'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
ターコイズSはウインピクシスと初コンビ!
2023/12/15(金)
先週は残念ながら1勝に終わったものの、その勝ち星は来季を意識させる勝ちっぷり。戸崎騎手自体も年明けは1月から遠征を予定しており、スケジュールが定まってきているようだ。今週は土日ともに中山の予定となるが、先々に繋がる勝利を期待したい。
条件が重要なウインピクシス
——まずは週末の騎乗馬から伺いたいところですが、それにしても先週のミッキーファイトは好タイムでしたね!
レベルの高さは追い切りで感じていたのですが、実際に結果が出てより楽しみになりましたね。ただ、正直、変わってほしいと思う点も感じたのも事実です。
——あれだけの勝ち方だったので、注文が出てくるとは驚きですが、変わるべきポイントはコーナリングやスタートですか。
そうですね。まだトモが流れるところがあるから、そうなっていると思います。筋肉も緩さがあって芯も、体幹も強くなってほしいです。ただ、そうした面を求められるのはレベルが高いからこそ、だと思います。
——今週は全日本2歳優駿で勝ち馬は目立った勝ち方でしたが、この馬も来年を意識させる勝ち方でしたね。気性面はどうでしょうか。
そこは問題ないと思いますよ。おそらく悪い方には向いて行かないと思います。
——初戦が不良馬場の東京1600m、今回は乾いた馬場の中山1800m、馬場などの適性はどうでしょうか。
その辺りも幅広く対応できるんじゃないかと思いますね。まだまだ2戦しかしていませんが、いい方向に成長してほしいです。
——ということで、今週の話題ですが、サクラサルーテやジュレブランシュは継続騎乗ですね。
サクラサルーテ久しぶりのレースですし、力をつけて欲しいですね。ジュレブランシュは追い切りの動きがもう一つ上がってこなかったですね。ダート自体は合うと思うのですが、背中はいい馬なので成長が伴ってくれば……と感じます。
——アドマイヤマツリは追い切りに乗られましたね。
こちらも動き自体は動けているのですが、追ってからのバラつきがあってレースに行ったらどう出るか、といったところです。
——ターコイズS(G3)のウインピクシスも追い切りに乗られましたね。
元気、ヤル気がある馬といった走りですね。映像を見ても競馬自体も上手なタイプかと思います。あとひと押しに欠ける面がありそうなので上手くカバーできたらいいですね。
——金曜に雨が降りそうですが、今回はマイルになりますね。
馬場自体はあまり降り過ぎるとノメりそうな雰囲気も感じました。距離自体は合いそうですし、あとは枠順や並びといった点が重要ですね。
——ザアトムは久々に乗られますね。
もう一つな結果ですが、今回の追い切りではピリっとした面が感じられましたよ。実戦でも変化が出てほしいです。
——日曜のレガシーオブエリザは新馬戦以来の騎乗です。
ダートがどうかなとは感じますし、追い切りでは以前より大きな成長を感じられなかったのは本音です。ただ、新馬でも好走していますからね。その元値の高さに期待します。
——ドゥザキャッチは以前からもゆかりのあるオーナーの所有馬ですね。
全体的なメンタル、体のバランス、背中といい印象です。ただ、追ってからがもう一つなように成長途上かもしれませんね。
今週はグリーンチャンネルの競馬ブロスに出演!
——先週のその他のレースではカペラS(G3)のタガノクリステルは5着でした。
馬場状態が厳しかったのもありますが、勝った時はスタートして楽に位置をとれたのが、行きっぷりから苦しみましたからね。悲観する内容ではありませんが、この馬なりに成長をしてくれれば期待できそうです。
——ハイエスティームはどうだったでしょう。
これはハイペースについて行き過ぎましたね。位置はとれたのですが、もっと抑えるべきでした。
——ルージュアベリアはゲートから苦労しましたね。
ゲートは遅かったですねえ。体の使い方からも芝よりダートの方がいいかもしれません。
——ミシェットは相手関係を思えば健闘できそうなものでしたが……。
悪くても実戦に行けば走る馬もいるので期待はしたのですが、追い切りの段階から状態面が気がかりだった通りです。力通りならここまで負けるはずではないですね。
——キングサーガはコーナーが増えた分でしょうか?
いや、多少流れる展開でしたが、強気に乗り過ぎましたね。もっと内々で脚を溜めるくらいでちょうど良かったです。
——デコラシオンは映像を見ても判定写真を見ても、気難しさを感じるレースぶりでしたね。
いや~今までで一番雰囲気よくレースを進められて、4コーナーでは「これは(勝てる)!」と力が入ったのですが、やっぱりクセが出てしまいましたね。なかなか勝ち切るには難しい気性だと思います。
——ミツカネエリーズも意外な結果でした。
この条件でも行けると思ったのですが、太目が残っていましたね。馬体重自体は大差なかったのですが。
——今週はグリーンチャンネルの競馬ブロスに出演されていましたね。家では「録っておいたドラマを見たりする」なんて話しでしたが。
前も言ったことはなかったですか?とは言っても、特にこれをするとか決まりがあるわけじゃなく、ドラマも見たりする程度、です。ドラマもこの枠を必ず見るとか決めていませんね。今だったら「下剋上球児」は見ています。
——それにしても特別模範騎手賞ではあんなレリーフ、盾をもらえるものなんですね。初めて見ました。
そうなんですよ。やっぱり制裁点がゼロでリーディングは今までなかったことですし、こだわりはあったので自分でもいい記念になっています。
——有馬記念(G1)はライラック、ホープフルS(G1)はヴェロキラプトルに騎乗されるとのことですが、年明けから遠征も続くようで先々も楽しみですが、残り3日間の開催日もよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。