'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
先週は7勝の固め打ち!今週も中山で騎乗
2024/3/1(金)
先週は日曜の5勝を含め土日で7勝の固め打ち!中山での1日5勝は自身にとっては2015年以来だったようだ。今週は続々と春の騎乗予定が明らかになったが、3月と言えば一年の中でも重賞の多い月でもある。大きな舞台での活躍も期待したい。
今週は栗東トレセンでセレシオンの追い切りにも騎乗
——先週は土日で7勝と固め打ちでした!やっぱり気分もいいものですか?
まあ、そうですね!沢山勝てることは嬉しいものです。
——今週はまた違った様相になりますが、3月も勢いを継続できれば幸いですね。改めてお願いいたします。土曜の話題から伺うと、未勝利馬のエコロヴァルムやキャネルは継続騎乗ですね。
エコロヴァルムは東京で乗せていただきましたが、中山になるのもいいと思いますよ。キャネルはいいレースをしてくれていますからね。あとはメンバー次第ではないでしょうか。
——上総Sのフランスゴデイナは2走前まで乗られていました。
前走が乗っていなかったので敗因はどうか、ですが、このクラスでもやれていいと思いますからね。改めて期待です。
——オーシャンS(G3)のショウナンハクラクは初コンビになります。
脚質の割に道中で折り合いを欠きやすいようなところがあるので気を付けて臨みたいですね。あとは流れが向いてくれれば理想です。
——リチャの前走は勝ちに等しい走りだったように感じます。
そう思います。同じようなことになりますが、あとはメンバー次第でしょう。
——日曜のジャグアールやユキワリザクラはいかがでしょうか。ジャグアールは常に強い相手に阻まれている印象です。
ジャグアールはその通りですね。この馬も高いレベルの走りをみせてくれていますし、中山でも走れているのでコース替わりも気になりません。ユキワリザクラは新馬で人気こそなかったですが、センスは感じました。2戦目で改めて期待です。
——湾岸Sのセレシオンは栗東で追い切りに乗られたようですね。
もう少し走りがまとまってくるといいですが、能力は感じました。乗りやすいタイプでしたし、距離も合いそうですね。
——弥生賞ディープインパクト記念(G2)のアドミラルシップは引き続き乗られます。
この時季の馬でコンスタントに使われている分は気になりますが、健闘している舞台に戻りますからね。
先週は7勝で一気に躍進
——先週のレース回顧ではホウオウカブキは厩舎サイドも状態面を指摘されていたようですし、序盤の進みっぷりはいま一つ。これは厳しいのかなと感じました。
状態面については聞いていましたし、確かにスピードの乗りはいま一つでしたね。ただ、この馬は途中から動いて行くようなレースが合うかもしれません。まだ反対手前で走ったり、体質的に頼りないところがあって成長する余地は残っていて、安定感に欠ける可能性があります。しかし、上のクラスでもやれると思います。
——中山記念(G2)のジオグリフは3着でした。特殊な展開でしたが、血統的にはこんな馬場は合うのかなと思いました。
状態は凄く良さそうでしたよ。スムーズに運べて直線もいい雰囲気で向けましたが、ラストは脚色が一緒になりましたね。ただ、渋った馬場も決していいようには思わなかったです。
——現状でどんな条件が合いそうですか。
1800mは合うと思いますね。マイルになると少しスピードも足りないようにも思いますし、適性のある番組が狭い可能性はありそうですね。
——マニバドラはモマれない枠は良いとしても、他馬との兼ね合いで隊列的に苦しくなったかと思います。前半だけ見ると厳しいかなとも感じました。
ゲートの中に怪しいところがあるようなので外枠は良かったと思います。隊列は難しかったですし、力ませる走りになってしまいましたね。リズムを欠いてしまった中でも強さをみせてくれました。
——イゾラフェリーチェは逃げ切りでした。
これから良くなりそうな馬といった印象を受けたのですが、遅いペースながら楽に行けましたね。脚取りも乱れることなくまとめてくれました。芝は合っていると思いますし、硬い馬場がどうかと感じるものの、ポテンシャルは高そうですよ。あとはどんなタイプに成長してくるか、ですね。今回だけではどんな方向性がベストなのかは正直、計れなかったです。
——ファミリークレストは先行馬が粘り込んだとはいえ、後方からも上位に入っていたレースでした。もう少し脚を使えそうなものですが。
結果論になりますが、東京の方がいいですね。コーナー4つのコースは今ではあっていないように感じました。
——ヴァルドルチャは戒告をもらっていたのが、個人的には首をひねるところでした。ただし、中盤の流れが緩まない流れを押し切りました。
強かったですね。力を信じて乗りました。
——エクリプスルバンはモマれたのか、枠がダメだったのか、いかがでしたか。
モマれたことに対しては上手に走ってくれましたね。新馬はいい走りをしてくれましたけど、もう少し力をつけて欲しいです。
——フェルメールはテン乗りでしたが、早々と外に出しての差し切りでした。
乗り味的には力のある馬だなと思いましたね。クラスが上がっても通用しそうですよ。
——ホウオウラスカーズは外に膨れるようなシーンもあり3着でした。
スタートが決まらないことのある馬という意識を持って臨みましたが、出てくれましたし、道中の手応えも良かったですね。コーナーで外に振られましたし、外に張るようなところもあったロスはありましたね。
——1月はCコースでの開催。Aコースになっての開幕週だけに芝は内の方がいいですか。
ただ、内は緩いんですよ。芝の塊が飛んでいるように特に3、4コーナーはかなり緩いですね。あれだと2週目も内有利になるとは必ずしも言い切れないように感じましたね。
——ネイビースターは芝に戻って2着でした。
色々課題はありましたが、うまく走ってくれたと思います。今回の形を継続できていけば成長しそうですね。欲を言えば体質的にも体の緩さが良くなれば理想です。
——ターコイズフリンジは追い切りの感触は良かった馬だったと思いますが、大型ながら短距離の母系が出てしまったのでしょうか。
追い切りの時と違ってテンションが高かったですね。力みが目立ってリラックスして走れていなかったのが敗因です。この雰囲気では距離も長かったように感じました。
——デンティベスは先行した馬たちが上位を占める中でそれらについて行って失速でした。
3、4コーナーの緩い部分で脚をとられていましたし、もう少し距離は短くて良さそうですね。
——ジュレブランシュは早めに取りついて押し切る形でした。
外枠でポジションの差をリカバリーできました。追ってしぶとい面があるので強気に行けましたね。
——イェルマークは東京で除外になっての中山替わりでした。理想としていた条件ではなかったのかもしれませんが、いかがでしたか。
距離適性的に違ったとしても、追ってからもう少し伸びてほしかったのが本音です。追い切りは動けていたものの、まだ走りがバラついている分も実戦のスピードになると影響したかもしれません。
——パレスドフィーヌはどうでしたか。
いいスピードを発揮してくれましたし、現状はダートが合いそうですね。
——金鯱賞(G2)のノッキングポイント、フラワーC(G3)のカニキュル、大阪杯(G1)のローシャムパークなどの騎乗が発表されました。ミッキーファイトは2月に使えず、3月だったはずが、放牧していたので気になっていましたが、これはユニコーンS(G3)ということですね。
はい、そう聞いております。
——楽しみなレースが続きますが、次週は昇竜Sなども楽しみですね。今回もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。