついてしまう面がありますが、コーナー4つのコースならより合いそうです。
——マオノアラシは惜しい結果でした。
いい感じで運べましたが、4コーナーがポイントですね。勝ち馬より前にいましたが、速い脚を使えるか、でいえば勝ち馬の方が優ってました。被せられてしまい、ゆったりとした走りの分、どうしてもスパートが遅れましたね。
——それにしても先週は1勝。土曜が未勝利で日曜は雨。続けてきた毎週の勝利が途切れるか心配になりました。
いや~冷や冷やでしたね(笑)。何とか続いて良かったです!
——次週は最終週となりますが、引き続き東京での騎乗ですね。来週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は6月23日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。