'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
1番人気のラジオNIKKEI賞に反省の弁&今週は七夕賞などに騎乗
2023/7/7(金)
福島開幕週のラジオNIKKEI賞は脚色からも勝てる能力のあった一頭。痛い敗戦ではあったが、その他のレースも勝ち星に恵まれず1勝のみとなった。今週は継続して調教をつけていた馬が回避というアクシデントもあったが、先週以上の結果を期待したい。
操縦性の良さが売りのグランオフィシエ
——今週は福島2週目となりますが、土曜が7鞍、日曜も7鞍に騎乗。土曜から伺っていきたいと思います。アグニレディアンスとフォードテソーロは以前も乗られたことがありますね。
アグニレディアンスはひと息で走る面があるので、そこが上手く走れればいいですね。フォードテソーロは安定して力を出してくれますからね。これまでの実績からも決めてほしいです。
——土曜のオンザヴィーナスは追い切りに乗られたようですね。
追い切り自体は良かったです。走ることにも前向きでした。ただ、他馬を気にする面があるので、そこが実戦で上手くカバーできればと思います。
——ヤマニンエンディマも追い切りに乗られたようですね。
トビはゆったりしていながら素軽さもあって、雰囲気のある馬ですね。ここでも期待しています。
——須賀川特別にはダノンゴーイチが3戦目となります。前走は色々とアクシデントが多い中での2戦目でした。
期待はしていた馬なので、ここもクリアして欲しい思いはあります。ただ、1200mはどうか、というところもありますし、能力でカバーして欲しいのですが。2戦目は呼吸が苦しくなるところもあったので、そこがどう出るか……、という心配もありますね。
——新馬の内容を思えば、不慣れな条件でもどうにかして欲しいところですね。猪苗代特別のブラックボイスはどうでしょうか。
すごく乗り易さがあってトビのゆったりした馬です。もう少しスピードは欲しいのですが、上手く組み立てたいです。
——日曜のアルヴィエンヌは追い切りに乗られたようですね。
ハミ受けの難しさが残っている面が実践でどう出るか、といったところですが、馬の状態そのものは良さそうです。
——七夕賞(G3)はグランオフィシエに騎乗されます。
とにかく今は充実しているのでしょうね。こちらも乗り易い馬です。距離的に少し忙しくなるイメージはあるので、上手く組み立てられればと思います。
——福島芝2000mという舞台において、乗り易さは武器かと思いますが、忙しさは不利になりそうですね。ただ。それなりに先行馬は揃った感があります。
その点はレース展開であったり、馬場に関わってくる部分ですよね。自分では左右できない面もあるので、上手く条件が噛み合って欲しいところです。
位置取りがアダとなったラジオNIKKEI賞
——先週のレースではレーベンスティールに騎乗したラジオNIKKEI賞(G3)は厳しい内容でした。
結果論になりますが、もう少し位置が取れていれば…という内容でした。スタートと二の脚の差でもっと前の位置を取るには、かなり脚を使わなくてはいけない並びになったことは事実ですが、ペースも想定していたより落ち着いてしまいましたね。
——3角では外を狙っていたのは観る限り明白でしたが、道中でマクることも考えましたか。
それはずっと狙っていたのですが、常に壁になってしまったのでね。強いていえば、前に行けないなりにも内に入れ過ぎたことが失敗でしたね。直線でラフプレーになっているので、言えた立場ではありませんが、向こう正面で無理やりにでも外へ出せれば、また違ったと思いますが、後から見返せば、色々やれるところはあったと思います。
——末脚からも勝てる能力のある馬の一頭ではありましたね。
これだけ人気を背負っていましたし、期待していただいた方々には申し訳ない思いです。他馬にも迷惑を掛けてしまったことも反省しなくてはいけません。
——ロードミッドナイトは惜しい競馬でした。
展開は向いて、いい脚で伸びてきてくれましたね。ただ、同じような結果になってしまったことが悔しいです。
——連対2頭が3歳ということを思えば、かなり惜しい内容だったかと思います。メイショウコバトは理想通りのスタートではなかったと思いますが、勝ち切れました。
東京1400mでもそうだったようですが、どうもダートのスタートは良くないようですね。つんのめるように出てしまいました。忙しくなりながらも勝ち切ってくれたのは地力の高さかと思います。
——エディストーンは距離が忙しいのでしょうか。
ただ、ポジションがどうしてもとれませんし、シュッと動けるタイプでもなく、力むところがあるのでなかなか適した条件が計りづらいですね。とはいえ、未勝利も僅かになってきているので何とかしないといけないのですが。
メイザーキックは追い切りで若さをみせていましたが、一度使ったことで上向く面もあるのかと思います。アバンデルは追い切りの方が良かったですね。モコモコした動きで体も浮ついていて、スピードに乗っていけませんでした。
——グシチャンノソラは枠が逆だったら、もう少し上の着順だったようにも感じました。
そうですね。向こうの方が地力を示した内容にも思いますが、戦前はもう一列下げて競馬することも考えていましたし、砂を被っても大丈夫な気はしていました。ただ、あまりこなかった分、先手を主張したのですが、ビュっと伸びるところが欲しいですね。
——エアサージュは長期休養明けでしたが、初ダートでした。
返し馬ではかなり緩さを感じつつも、背中の良さ、雰囲気の良さは感じました。砂を被っても苦にしていなかったのですが、芝の方がいいですね。
——リニューはまたしても惜しい結果でした。
毎回同じ結果になってしまいますね。ポジションはもう少し欲しかったですし、伸びてはいるのですが、惜しい競馬が続いてしまいます。
エスカルは返し馬ができない程の精神状態のですが、モマれずに行けたことが良かったです。アクロスザシーズはゲートも速いし、動きもいいと聞いていたのですが、返し馬では非力さを感じました。ゲートや二の脚の速さも使っていけば変わってくるのかと思います。
——先日、札幌記念(G2)に騎乗されることも明らかになっていましたが、今後は福島、新潟で騎乗されるということで次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は7月14日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。