'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
ホープフルSは連勝中のヴェロキラプトルと初コンビ!
2023/12/27(水)
いよいよ2023年の最終開催日。ホープフルSでは初コンビとなる関西馬に騎乗することになったが、先週の段階では予定していた馬たちが回避などもあり、最終日は4鞍の騎乗になる。一年の最後の一日まで無事に騎乗を終えて欲しいところ。そして、この一年も戸崎騎手への応援、当コラムをご愛読いただいた皆様に厚く感謝申し上げます。
——28日の開催も中山での騎乗ですね。その中でもミツカネエリーズは騎乗経験のある存在です。
いいスピードのある馬です。持ち味を活かした競馬をしたいのですが、前回は砂を被った時の嫌がり方が激しかったですね……。かといって、単に外枠になればいいのか、と言えば、そうでもなく、それにもしかすると今は芝の方がいいかもしれません。ダートを走るにしても馬場状態も必要なのかもしれませんし、条件次第といった面もあるのかと思います。
——ホープフルS(G1)はヴェロキラプトルで臨みます。
レースで初めてコンタクトさせてもらうことになりますが、過去2戦は条件の変化にも対応できていますからね。周りも同じような戦歴の中で、そんなアドバンテージはあるんじゃないかと思います。レース間隔もとっている分の成長も期待したいですね。
——先週の有馬記念(G1)ではライラックに騎乗されました。
状態は良かったです。追い切りでは今まで以上に負荷を掛けながらも体重も増えていたくらいですからね。ただ、レースはメンバーも揃っていて、ここでやり合うには成長が欲しいという面もあります。
——4歳暮れ、ここからの成長となるとどうでしょう。
ただ、前走にしても感じたのですが、今の競馬ぶりで言えば、やや苦しいところもあるので、条件を変えるなりの必要があるのかもしれませんね。その点も含め、改めて新たな一面に期待したいです。
——ウラカワノキセキは馬具の助けも必要なのでしょうか。
レースの形的には走っておかしくないところ。スタートも二の脚もしっかりしていて、今日は走れるかなと思いましたね。ただ、揉まれると良くないところもありますし、馬具なりの必要はありそうですね……。
——サザンステートはより一層、相手関係も上がったにしても、もう一つといった結果に映りました。
パリッとした馬体でもないので、中1週がこたえた可能性は高いですね。
——キントリヒは勝ち切るかどうかも、安定しているイメージもありました。外枠だったとはいえ、もう少し着差は小さいかと思いました。
聞くところ、今回は攻め馬の過程が上手くいったようで状態の良さは感じました。ただ、ラストはいつもと同じような感じで…。成長が欲しいですね。
——シルバージュエリーに関してはもう事前に敗因については確認させていただきましたが、ちょっと参考外のレースですかね。
ゲートの入りが悪くて職員の方もステッキを使ったところ相当なテンションの上がり方をしてしまいました。これは度外視していいと思います。能力的にはこのクラスは勝てると思いますので。
——ケンキョはペースが合わないにしても、もっと走れて良いような馬だと思いました。
砂を被って相当な嫌がり方でした。これまで追い込んできている馬ながら、ここまで嫌がるとは驚きましたね……。
——アイアムユウシュンはどうだったでしょうか。
まだ良くなる余地はありますし、勝てる馬だと思います。
——新馬のオーネットレオはどうでしょうか。
追い切りもよく期待していました。ただ、ハマってないといいますか、緩さがあって今は芝の方が走りやすいかもしれません。内枠どうこうではないですね。
——ピックアチェリーは勝ち馬の進み方が影響しましたね……。
それでも中山にも対応してくれましたね。今回も落ち着きを保ってくれましたよ。
——今年の更新はこれで最後になります。2023年はどうだったでしょうか。
ソングラインに出会えたことは本当に大きかったですね。100勝もできたのは良かったです。
——気の早い話かもしれませんが、来年の目標は決めていますか?
毎年変わらずといったところですが、まだ開催がありますからね。まずは28日の競馬を全力で挑みたいです!
——現在、1436勝。大きな怪我もありながら500勝単位の節目にも近づいてきていますが、1000勝の際には「2000勝を目指したい」という話をされていた記憶もあります。
いや、そこは変わらないですよ。今もその目標はあります。他には、日本ダービーを勝ちたいですかね。
——来年からJRAの馬でも出られるようになった東京ダービーですが、過去4度も勝っていればもう十分ですか(笑)?
いやいや、チャンスがあれば是非勝ちたいです(笑)。ただ、JRAの馬にも枠は限られますからね。細かい想定は確認していませんが、(ミッキーファイトも)1勝クラスを勝ったくらいでは前哨戦の交流重賞に出るには確実じゃないかもしれないようですから。次はオープン特別になるのかもしれませんね。
——年明けは中山と2日連続で京都での騎乗になります。また来年もよろしくお願いします。
今年もありがとうございました。読者の方々も2023年もお付き合いいただき、ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。