'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
夏の福島開幕!ラジオNIKKEI賞はレーベンスティールと挑む
2023/6/30(金)
2~3回東京開催は昨年の勝ち星にこそ及ばなかったものの、G1を2勝&最終週には固め打ちでまとめた。今週からは開催替わりとなるが、夏の福島といえば例年、固め打ちの期待が高まる。重賞では上位人気が目される存在とも再コンビを組むだけに好発進を期待したい。
ポテンシャルからも突破してほしいレーベンスティール
——今週から福島への開催替わり。まず、開幕週のラジオNIKKEI賞(G3)には2走前に騎乗されたレーベンスティールに再度乗られますね。
前走の勝ちっぷりの通り、能力は間違いないと思いますからね。しっかり結果に拘りたい、と思っています。
——新馬戦は他馬に乗って勝たれて、2走前には実際に騎乗されていました。ここまで連対を外してはいませんが、2度敗れている訳でもありますね。
課題がないとは言えませんが、ポテンシャルを考えれば、クリアして欲しいですね。
——天気予報は日によって変わっているようにも感じるので、当日の馬場は未知数ですが、これまでのレースぶりを見ると、周りに馬がいた方がいいでしょうか?
パンパンの馬場の方が合っていると思いますし、理想をいえば壁を作って競馬はしたいです。
——もし開幕週らしい馬場が望めるとすれば、テンの速さは持ち味になりますか。
自分が乗せてもらった時が一番スタートは速かったように思いますけど、他のレースでも先行できていますよね。強みになりそうです。
——最終追い切りは木曜日にやっていましたが、この馬に関しては、レース以外では乗られていないですね。
やっぱり難しいところもあるようなので、厩舎の方でお任せする形になりました。ただ、レースでも乗っていますからね。枠や馬場など現時点ではわからない面もありますが、結果を残したいです!
——土曜の開成山特別のリニューや松島特別のハッピーオーサムは騎乗されたことがありますね。
長いところで安定していますし、乗り易くいタイプですね。この条件も合っていると思います。ハッピーオーサムは中山でも上手に走っていました。福島のペースに戸惑わなければと思います。
——日曜のグシチャンノソラは前走に続いて騎乗されます。
前走は上手くいきながら追ってからがワンペース。福島だけに1150か1700mの選択肢の中で、1700mも試してみたいところですが、先々を考えると、こちらの距離もクリアしてほしいですね。
アバンデルは水準の動きをしていましたし、メイザーキックもいい時計でしたね。
——エディストーン、メイショウコバトと東京に続いての騎乗ですね。
エディストーンはダートが凄く合っているというワケでもなかったので、また芝に戻りますが、能力的には勝ち上がっておかしくないと思います。左回りだとモタれる面もありましたし、追ってから浮ついている面は良くなって欲しいですが、前走以上に期待しています。メイショウコバトはレースが上手ですね。
——さくらんぼ特別のロードミッドナイトはどうでしょうか。
このクラスでも安定していますし、結果を出したいですね。
最終週は5勝でフィニッシュ!
——プラチナジュビリーは相手が悪かったことに尽きるように感じました。
こちらも止まっていないのですが、レースも上手でいいスピードでした。相手は強かったですね。
——サトノルフィアンは昇級初戦ながら悪くない内容に感じたのですが。
ゲートの中でうるさくてスタートが決まりませんでした。それでも我慢して走ってくれていましたね。返し馬で前走に比べると硬さも感じましたし、それを思えばよく頑張ってくれています。ひと息入れて、秋に備えるそうなので改めて楽しみです。
——マラキナイアは勿体ない結果でした。
いや~上手く乗れなかったですね。スタートは決められたので結果論でいえば、ハナに行って良かったですね。ポジション的には良いかと思っていましたが、スローでマクられたことによって、3列目になってしまいましたね。追い出してからモタつく面も感じていましたし、ペース的にも捌くことに手間取りました。もっと前目で運べれば良かったです。
——ブレイディヴェーグの勝ち時計には驚きました。
時計もそうですが、内容的にも良かったです。追い切りからポテンシャルの高さは感じていましたが、操縦性も良かったですね。ただ、ゲートに関しては課題になってくるかと思います。
——リベイラパレスはこの血統でこの距離、心配になりました。
正直、乗り易いとは言えない面はありましたが、ポテンシャルでしのいでくれました。ハミに乗っかってくるところがありましたし、起きて走ってくれるようになるといいですね。
——コラソンビートはレベルの高かった新馬戦からの臨戦でしたね。
返し馬では大人しくて乗り易そうだなと思っていました。出たところで運べればと考えていたところ、スタートしてから凄く気持ちが前向きでしたね。体の使い方からすると、マイルくらいはもって欲しいところですが、落ち着いて走れるようになってくれるといいですね。
——デコラシオンはどうでしたか。
東京はどうかなと思いましたが、上手く噛み合いましたね。ペースも落ち着いてハミも取っていて、直線でも長くて最後は飽きているようなところはありました。ただ、力はつけています。
——フランスゴデイナは惜しい結果でした。
返し馬ではいい感触でしたし、体質の弱さがあって、使うとダメージが出やすいそうなのですが、そんな面も感じました。大外枠でスタートも速くてスムーズでしたし、勝ち馬には上手く乗られましたね。
——モナルヒは前走に続いて乗られて勝ち切りました。
前回よりテンションが高い中でも、いい雰囲気でしたね。レースも体の使い方が良くなっていましたね。いい時に乗せていただいたと思います。
——ロジルーラーはどうでしたか。
まだ背腰の連動性がもう一つでしたね。ワンペースなタイプではあると思いますが、成長してくればと思います。
——メモリーグラスは惜敗続きから勝ち上がりました。
メンバー次第といったところまで来ていましたからね。連闘でも手応えよく走ってくれました。
——今週から福島。今週は騎乗馬的にどうかと正直感じましたが、例年相性のいい開催ですね。
まあ、得意としているように映りますが、それだけいい馬に乗せていただくタイミングということですからね。本当にそこに尽きます。今年もコツコツやっていきたいです。
——今開催の福島は継続して乗られていくそうですね。次週はダノンロッキーという新馬など楽しみですが、もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は7月7日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。