'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
今週は16鞍!継続騎乗も多いラインナップ
2024/2/2(金)
東京開催は2週目。今週は東京新聞杯のコナコーストこそテン乗りとなるが、それ以外は比較的、騎乗経験のある馬が多い印象だ。当人も着を拾えた前走から上げたいという意識もある様子。1月以上の結果を期待したい2月の1週目だ。
クラシックで好走のコナコーストを復調させられるか
——土曜の騎乗馬から語っていただきたいと思いますが、未勝利戦のカピリナやミツカネジェミニは継続騎乗となりますね。
カピリナは2戦目でハミの取り方が良くなってきたと感じました。距離を詰めようという話になりましたが、砂を被ったりモマれても克服できればいい走りができるんじゃないかと思います。ミツカネジェミニの新馬は厳しい流れでしたね。それでもポテンシャルを感じましたし、東京に替わる点も気にならないです。
——カピリナは現状の走りであれば距離を短縮した方がいいという見解なのですね。
以前からこの距離がいいと感じていたわけではないですが、追い切りでもいい走りでしたし、今の行きっぷりであれば合うと思います。
——イエヴァンポルッカは2走前に好走しました。
前走の敗因に関しては乗っていないので全てはわかりませんが、2走前はいい走りをしてくれましたね。展開には左右されるでしょうが、通用していい馬だと思います。
——春菜賞のアトリウムチャペルやテレビ山梨杯のオメガキャプテンはいかがでしょうか。
アトリウムチャペルは現状では中山のコース形態が合わない感覚も受けました。新馬戦はいい走りをしていましたし、改めて巻き返してほしいです。オメガキャプテンはどちらかと言えば時計が掛かる馬場が合いそうですが、それでも安定していますからね。先週の東京の芝は時計が出易い傾向だったのは気になるところです。
——日曜のサトノエピックはダートとは驚きました。
そうですね。スピードに欠ける面を補えれば理想です。前回はスタートも良くなって、二の脚も付くようになり少しずつ成長しています。
——ロフティーイデアルは追い切りに乗られたようですね。
追い切りを踏まえ、これまでの内容を見ると、勝ちあぐねるのも頷けるようなところがありましたが、力はあるので上手くアプローチしたいです。
——ジャグアールは東京に戻ります。
前走は継続して乗せていただいて成長を感じました。内容も良くなっていますし、東京でもいいんじゃないかと思いますね。
——アスコルティアーモは前回のレース後、距離を詰めてもいいんじゃないか、とおっしゃっていましたね。
気持ちが入って走っていたのですが、今回、追い切りに乗せて頂いたところ、精神面でゆとりがありましたね。動きはいいですし、実戦でもいい方に出てほしいです。
——ゆりかもめ賞のアドミラルシップは追い切りに乗られたようですね。
1週前に乗せていただきました。基本的には乗りやすい馬ですし、距離が延びるのは対応できそうです。ガラっと成長してきたようには感じませんが、状態自体は良さそうです。
——白嶺Sのジョディーズマロンはどうでしょうか。
こちらも乗りやすく競馬は上手です。先週の東京のダートは時計が掛かっていたようなので差しが利く流れになればいいですね。凍結防止剤が入っていたようですが、特に粘り気があるとか重いとかまでは感じませんでしたが、数字的に変化はありましたからね。差し馬には歓迎かもしれません。
——東京新聞杯(G3)のコナコーストはテン乗りですね。
桜花賞2着という実績の持ち主で楽しみです。成長過程にある馬かもしれませんが、いいところを引き出せればいいですね。
課題を露呈したパライバトルマリン
——先週の回顧ではエイカイマッケンロは勝ち馬との瞬発力の差があったように感じました。
返し馬で状態の良さは感じましたし、競馬にも繋がっているかと思います。この距離の方が持ち味は活きていると思います。
——根岸S(G3)のパライバトルマリンはどうでしたか。
イメージ通り進められたのですが、懸念していたのがギアの入りですね。ワンペースな面を露呈してしまったように感じます。もう一つ成長があればいいですね。
——ニフェーデービルはチャンスのある存在かと思いましたが、どうだったでしょうか。
この馬にとってはポジションを取りにいったことが裏目に出たように感じます。気を乗せるより淡々と進めて終いに懸ける方が合っていそうです。
——マイショウチャンは追い切り時計を見ている限り今回はいい状態なのかと思いました。
体自体は幅が出て大きくなりましたね。ただ、走りの軽さは否めないです。実戦でももうひと伸びあってよさそうなものですが。
——エコロライジンは初騎乗でした。
乗りやすい馬でしたね。スタートは気を付けましたが、問題ありませんでした。以前は走っていて脚をぶつけてしまうところもあったようですが、そのあたりも良くなってきているようです。ゆっくり成長しそうな気配は感じますが、まだ奥がありそうです。
——ドゥザキャッチはスタートの不利も影響しましたか?
いやいや、あれくらいなら許容範囲内です。しかし、芝の方が合っているのかもしれませんね。
——フライライクバードは連対した2頭以外には先着できましたね。
相手は強かったですね。リズムを重視するところが、今回は気持ちの入りが前回と違ったのが好材料でした。手応え良く直線を向けましたし、よく頑張っていたと思います。
——エリカカリーナはいかがでしたか。
追ってからどうか、という懸念はありましたが、その差が最後に出たように感じますね。
——ロードアラビアンは1年振り。不利の影響も大きかったんじゃないでしょうか。
ブツけられたことでヤル気になってしまいましたからね。長い休みで気持ちもより繊細になっていたかと思います。
——新馬戦のデイジーは先行決着の中で脚は使っていましたね。
走りのバランスが安定していないところがあって、流れにも乗り辛いんですよね。ミスステップするようなところがありましたが、最後の脚は良かったです。
——1月の開催はどうでしたか。
勝ち星を挙げられなかったことは悔しいですね。ただ、着を拾っていることで次走以降にはつながると思います。おかげさまで冬場ながら天気にも恵まれていますからね。しっかり勝ちたいです。
——今冬は例年以上に気温の高い日もあったんじゃないかと思います。
ジョッキーは薄着で乗るので過ごしやすくはありますよね。それでも対策はして臨んでいます。やっぱり寒さ対策をして乗った方が動きも良くなりますからね。
——現在43歳、常日頃から「年齢的に痛いというところはない」とはおっしゃっていました。そのあたりに変化はありますか。
今も騎手にありがちな痛いところなんかはないですよ。なんだかんだ食生活も影響しているのかもしれません。
——長年やってきたグルテンフリーの効果もあると。
ありそうですね。今は完全に制限しているわけではないですが。
——以前、「伸ばす」と宣言していた髪も伸ばされているのですか。
伸ばしています。自分では気に入っています。
——ご本人が納得なら何よりですね(笑)。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。