'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
北海道と新潟を転戦!札幌記念はラーグルフとコンビ継続
2023/8/18(金)
先週はJRA通算1400勝を達成&重賞制覇と存在感を放つ週末になった。今週は木曜日の交流重賞を含めると、北海道と新潟を行き来することになる。今年は遠征が多いながらも昨年と近いペースで勝ち星を挙げられているが、今週と次週、札幌での活躍も期待したい。
伸びしろ感じるラーグルフと札幌へ!
——今週は日曜が札幌記念(G2)に騎乗されるため北海道へ。ラーグルフは大阪杯に続いて騎乗されます。
昨年の今頃から乗せていただき、もともと奥があると感じていて、一戦ごと使っていく度に成長を感じていました。大阪杯はさすがにもう少し力を付けないと……という結果に感じましたし、状態面も少し物足りなく感じました。その後はひと息入っていますし、成長があればいいですね。
——コーナー4つのコースは4戦連続となります。
初めての札幌にはなりますが、そこまで苦にすることはないと思います。東京で勝った時が良い内容で、まだ適性を掴みかねる面もありますが、札幌も悪くないはずです。
——コーナーがゆったりして直線が短いというコース形態。流れに乗れればとは思いますが、テンのスピードは一戦ごとに差がある印象があります。
そこは状態によって左右される面がある印象ですね。いい時ならスッと出て行ってくれるのですが、スムーズに流れに乗れるならば、内枠が良いと思います。
——調教に乗られていない分、状態面は未知だと思いますが、一連の中で成長できる余地はありますか?
まだ全体的に芯が入り切っていなかったようにありますからね。その辺りが良くなれば、もっと上のレベルで走れるんじゃないかと思います。昔は違ったようですが、僕が乗せていただいてからは気難しいところも感じませんし、あとは状態と成長に期待します。
——土曜のダノンワンナップは引き続き乗られますね。
競馬は上手で安定して走ってくれます。逆に言えば、もうワンパンチほしい面はあります。
——レガシーオブエリザは追い切りに乗られたようですね。
前向きさもあって追い切りでもいい動きでしたね。
——瀬波温泉特別のキングサーガは2100m戦でお馴染みのコンビです。
コンスタントに使うとデキが落ちてしまうところもあるので間隔が開いているのは良いと思います。ただ、1800mでも新潟の1800mという点は気がかりですね。展開が向いて欲しいです。
——上越Sのウナギノボリは東京での走りからも1200m戦は良さそうですね。
東京1400mより、この距離の方が合っていると思います。あとこちらも展開が向いて欲しい面はありますね。
——日本海Sのドゥレッツァは初コンビです。
追い切りの感覚では能力を感じました。馬力もありそうですし、いい馬ですね。
——アルヴィエンヌは福島で乗られましたね。
前走も惜しい結果でしたが、コース形態がワンターンになるのはいいと思います。
先週は重賞制覇&メモリアルV
——先週の競馬ではアヴェラーレで関屋記念(G3)を勝利されました。
返し馬から状態の良さを感じました。スタートがカギになるとは感じていましたが、すごくいいスタートを決めてくれたことが良かったですね。直線も手応え良く、あとはどこを抜け出すか、といったところでしたが、いい脚を使ってくれましたね。切れ味の良さを持っていると思います。だいぶ前に乗せていただいたことはありましたが、当時は距離も忙しかったですし、その頃と違って体のバランスの良さも良くなりましたね。
——新馬のエリカカリーナはどうでしたか。
勝ち馬には及びませんでしたが、この馬自身の走りでいえば、できたんじゃないかと思いますね。
——キャプテンネキは立ち回りが良く、終いまでしっかりしていましたね。
牝馬ながらパワーもあって、新馬にしてはレースも上手でしたね。
——ヒシルリアンは骨折からの休養明けでした。
体に余裕があったと思います。それにしてもスピードも見劣りしていた面もありましたし、もう少し芯が入ってきてほしいですね。ただ、現状はダートも良いのかもしれません。
——テラステラは前走で好走した上で2番人気に支持されました。
上手く行ったのですが、忙しさを感じましたね。直線では序盤に忙しく感じた分か、なし崩しに脚を使うような雰囲気でしたね。
——トウカイフィエロは1番人気に推されたものの、砂を被りましたか?
スタートが決まらず、砂を被って忙しくなってしまいましたね。
——スプレッドシャインは追い切りにも乗られていた馬ですが、実戦で結びつかなかったですね。
追い切りの感触は良かったのですが、走れなかったですね。追っ付けどおしで気難しいところもあるのかもしれません。
——エコロアレスはどうでしたか。
できれば砂を被りたくなかったのですが、内枠で外も速くていけませんでしたね。砂を被り出したら天井を向くような恰好で厳しい内容でしたね。
——エピプランセスはラスト1Fだけで差し切るような内容でした。
牝馬ながらパワーがあった、何と言いますか強さを感じる雰囲気でしたね。レースもスムーズに行けたところ、直線では待たされる形になりましたが、上手くハマってくれました。このところずっと善戦して、上手な競馬をしていましたが、こういう狭いところに行くような極端な形の方が、勝ちに拘るとすれば良いのかもしれませんね。
——オメガキャプテンは昇級でも対応しました。
昇級ではありましたが、ペースに戸惑わず、いい手応えでしっかりと脚を伸ばしてくれました。競馬が上手です。
——今週は門別・新潟・札幌と乗られますが、このところは移動の際の服装は気にされているんですか?
最近ワイドパンツっていうんですかね?裾が広い服を履くようになりました。今まではあんまり好みではなかったのですが、試すようになりました。
——JRA通算1400勝を達成されて表彰式ではまた髪型と言いますか、髪の色も変わってましたね。
福島の時が1度目のブリーチで今回が2度目で色が変わってたんです。ただ、これも一旦やめて、また違うことをするかと思います。
——ご家族の反響が心配になりますね(笑)。先日は大井の矢野貴之騎手が負傷されたそうですね。
連絡しました。本人もガックリしているようですが、自分も長期休んだ経験もあったので、そこを踏まえて話しましたが、長くは掛かりそうですが、ジョッキーの場合、予定より早く乗れることもありますからね。今はしっかり治して早く良くなって欲しいです。
——次週はワールドオールスタージョッキーズシリーズ出場のため札幌で騎乗ですね。今週もありがとうございました!
ありがとうございました。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。