'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
新潟開幕週はアイビスサマーダッシュのジャングロなどに騎乗!
2023/7/28(金)
先週までの福島開催は15勝を挙げて、晴れて3年連続となる夏の福島リーディングとなった。今週からの新潟開催も同様の勢いを期待したいところだが、恒例となってきた夏の2場開催により、乗り鞍確保は簡単な状況ではなさそうだ。また、開催終盤は札幌での騎乗も予定。まずは開幕週の好発進を期待したい。
開幕週は急遽乗り鞍も増えて14鞍に騎乗
——今週は新潟と札幌の2場開催になりますが、土曜は6鞍、日曜は8鞍の予定。土曜の話題から伺いたいと思います。新馬のサトノフォルテは追い切りに騎乗されましたね。
ポテンシャルは感じましたね。成長力もありそうな雰囲気を感じました。ただ、気難しさがあるようで、レースでどう出るか、といったところです。
——だから初戦からブリンカーを着けているということですね。3歳未勝利のエリーズダイヤはダートで惜敗が続いています。
徐々にではありますが、ゲートを出たり、レースを覚えていますね。芝になるのも可能性はあるんじゃないかと思います。
——出雲崎特別のアスパルディーコは2週連続で追い切りに騎乗されました。
1週前よりも素軽さが増して、状態が上がっていることを感じました。この馬の血統には乗せていただいていますが、似たところも感じますね。
——関越Sのエピファニーは3走ぶりのコンビです。
クラスが上がってから足踏みはしていますが、新潟の1800mは合いそうですね。気難しいところは持ち合わせていますが、3走前のアメリカJCCは距離が長かったと思います。当時とどんな変化、成長があるかどうかも感じ取れればと思います。
——日曜の3歳未勝利戦のアリクテラーはどうでしょうか。
以前はレースに対する集中力が足りていない印象を受けました。芝ではスピードが欲しい感もありますが、内回りならこなせそうですね。
——アイビスSD(G3)のジャングロはテン乗りですね。
重賞を勝っているように能力はあると思うので楽しみです。あとは長期ブランク明けでの実戦勘、といったところですね。そこは人がどうこうできる部分ではないと思うので、走ってくれることを祈りたいです。
最終週は6勝の固め打ち!
——先週のレースではスティルディマーレはスタートでの不利もありました。
ただ、ゲートの出方もサッと動けていなかった分、ああなった面もありましたね。馬の我が強く走っているところを感じました。ワンペースな走りでしたね。
——デュアリストもコーナーで不利がありました。
正直、あの不利はかなり痛かったですね。馬自体の状態はかなり良かったと思います。ただ、60キロの斤量が動きに影響しているとは感じました。ところどころ動きの鈍さがありましたね。それでも好走してくれているのですが。
——ロードバルドルは混戦模様のメンバー構成ながら手応えが随分楽でしたね。
凄くバランスの良い走りで手応えも良く、いい勝ち方ができました。以前より成長をしてメリハリの利いた走りになっていましたよ。
——リニューやフォードテソーロといった面々は連戦の疲れがあったのでしょうか。
そうですね。リニューは気難しいところもあるのかもしれませんが、スタートから流れに乗っていけませんでした。フォードテソーロは本来であればもう少しテンのスピードが違うはずですね。
——インビジブルセルフは高額馬で注目が集まりましたね。
まだ気性的に荒々しいところがありましたね。先々は良くなってくるかと思います。タイプ的には中距離で長く脚を使うようなイメージです。
——キャリックアリードは内枠という点がどう出るかと思いました。
展開に恵まれた面で内枠の分をカバーできたと思います。ただ、能力があったからこそ、そういう走りもできますからね。期待通りの走りでした。
——ブーケファロスは最終週の馬場で末脚を武器にしていて、外枠という条件も揃いましたね。
決め手のある馬なので自信を持って臨めました。状態も良かったことで今までよりポジションも獲り易かったと思います。昇級でも展開が向けばチャンスはありそうですね。
——ニューノーマルは惜しい内容でした。
一度使われたことで行きっぷりも良くなっていました。あと一歩だったのですが……。
——ミッキージャスミンは3着でした。
いいスピードを持っていますね。メリハリがつかなかった点は課題ですが、背中はいいので、成長してくれれば、素質を出せそうです。
——アレグロブリランテは先週も評価されていて、実際に追い切り映像を拝見すると、いい走りができそうな期待も感じさせられました。
粗削りな走りにはなってしまいましたが、素質はありますね。精神的に難しいことは追い切りでも感じていましたし、手前の変換など課題は残りますが、将来性を感じさせる走りだったと思います。
——オンザヴィーナスはどうでしたか。
一度使ってテンションが心配でしたが、悪くなっていませんでしたね。いいスピードを発揮してくれましたよ。
——福島開催は1週目こそラインナップ的にも苦しいかなと思っていましたが、15勝となりましたね。
去年を上回れたのは良かったと思います。ただ、結果だけみればリーディングですが、一つ一つの内容は反省すべきところも多いので気を引き締めて今週も臨みたいです。
——表彰式は藤懸貴志騎手、藤田菜七子騎手、永野猛蔵騎手という変わったメンバーでしたね。藤懸騎手は通算1000勝達成記念パーティにも駆けつけてくれた縁がありますが。
特に自分から声を掛けて出てもらっているわけじゃないのでありがたいですよね。
——ここまで約1年は毎週、勝ち星を残されてきただけにこのまま継続を期待したいところですが、2場開催は正念場となりますね。次週も新潟での騎乗になります。今回もありがとうございました!
しっかり続けていきたいと思います。ありがとうございます。
※次回は8月4日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。