'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
今週は富士Sなどに騎乗&来月はソングラインと米遠征へ!
2023/10/20(金)
東京開催3週目は17鞍に騎乗する戸崎騎手。初コンビを組む富士Sのジャスティンスカイなどの依頼を受けているが、先日、正式に発表されたように来月のBCマイルに挑むことも明らかになった。米遠征は2週後だが、弾みのつく結果を期待したい週末だ。
天皇賞週の騎乗を終えたらアメリカへ
——先日、11月4日にアメリカのサンタアニタパーク競馬場で行われるブリーダーズカップマイル(G1)でソングラインに騎乗することが発表されましたね。
はい!大レースですし、本当に光栄なことだなと思います。責任のある仕事でもありますが、今からワクワクした思いもあります。
——詳しくは次週以降、引き続き伺いたいですが、もうある程度のスケジュールは決定していますよね。
(1週前の)日曜のレースが終わった夜には出発する予定で、現地でも最終調整には乗せていただくと思います。
——週末の騎乗もベストを尽くしつつも怪我がなく終えられることを祈るばかりですが、土曜の騎乗馬から伺っていくと2歳未勝利戦のアルデリシャスやスピリットガイドは前走に続く騎乗ですね。
アルデリシャスは新馬の段階からダートが良いと思っていたので、この初ダートはいい方向に向くのではないでしょうか。スピリットガイドは精神面もフットワークも幼さを感じましたね。それでも走れているのは能力があるからこそ、だと思います。東京になるのも問題ないのではないでしょうか。
——新馬のフィージビリティーは追い切りに乗られたようですね。
正直に言えば本当に良くなるのは少し時間が掛かるのかなと感じました。ダートは良いかと思いますが、まだ緩さがあります。そこが解消してくれればと感じました。
——富士S(G2)のジャスティンスカイは初騎乗です。
同じレースに乗っていて、いい走りをしていた印象があります。実戦で初めて乗せていただきますが、いいイメージで臨みたいです。
——トロピカルティーも追い切りに乗られた新馬ですね。
2週続けて乗せてもらい当該週の方が良くなっていました。強いて言えば重心が低いところがあって、もう少し体が起きてくると良いかと思いますが、能力はあると思いますよ。
——マーブルマカロンは前走に続くコンビです。
レースでは気持ちよく走れていないところがあり、気難しさを感じました。気分を害さないよう乗れれば、さらにいい着順も期待できそうです。
——甲斐路SのサウンドウォリアーやブラジルCのヘラルドバローズは東京で実績がありますね。
サウンドウォリアーは結果が出ている条件。再現できるよう組み立てたいです。ヘラルドバローズは不器用なところがあっても、どんな競馬でもドンとこいといったタイプかと言えば、そうではないですね。モマれ弱さもありそうですし、好走するには展開や流れが付きまといそうですね。
先週3着のライラックはエリザベス女王杯へ
——先週のレースではヴルカーノは本来であれば先行力のあるタイプ。意外な結果に感じました。
自分としても先行したいと考えていたのですが、結果的には休み明けの分が影響したのかと思います。使って良くなる余地はあると思います。
——マイネルクリソーラはどうだったでしょうか。
外枠ということもあって、前走のようなマクるイメージで臨みました。正直、東京よりは前走のようにコーナー4つの方がハマるんじゃないかと思いますね。
——シャンブルは条件替わりがマイナスでしたか。
気を付けてはいましたが、今まで芝発走だったのが、ダートになった分が影響したように感じましたね。
——新馬のレイワサンサンやアメリカンチケットはいかがでしたか。
レイワサンサンはトビが大きくて背中もいい印象でした。ただ、思ったほど弾けなかったですね。馬場の影響もあるのかもしれません。アメリカンチケットは距離ですかね。センスもあってフットワークもいい印象でしたが、スタミナが切れたような走りになりました。
ロジリオンは良かったですね。ゲートの心配もあったようですが、落ち着きがあって精神状態も良かったです。単なる馬場適性だけでなく、いい走りで楽しみです。ホーエリートは新馬もいい走りをしてくれましたが、ギリギリの着差ながら競馬の巧さを発揮してくれました。追ってからの反応がついてくれば、尚良くなるかと思います。
——ロードミッドナイトは追い切り時計も今まで以上に出ていて、状態は良かったのではないでしょうか。
本当にその通りですね……。デキは無茶苦茶良かったです。枠云々よりもコースですね。勝った馬の後ろにつけて、スパーンとくるようなレースが出来たら良かったのですが、デキが良かったあまりに引っ掛かりました。理想を言えば、このデキで1200mなら良かったです。今までならちょっと忙しいくらいだったんですけどね。
——府中牝馬S(G2)のライラックは展開的にも健闘したのではないですか。
追い切りから状態の良さと成長を感じていましたが、課題のスタートも決めてくれて、いい位置で運べましたね。東京向きではないと思っていた中で、あの上がり勝負にも対応しましたし、良かったです。
——エリザベス女王杯(G1)でも乗られるそうですね。この馬があの上がり勝負に対応したり、序盤の位置取りからも変化は感じました。
今年は京都になりますが、去年、走っているレースですし楽しみです!こちらからも乗せていただくようお話しました。
——芹澤オーナーの馬でJRAG1に臨むのは初ですね。JRA移籍前に中央へ乗りにきた際もこの勝負服を着ていた記憶があります。
川崎に沢山馬を預けていて、(南関東所属)その頃から主戦のように任せてくれました。内田(博幸)さんがJRAに行かれてから本当に乗せてもらいましたね。
——ちょっと先の話では東京スポーツ杯2歳Sでシャンパンマークに騎乗されるようですし、楽しみなレースは続きますね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。