'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
セントウルSはピクシーナイトの復活なるか?開幕週は中山・阪神と転戦
2023/9/8(金)
今週から待望の秋競馬が開幕。開幕週は中山と阪神で騎乗する戸崎騎手だが、日曜に西へ赴くのは3戦連続のコンビとなるG1馬ピクシーナイトに騎乗するため。本来の地力通りであれば、実績上位の存在、今度こそ復活となるか。夏の新潟開催は惜しくも1勝差でリーディングを逃してしまったが、秋競馬の幕開けとなる節目で弾みをつけたい。
——今週に入ってちょうどよく暑さもわずかながら落ち着きが出てきましたが、秋競馬となりますね。
先週の新潟も一時よりまだマシでしたね。札幌もそうですが、今年は例年以上に厳しい暑さだったので、先週は違いを感じました。毎年、そういうケースはありますが、暑さが堪えている馬もいました。その点、少しでも涼しくなってくれるのはいいですね。
——改めてどんな馬が暑さの影響を受けやすいか、感じられましたか。
やっぱり男馬ですかね。馬体の問題かもしれないですし、気性面もあるかもしれませんね。もともと走る意欲に欠ける馬は余計に影響しやすいようにも感じました。自分自身も例年以上に暑さは感じましたけど、通常通りの取り組み方で特別なことをせずにやり抜けました。
——今週は開催前に台風が来るそうで、また違った天候になりそうですが、まず、土曜は中山で乗られます。
ヒシルリアンは前走が休み明けだったとしても、もう少し動けていい印象がありました。一度叩いて変化がないようならば、ダートの方がいいのかもしれませんが、道悪になった場合も心配ですね。キングダラスは条件的に東京の方が合うのかと思いますが、前走もそれなりに1200mに対応できていたので、ここでもこなしてほしいです。
——日曜の阪神ではセントウルS(G2)でピクシーナイトに騎乗されます。
復帰戦の高松宮記念は順調さを欠いて、前哨戦を使えませんでしたし、京王杯SCはある程度、良くなってきた部分はあったと思います。そこから間隔は開いていますが、長期休養からの3戦目ということで上積みを期待したいですね。
——高松宮記念から京王杯での上昇度でいえば、例えるとどんなものだったでしょうか。
65が80になったようなコンディションですかね。ただ、これがG1を勝っている馬ですし、(福永祐一)ユーイチさんに直に聞いた評価であったり、跨った時の雰囲気、フットワークからすると、その数字程度のポテンシャルじゃないと本当は思います。むしろそれくらいのデキでも走っておかしくないので、もしかすると精神的な面もあったのかもしれませんね。
——追い切りではローズSを予定している僚馬とはいえ、手応えは劣勢でしたね。
過去の走りがフロックだとは思えませんし、結果を求めて遠征したいです。
——先週の競馬でいえば、新潟記念(G3)のイクスプロージョンは見せ場がありましたが、最後は脚が持続しなかった印象です。
結果こそ伴いませんが、一瞬は好走できるかなと思いました。ラスト150か100くらいで止まったあたり、距離が長いのかなと感じましたね。
——ビップナージャは強行軍ながらも惜しい結果でした。
本当にそう思います。よく頑張ってくれています。どうも体の連動性がいま一つでハマりきっていなくて、ハミ受けも良くなくて、モタれる面もあったのですが、そんな中でも頑張ってくれました。
——テリオスルルは評判馬もいた中で逃げ切りでしたね。
追い切りより実戦で良かったですね。1週前の攻め馬に乗せていただきましたが、そこから状態も上がっていたようです。センスのいいところもレースで活かしてくれました。
——デビッドテソーロはどうでしたか。
前が狭くなったことは事実なのですが、懸念していたように流れに乗っていくと脚が溜まっていなかったように感じます。スタートは上手く、あとは伸びるだけだったのですが、中1週も良くなかったかもしれませんね。改めてダートの方が良さそうとも感じました。
——アサクサヴィーナスは惜しい結果でした。
折り合いが課題ながらも凄く上手に走ってくれました。弾けてくれるかと思ったのですが、そこは休み明けの分か、いくらかモタつきましたね。
——オンザラインは逃げ切りで波乱という中でも、惜敗はするくらいにくるかと思いました。
前走は返し馬から雰囲気も良かったのですが、今回は返し馬から進んでいかなかったですね。その点の気配の差はありました。
——シーウィザードは勝ち馬が手強かった中で健闘しましたね。
テンションが心配という話は聞いていたのですが、落ち着いていましたよ。
——サトノトルネードは今、見直しても勝ったように見えるほどの接戦です。
これが誤算ですね。リーディング争いもこれで勝っていれば(2着差で)あったのかと思いますが。まだ緩さもあるので広いコースの方が良さそうですし、ついて行くと甘くなる懸念があったので溜める形にしたのですが、ギリギリの差で悔しいですね。
——次週は3日間開催になります。このところはスポーツの話題も豊富ですね。
ここからラグビー、バレーとワールドカップも続きますよね。あまり詳しくはないのですが、バスケもアツい試合でしたね。楽しく観させてもらいました。
——今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
※次回は9月15日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。