'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
クイーンC&共同通信杯 連日3歳重賞に騎乗!
2024/2/9(金)
東京開催では連日、3歳重賞が組まれている今週末。戸崎騎手はいずれもテン乗りのコンビとなるが、春に繋がる結果を残せるだろうか。
テリオスサラは追い切りに騎乗、ジャスティンミラノは当日に初騎乗
——先週は相手が悪く2着というレースもありましたが、4勝ということで何よりでした。今週は重賞が注目かと思いますが、実戦で乗られていない馬なので未知数な面もあるかと思います。いつも通り騎乗経験のある馬を中心に伺っていきたいですが、土曜のマイショウチャンは距離を延ばしますね。
いつも頑張ってはくれているのですが、何かもう一つキッカケを掴むために距離を替えてみることにしました。これがいい効果があるといいのですが。
——雲雀Sのヴェルトハイムはハンデ戦で好走することが多かったところ、今回は定量戦になります。
前走はスタートが決められず、展開的にも苦しい形でした。ただし、基本的には乗りやすい馬でレースが上手です。2走前もこの斤量で頑張ったので改めて、ですね。
——クイーンC(G3)のテリオスサラは追い切りに乗られたそうですね。
前走はテンションが上がってしまったそうで出遅れ。攻め馬では精神面に気を付けていましたが、問題なく走れていました。まだ走りが左に流れるようなところはありますが、いいフットワークはしていました。背中の良さはある馬で欲を言えば素質ほどまだ力を発揮し切れていない面を感じました。成長してくれるといいですね。
——サトノレイズは時計が掛かる1週目のダートでも先行して粘っていましたね。
この条件は現状合っていそうですね。外枠で上手く先手もとれて、上手に走ってくれました。まだ内枠でモマれた際などの不安はありそうですが、今回も頑張ってほしいです。
——新馬のロサンゼルスは2週前に乗られましたね。ここのところの新馬戦の状況からも除外続きだったようですが。
パワータイプといった印象ですね。タイプ的には2週延びて乗り込みが増えたことはいい方に出そうな感覚も受けました。
——今週は雪もあり、どんな馬場状態になるかわかりかねますが、先週の東京ダートはどうでしたか?
乗っている分にはそこまで凍結防止剤の影響を感じないんですよね。へばりつきやすいといったことはなかったですから。それでも時計が掛かっているのなら、やっぱり影響はあったのかもしれませんね。
——アドマイヤマツリは当週の追い切りに乗られたようですね。
新馬当時より追い切りはいい雰囲気でした。まだ本質的には頼りなさもあるので東京替わりでカバーできれば理想です。
——マルディランダやヘッズオアテールズといった面々は引き続き乗られますね(※枠順確定前に出走取消)。
マルディランダは勝った時がいい脚を使ってくれましたから改めて期待です。末脚の良さも使い方次第かなと思いますが、2走前で能力は示していますからね。あとは差しが決まる条件だといいのですが。今はどちらかと言えば内枠だったり、先行有利でもありますね。ただ、圧倒的な傾向ではないですからね。
ヘッズオアテールズはどちらかと言えば上がりが掛かる展開や条件が良さそうですけど、立ち回りは上手いですからね。強みを活かしたいです。
——共同通信杯(G3)のジャスティンミラノはテン乗りです。
新馬もいい勝ち方をしていましたね。どんな走りをしてくれるか楽しみです。
東京2週目は4勝!
——先週のレース回顧ではエランティスのレースは差し決着になってしまいましたが、立ち回りはよく映りました。
いいスピードを持っていますね。ただ、先行して勝ち切れないあたり1200mで1列、2列下げてという形もいいんじゃないか、とは進言させていただきました。器用さもありそうですからね。
——東京新聞杯(G3)のコナコーストはどうでしたか。
う~ん、レースに集中し切れていないといいますか、走りに雰囲気が感じられなかったですね。乗り味はいいのですが……。
——ジョディーズマロンのレースは勝ち馬が目立っていたものの、この馬自身は帰厩してすぐに使ったようですね。
レース後にそれは聞きました。やっぱり体に余裕がありましたし、使えば変わってきそうですよ。素質はある馬ですからね。
——以前であればモマれ弱いなんて話もあるようですが、感じるところはありますか?
自分が乗っている時はそういうことはないんですよね。それは東京で乗せていただくことがあるからかもしれません。東京だと流れも落ち着いてカバーしやすいですからね。
——アドミラルシップはここまで負けるとは……ですね。
距離も長かったのかもしれませんし、体力もまだ付ききっていなさそうですね。
——アスコルティアーモは少頭数のレースでしたが、人気に応えました。
追い切りの段階から前走より余裕が感じられましたね。理想を言えばもう少し体が起きて走れればいいですね。昇級すると、力をつけていく必要がありそうです。
——ジャグアールは一瞬、素晴らしい追い上げっぷりでしたが、前走に続きまたも強い相手がいたか、という結果ですね。
ただ、ジャグアールもレベルの高い走りはしてくれたと思います。それだけに勝ち馬の強さには驚かされましたね。
——サトノエピックはダート初挑戦。スローペースながらもラストもしっかりまとまりましたね。
強かったですね。最後も余裕がありました。長い距離は向いていると思いますよ。
——オメガキャプテンは展開が向いたにしても、今までのイメージを一新する走りだったんじゃないでしょうか。
ゲートで遅れたことで思ったより後ろになってしまいました。ただ、その分、いい脚を出してくれました。これなら1400mではない距離でも可能性があるかもしれないですね。
——アトリウムチャペルやイエヴァンポルッカはいかがでしたか。
アトリウムチャペルはゲートも決めてほしいところですが、もう少し成長がついてくればいいですが……。
イエヴァンポルッカは走る度の印象が変わり易いといいますか、以前であれば1400mでも折り合いに気を付けるくらいだったのが、今回は促すくらいでラストもジリっぽかったですね。その日のデキや精神面に左右されるところがありそうです。
タイセイミッションは返し馬ではいい雰囲気でしたが、ダートの方が良さそうじゃないかと思いますね。
ミツカネジェミニは前走の方がテンの行きっぷり、追ってからの反応が良かったですね。それでもいい走りはしてくれていますが。
タッカーバレットはゲートを出ていれば先行することも可能だったでしょうが、甘さがある分、こういう形の方が良さそうですね。それでももう少し上の着を拾ってほしい思いもあります。
カピリナは新馬の前から期待していただけに、感覚が間違っていなくて良かったです。まだモマれたことがないですし、覚えることはありますが、上のクラスでも頑張って欲しいですね。
——今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。