'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
土日ともに京都で騎乗!天皇賞・春はドゥレッツァ、ユニコーンSはミッキーファイトとコンビ
2024/4/26(金)
今週は連日、京都への遠征。いずれも上位人気が予想される存在だけに結果を残せれば何よりだ。1500勝への節目にもあと17勝と迫っている最中。春開催中の勝ち星加算も期待したいところだ。
1勝クラスを出色の時計で制したミッキーファイト
——今週は土日ともに京都での騎乗。テン乗りの馬が多数ですね。まずは枠順も確定している天皇賞・春(G1)のドゥレッツァについて伺っていきたいです。枠順は6枠12番に決まりましたね。
理想を言えば内の方がいいのでしょうが、もともと極端に外の方じゃなければいいのかな、といったくらいに思っていました。枠に関しては与えられたところでやるしかないですし、この枠で考えるしかないですが、そこまで外にいかなかったことが何よりです。あまり気にしていなかったところです。
——枠を踏まえた上で懸念材料はありますか。
折り合い面ですかね。そんな観点からも前に馬を置いて競馬ができればと思っていましたが、ここならそれも可能なのかと感じました。あとはリズムをしっかり保てればと感じています。
——菊花賞では展開的に動きのあるレースでしたが、イメージとしては淡々と進む方がいいのでしょうか。
そうですね。あとは京都になるので、馬によってはバランスを崩すこともあるのが独特な下り坂なのでね。そこは気を付けたいです。
——レースで乗られたのは新潟だけ。精神面で気になるところがありましたか。
返し馬や馬場入りではそこまで気にならないですね。それにあの時は馬の地力に助けてもらった勝ち方で強い内容でしたね。
——先週は追い切りに乗りに行かれましたね。
1週前時点でのコンディションは良いと感じました。調教でも折り合いやリズムの面は気を付けて乗りましたが、我慢してこなしてくれましたよ。以前よりも力はついたと感じましたし、ドッシリしたように感じます。
——金鯱賞では2着。新馬以来の敗戦となりましたが、この馬にとって理想とするペースはありますか。
長距離戦は合っているでしょうし、繰り返しになりますが、リズムですかね。あとは切れ味もあれば、長く脚を使える面もあるタイプだと感じています。
——再び長距離戦になります。
常々言っていますが、3000mを超える条件が得意な馬って今の競馬ではそこまでいないんじゃないかと思います。その中で菊花賞を勝っていることはアドバンテージでしょうからね。個人的には同じ尾関厩舎で2着に負けたレースでもあるので、その分も巻き返せたらと思います。
——土曜のユニコーンS(G3)に挑むミッキーファイトも楽しみな存在です。
率直に期待しています!重賞でも結果を出せるようにしっかり騎乗したいですね。
——キャリアも浅く、関西圏でのレースなど未知の条件がありますね。
正直に言えば、やってみないとわからないところはありました。それでもタイプ的には輸送が影響するほど繊細でもないように感じますね。
経験も浅いですし、まだまだ細かい点で成長して欲しいところは多々あったのですが、前走の乗り味は良かったですから楽しみです。スタートはそこまで速くなかったので気を付けたいところですが、最終的には素晴らしい走りをしてくれましたね。
——戸崎さんにとっても相性のいい東京ダービーへ向けて、何とか権利をとってほしいですね。
今年から東京ダービーもまた違ったレースになりますからね。また乗れるよう頑張りたいです。
期待馬ウェイワードアクトが連勝!
——先週のレースでは、ウェイワードアクトは連勝です。
期待していただけに通過点にしてほしいと感じていました。今回は砂を被ったり、前走と違った競馬もできましたからね。今後も楽しみです。
——フローラS(G2)のトロピカルティーは5着でした。
1コーナーの入りで理想より1列後ろになってしまいましたね。まだ反応がしぶいところもあって成長の余地も残していると感じます。今後、力を付けて行って欲しいです。
——アサクサヴィーナスは今回も差のない走りはしていますが、距離は短い方がやりやすいでしょうか。
休養前より前進気勢が強くなっている、といった話を聞いていました。返し馬では落ち着いていて、行って押し切れるかと思いましたけどね。見立てほど甘くはなかったです。やっぱり以前より行きっぷりが良くなっていますし、1400mくらいの方が余裕を持って走れそうですね。
——アルヴィエンヌはダートで2戦目でした。
こちらももう一つ前に行けていれば違ったのでしょうが、モマれる形になりましたからね。
——エストレヤデベレンは前走でも行きっぷりが良かったですが、1400mで押し切りました。
外枠だったのでスムーズにいけましたね。能力は感じました。気性的にマジメなので、今後、距離が保てるといいのですが。
——ポルトフェリスはテン乗りでした。
返し馬で状態の良さを感じました。レースではフワフワしたり、モノ見もしていながら押し切ってくれましたね。背腰はまだ良くなりそうですね。
サクソフィーナは乗った感触でいえばマイルでも良さそうですが、結果が伴っていないあたり、1200mの方がいいのかもしれません。ダノンマカルーは競馬を教える意味もあったのですが、とはいえ、もう少し前で運べれば良かったと思います。
——デシエルトは転厩初戦でしたが、5着でした。
こちらも1列目で運べればまた違ったかもしれませんが、砂を嫌がって浮いて走るようなところがありましたね。モマれたことは影響しましたね。
——オメガキャプテンはあのレース運びで伸び切れないあたりは状態面か、クラスの壁ですか?
そう思いますね。レースは上手く行って、道中も悪い走りはしていなかったですからね。休み明けが影響したと思います。
——ジーゲルは逃げ切りでしたね。
逃げには拘っていませんでしたが、いいスピードがありますね。いい走りをしてくれましたよ。
——今週は大井競馬場で後輩の真島大輔調教師(元騎手)の初勝利にも立ち会っていましたね。
そうですね。真島騎手時代の勝負服は周りから「着ろ、着ろ」言われたのであの格好になりました(笑)。
——次週以降は東京での騎乗。NHKマイルCはロジリオンと再コンビですね。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。